「 シーズン7のメンテナンス 」 一覧

タグ "シーズン7のメンテナンス":17件
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アッパーファイヤーバックの取り付け

2011/09/25   -シーズン7, 薪ストーブ

さてアッパーファイヤーバックを取り付けよう。ここを正確にやりたくて始めた今回のメンテナンスだ。やっとたどり着いたよ。
セメントを盛るのは図のようなラインだ。そのための溝がある。ボルトの穴を迂回するかまっすぐ盛るか、流儀が分かれるようだが、ここに十分な量を充填する。私はパテで盛っていることもあって全面に盛りまくったよ。そう、ここはパテでする仕事だと私は思う。
そしてバックパネルの側の溝にも。本来は盛るべき溝のないサイドパネルの方にも。


むろん過剰なセメントの量は、はみ出すだけで意味がない。盛ればいいってもんじゃないが、とにかく今回のメンテナンスはここを確実にやりたかった。シーズン途中に気密漏れの心配などしたくない。アンコール触媒機メンテナンスのひとつのキモなのだ。
それに長年使ってる薪ストーブのパーツは歪みや曲がりがあって当然。私のアッパーもやや変形が始まっている。新品では起こらない隙間も起きるだろう。十分すぎる量のセメントで対応する。
天板を外して上からやるのはラクだよ。すべて見渡せるし細部も確認しながらできる。
アッパーは左右2つのボルトで固定される。まず左側からダンパーロッドの穴に通すとそこで左側の位置は決まるから、反対側(右側)のボルトを締めて固定だ。
写真がないのが残念。上からならばあっと言う間に接着だ。
バックパネルとアッパーとの隙間も十分にセメントで埋めよう。

ところが、、、!
二次燃焼ボックスを忘れた!
あの有名な?「アッパーファイヤーバック取り付けのミステイク」だ、笑。
アッパーの前に二次燃焼ボックスを据えておかないと、後からでは二次燃焼ボックスを入れることはできない。あらかじめネットで読んで知っていたのにやってしまった。上から作業してるからつい気づかないんだな。
直後だったからアッパーをいったん外してセメントを整え直してやり直しがきくからいいものの、次回からは「二次燃焼ボックス」とガムテープに大きく書いてアッパーに貼ってから作業しようと誓ったよ。
くり返すが、
「アッパーファイヤーバック取り付けのミステイク」には3つある。
1)ダンパーロッドにスペーサーとワッシャーを通し忘れること
2)二次燃焼ボックスを忘れること
3)耐火セメントが十分でない
気をつけよう、笑



一度経験すればどこにどう接着されて、セメントがどれだけの量いるのかわかる。導入当初に見たあちこちにはみ出した耐火セメントの理由もわかってくる。
これなら天板をしたままやるアッパーの交換も理解できるが、それには経験と回数が必要だろうね。だからほとんどの人は専門家に依頼する。正解だ。
初めてだったり経験が少ない人は知らず知らずミステイクをしている可能性はある。
一方で、初めてやった私でも天板を外せばなんてことない作業であることも事実。
アンコール触媒機は天板を外すことで、案外「普通のメンテナンス」が可能になるかもね。
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天板のファイバーロープ化

2011/09/27   -シーズン7, 薪ストーブ

私は改造のアプローチはしない。だから天板もセメントで固めるつもりだった。
しかしアンコール触媒機は天板を外してこそ「普通のメンテナンス」が可能になる?とやってきたくせに、またセメントで固めてしまってどうする?
しばらく逡巡したが、やはり記事的には試さねばなるまい。天板のファイバーロープ化を考えてみた。
参考になるのは次のサイト。
すでに天板のファイバーロープ化を行っている。
▶薪ストーブ情報 firewood.jp 薪焚亭主人さん
▶薪ストーブ研究室 nnishiさん

天板の溝はやや幅がある。ふだんアンコールで使わない1/2のファイバーロープが良いのはそのためだ。長さは185cmくらいだったかな。
手順は通常のファイバーロープ交換と同じ。
1)古いセメントを除去しキレイにしたら濡れぞうきんで湿らす
2)濡らしたぞうきんでファイバーロープの接着面を湿らせる。
3)セメントを充填する。
4)引っ張らないようロープを置き、指でしっかり押さえる。
さて注意点は、コーナー4カ所と、フロント中央のネジ込部分。結構な隙間があるのだ。
天板を外した直後の写真をのせておこう。耐火セメントがどう盛ってあったか様子がわかる。耐火セメントを取り除いた写真ものせておく。形状がよくわかる。


まずコーナー4カ所の隙間を何とかしよう。ここの処理次第では煙が漏れる例がある。
私はそれよりも余分な空気を吸うことがイヤなので隙間はがっちり固めたい。そこで空間をセメントで埋めることにした。
適度にセメント山盛りして天板をのせれば「型」がとれる。形を整えたら一日乾燥して完成。見苦しいのはご愛嬌。成形しようとしていじりすぎたんだ、笑。


次に紙粘土を買ってきて、ファイバーロープの咬み具合やどれだけ隙間が残っているか調べた。図のようにファイバーロープを二重にする余地はないかと考えたからだ。理屈では1/2(12.7mm)の厚みを上に入れたら下にも同じ厚みが入るはず。


緻密に調べてるフリしてとてもアバウト、笑。
予算的にホームセンターで済ませたくてそれしかなかったホンマ製の8mmをチョイスしたよ。



気になるのは、固定する全ネジがあまりに華奢すぎること。強いトルクをかける設計になってないよね。
この点、二重にして適度なトルクで済むようにと思った発想なんだけど、ファイバーロープだからある程度締めなきゃいけないし、結局のところ天板をのせるとギューギュー締めちゃうんだよね。
改造というより試行錯誤。何年かで方法を定めたいと思う。
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天板のファイバーロープ化2

2011/09/28   -シーズン7, 薪ストーブ

天板を外してラクになることは、気密チェックがずっとやりやすくなるってこと。
例えば以前見つけたエアープレートの空気漏れ。去年のメンテナンスで補修したのだが上の写真の通り改善している。隙間を耐火セメントで埋めたんだ。空気の漏れはみられない。
エアープレートの他、アッパーファイヤーバック、サイドパネル、エアーウォッシュマニホールド、フロントなどでこのようなチェックをひとつひとつして、必要ならば耐火セメントを充填する。古いファイバーロープを詰め込んだりもした。これは天板を外さなければ困難な作業だよ。


天板を外す作業の難易度は低いと書いたが、実はアッパーもエアープレートもつけたまま一番最初に天板だけ外すのは結構やりにくい。それは天板だけ一番最後に取り付けるのも同様。天板を止めている全ネジを回すのが窮屈でやりにくいのだ。唯一ここが面倒だな。
手探りでボックスレンチや板状のラチェットレンチなどを使っているが、それなりに楽だけどやっぱりコンビネーションレンチ(とくにメガネレンチ)が万能で一番だろうか。

さて、アンコール触媒機の天板は耐火セメントで固める設計だ。メーカーや代理店に天板のファイバーロープ化を相談しても、口が裂けても「良し」とは言わないだろう。
けれども天板を外すことで「普通のメンテナンス」がラクになるのであるし、自分で手をかけ目をかけ、細部まで面倒みることで愛情が深まるのは間違いない。
私は今いつの年にもまして、アンコールがかわいくて仕方がない、笑
早く焚いてあげたい。シーズンインはもう迫ってる。


追記だ。
まるで推奨するような記事になったが、天板を外すのはイレギュラーなこと。推奨はしない。その必要も無い人がほとんどだし、それ以上のメンテナンスは専門家に相談が確実だ。
何年も自分でメンテナンスをしていて、どうにもその先がやりたい、外さなければならない状況に出くわした、そんな人が情報を探しているのなら参考になるだろう。
たぶん専門家が取り組めば天板のファイバーロープ化は安全確実にできる。やろうと思えばそんなサービス提供もアリなんだろうけど、、ま、、、、このへんで。

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吹き抜けの二重煙突化

2011/09/29   -シーズン7, 薪ストーブ

メンテナンスの仕上げは、念願の断熱二重煙突化だ。
ほんの一部だけどね。
我が家は抜き抜けを4.7mのシングル煙突がストレートに立ち上がっている。これはこれで引きもいいだろうと悦に入っていたのだが、やがて焚いているうちに二重煙突の重要性を知るようになる。アンコールの取扱説明書に書いてある「室内のシングル煙突は2.4mまでに留めなさい」という意味も理解した。
最近の傾向では室内の大部分を二重煙突にするのは主流のようにみえる。あれはそういう施工例ばかり紹介しているのかな?だとしてもそれは大切なポイントだからだ。
やりたくて機会を待っていたところシーズン7を前にようやく、上の2本分(2m)だけ施工することができた。長さが足りないことはわかってる、すべては予算の関係。数年のうちにもう1~2本追加したい。
施工は専門家に依頼した。

これまでいろいろと考えたよ。筒状の不燃の断熱材をシングル煙突に巻こうか、ボイラーや空調設備の配管に巻く断熱材ならどうか、ひと回り大きなシングル管をかぶせて不燃の断熱材を充填すれば同じじゃないか、などなどジタバタしたわけだ、笑。
どれもこれも100度を超える高温で断熱材が発する有毒ガスや臭い、発火や発煙、焦げや耐久性などに確証がなかった。作業場とかボイラー室なら例もあったがここはリビングだ。無理なものは無理。やめた方が賢明だ。
二重煙突に期待していることは、
1)煙突の煤が少なくなる、
2)スムーズなドラフトで空気調整レバーでの絞り幅が増える
3)薪の燃焼に変化があること。より少ない空気で長時間燃えてくれないか
上2本だけの二重煙突化だから過度の期待は控えたいが、さてさて?
でも楽しみだね。
こうやって薪ストーブライフも少しずつ一生かけて完成していくんだ。
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シーズン7のメンテナンス終了

2011/09/30   -シーズン7, 薪ストーブ

シーズン7を迎えるためのメンテナンス記事もようやく区切りがついた。書ききれなかったことで思いつくことを最後に列記する。ちなみにウォーミングシェルフがあるがまだ取り付けていない。
3年使用した二次燃焼ボックスは結局新品に交換した。まだ使えると思いたいが、実はサイド側が破断している。コンバスターが変形して二次燃焼ボックスまで壊したのだ。コンバスターさえ壊れなければこうはならないのに。とりあえず保管しておくよ。
6年使ってるロアーファイヤーバックはやや変形があるが、耐火セメントやファイバーロープで対処する余地がある。まだ使用する。
3年使ってるスロートフードもかなり反っているが、それがナニカ?ってわけで役目は果たすだろう、問題ない。



3年使ってる二次燃焼のバイメタル。かなりくたびれているが、サーモスタットのサビや固着物を紙ヤスリで落としてまだまだ再使用だ。
フロントドアの左右ファイバーロープも交換した。紙を使っての密閉度チェックもダンパー含めて全部したよ。
アッシュトレイ部分の耐火セメントに穴を発見。これも埋めておいた。

耐火セメント容器入りは、バックパネル、アッパー、天板まわりの隙間処理で1つ使い切ってしまった。フルメンテナンスすると容器入り2つは使うというから納得のうち。
カートリッジ式の黒ラベルは半分くらい残っている。汎用キャップをギューギューはめて保管だ。キャップの中にはボロ布の切れ端を湿らせて詰めてある。少しでも乾燥硬化を防ぐため。

ところで私はリビングに据えたままでメンテナンスを行った。
古い耐火セメントを取り除いたりする時は、例の強力な掃除機(「耐火セメントの除去」)で吸いながらやるので意外と散らからなかったよ。ワイヤーブラシで擦る時も掃除機をあてて粉塵を浮遊させない。もちろん運びだせるパーツはウッドデッキに出て作業する。

最後に今回のメンテナンスで使ったもの。工具は家庭にあるなんてことないものばかり。私はこの程度だよ。
ただ自分んちだし素人なので時間をふんだんにかけられる。専門家が時間の制約の中でする仕事を、1ヶ月も2ヶ月もかけてするんだ。7月から9月にかけて、作業量にすると正味たった5~6日くらいかな。8月は暑いので放っておいたし、その間に考えたり調べたり思いついたりして、好きな人にはそりゃあ楽しいものだよ。
さあて、7年目のシーズンが始まる。
9月下旬のある日が、毎年恒例の我が家の「初焚き」だ。
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7年目の慣らし焚き

2011/10/09   -シーズン7, 薪ストーブ

メンテナンスから2週間したある日、アンコールの慣らし焚きをした。
今回のメンテナンスは大量の耐火セメントを使ったからね。耐火セメントのRUTLANDのサイトにも最初は徐々に温度を上げていくよう書いてある。
慣らし焚きの手順通り、グリドル260度以上にならないようそのまま鎮火させ冷やす。これを3~4回くり返す。この温度上昇と冷却をくり返すことが必要らしい。一晩に2回の慣らし焚きを3日連続、計6回もやったよ。
2回目の時は「ジュウ~~」って水分の蒸発する音がして耳を疑った。
見るとレッグ部分にはみ出したセメントの表面に水分が現れて蒸発していた。これは鋳物を湿らせた程度の水分じゃない。耐火セメントの水分だよ。
なるほど慣らし焚きをして耐火セメントを馴染ませ完全に乾燥&硬化させてメンテナンスは完成ってわけなんだな。

写真ではにじみ出た水分が流れてホウロウ部分に白い跡をつけている。これは乾いたら絶対取れない。よくよくチェックして拭き取らなきゃいけないと思ったね。
それにしても、耐火セメント盛りすぎだって?はみ出しすぎだよ、笑
このあたりスマートに作業するには専門家に及ばないさ。でもフラッシュたいてわざわざ写真で見るから見苦しいけど、ふだんは全然見ることのできない位置だしご愛嬌だ。
その他、ファイバーロープを使ったダンパーやフロントドア、天板など、緩んだりアタリが弱ければ調整する。今のところとくに異常認めず。
この時期、最低気温は10度を下回っているとはいえ朝晩に少し焚く程度。毎日が慣らし焚きのようなものだ。ゆっくり様子を見て行こう。
それにしても、初めての時は儀式くらいにしか思わなかった「慣らし焚き」、7年目でちゃんと体験し直したよ。

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シーズン7のアンコール

2011/11/30   -シーズン7, 薪ストーブ

「シーズン7のメンテナンス」を終えて気になるアンコールの調子だが、バッチリ。気密がバッチリ。
炎が違う。揺らめきが違う。広がりが違う。美しさが違う。暖かさが違う。どんどん熱を蓄える。ドアガラスもスッキリ。灰も真っ白。
空気が入るべきところから入り、出るべきところから出ていく。その実感も確信もある。なんと気持ちの良いこと。
薪ストーブはあったかい。

もっともシーズンは始まったばかり。本格的なシーズンはこれからだ。
いずれにしても 「シーズン7のメンテナンス」で書いたように、アッパーファイヤーバックを確実に取り付け直すなど主に気密のための大掛かりなメンテナンスは功を奏した。たぶん7年間のシーズンでベスト。アンコールは甦った。というよりたぶん1年目2年目の状態に戻っただけのこと。でもあの頃は無我夢中で何もわからなかった。
もう一つ。ケガの功名だったのが含水率20%前後(WB)の薪。これを焚くために私の焚き方が変化している。乾燥イマイチだからせっせと小割にして、空気を多めに、ダンパー操作を遅らせて一次燃焼を十分に焚いているのだ。
「小割で」「よく焚く」という、こんな当たり前で基本的なことを実践いや練習し直して、とてもとても「あったかい」ことに満足しているシーズン7の前半というわけ。
▶ウェブアルバム「アンコールの炎(焚き付け)」

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