「 薪ストーブ 」 一覧

タグ "薪ストーブ":213件
並び替え:

サムネイル表示にする

ウッドハンドルを締め直す2

160915a

だんだんと緩んでくるウッドハンドル。以前シーズン9で「ウッドハンドルを締め直す」を書いたね。あれはいわば第一段階の処置だ。あの時の処置は今でもバッチリ効いてるけどいつかはまた緩む。木だから削れて割れたりもしそう。
なのでシーズン12の今年、「自作する」まではいかないが、第二段階の処置でウッドハンドルを締め直してみた。試すのはダンパーとフロントドアのハンドルだ。

160915b

ハンガーボルト。半分が木ねじで半分がボルトになってる。これでハンドルにしてしまおうというわけ。木であれば何でもハンドルになれるよね。パーツリストで見るとダンパーとフロントドアのハンドルは同じ1/4のインチボルトだから、ハンガーボルトは1/4×50ミリのサイズで適当だったよ。1本50円程度。
手彫りだったり西洋の真鍮だったり気の利いたオリジナルハンドルにするといいんだが、今回は「締め直す」措置。たまたまあった100均のアイスピックの「柄」が使えそうだったのでそれを引っこ抜いてハンドルにした。フロントドアは純正のセラミックハンドルがあるが、今シーズンはお休みいただこう。

160915c
160915d

どちらも標準のハンドルよりひと握り太いので操作感はむしろ良いかな。ダンパー操作もガッシリ安定する。
許せるかどうかは人それぞれ。流用しただけで塗装も何もしてない状態だから、あとで塗装はするよ。まあ、工夫するヒントになればいい。ハンガーボルトは5本買ったからハンドルも5個作れる。

160915e


最後に追記しておく。
ちゃんと純正で交換用のハンドルが用意されてる。注文すればすぐ手に入る。特にフロントドアのハンドルはセラミックの重さが木製の軽さになると手にした時のバランスが悪い。許せない人のため書いておく。

 comment (0)


シーズン12のメンテナンス終了

160911a

12年目を迎えるためのメンテナンス、主なところはここまでとしよう。「シーズン7のメンテナンス」に続いて実にいい経験をした。12年目のリニューアル、自分でやってよかったよ。
このタイミングでアッパー&ロアーファイヤーバックを代えたということは、次の区切りは20年目の頃だろうか。それまでにコンバスターを代えたり二次燃焼ボックスも代えずにいられまい。経年ごとに今まで出なかった不具合も出るだろう。その都度また調べて考えて予算やりくりして乗り切ろう。

書いてないこと、思いつくところを列記する。
ファイバーロープはほぼ全交換。代えなかったのは灰受けドアだけ。

160911b

上の画像は煙突の接続部のフルーカラー。以前「フルーカラーの掃除」で書いた通り、私はアンコール本体の溝は使わないんだ。導入時からこうして貼ってあったしこれでピッタリ。液ダレとか今までトラブルはない。ちなみにここはホンマの8mmの白いガスケットロープ貼ってる。

160911c

気になったことは、まとめ買いでとっておいた古いファイバーロープの新品との差。上の画像では一目瞭然だよね。新品がやたらしっかりしてるんだ。グリドル用のR516GG。購入先は同じ。経年変化で古くもなるし、これからはまとめ買いでストックするのはやめて、使う時に新品を買おうと思ったよ。今回の新品は工場直送とかでファイヤーサイドから直接届いた。流通や在庫コストの削減?個人的にはその方が信頼感あるし歓迎だな。

薪ストーブのパーツやアクセサリはなんでも同じことが言えるのか知らないけど、やっぱり年々向上している、と思いたい。そう思うならやたらストックしないでその都度取り寄せた方が無難かな。
例えばアッセンブリで注文したアッパーファイヤーバックだけど、含まれてるダンパーロッドの寸法が違うんだ。全長は同じだけど曲がりの寸法(ダンパーを受けるための部分)が新品の方が短くなってた。この方がダンパーを受ける時の無駄なズレが少ない。私がスペーサーとワッシャーに遊びができると書いたのもそのせいなのかな。単なる誤差かもしれないけど、笑。

190911g

とにかく、同じ品番でも年々いろいろ改良があるかもしれないし、あっても不思議じゃないよね。期待を込めてそう思うことにするから過度のストックは今後はしない。だから頼むよ。

最後に、作業した工具やグッズが下の画像だ。私は家庭のお父さんがするサンデーDIYだもの。この程度だよ。工具箱がちゃんとあるけど、今回のメンテナンスで使ったのはこれくらい。映ってないものは、掃除機、ライト。養生の毛布や新聞紙、段ボール。

160911f

さて、私の薪ストーブシーズンはだいたい5月に終わり、すぐ煙突掃除をして同時にアンコールをバラし始める。そのまま6月7月8月と放っておくのやら眺めているのやら考えているのやら、調べたり思いついたり電卓を叩いたりしてメンテナンスのメニューを決める。で、8月の夏休みで作業をする。9月からは薪運びや薪づくりとなる。

 comment (0)


ホウロウの補修3

160909a

「ホウロウの補修」は以前書いた通りだ。見た目とてもキレイにできる。ただ昼間の明るい光の下では100%満足できる出来だが、夜の落ち着いた明かりの下だとどうしても色の違いが目につくんだな。どういうことかというとこういうこと。(画像)

もう少し試す余地はないだろうか、とやってみるのが今回。ホウロウ補修液の赤に「黒を混ぜて」違和感のない赤を作ってみる。

その前にそもそも補修パテが白いのが気に入らない。もっと鋳物に近い灰色~黒色にできないものか?。というわけで、たまたま5年前の水分を失いつつある補修パテがそのままでは使いづらかったので、うすめ液じゃないが黒のホウロウ補修液を混ぜて灰色にしてみた。これ自体が無茶な話で補修パテとしての強度が低下するに決まってる。まあこれは色の実験だ。最初の下地にはしっかり白のパテを塗り込んで2度目3度目と盛るのに灰色を使う。どうせ隠れて見えなくなるウォーミングシェルフのところで試してみるよ。

160909b
160909c
肝心なのはホウロウ補修液の赤だ。明るい昼間の光の下ではバッチリ合っていても、夜の落ち着いた灯りになると鮮やかに見えて浮いてしまう。ホウロウレッドの人にしかわからないかな。これが実に格好悪い。ホウロウ補修をやらないで何もせず自然に任せたくなる理由だ。
今回、赤に黒を混ぜて調色してみる。絵具の要領と同じ。

160909d
160909e

結果だけ書くと、悪くない。マッチした色が作れる。少なくとも鮮やかすぎて浮いてしまう夜の違和感はなくせる。結構イケそうだ。ただし当たり前だが、今度は明るい昼間の光の下で暗く見えてしまう。鮮やかで浮いてしまうより私はずっと許せるけどね。どっちを優先するかだな。混ぜて作った色は夜の灯りにジャストフィットさせてるからずいぶん暗い色になってるけど、夜に合わせた赤を「少し明るめ」で作るのが妥協点だろうか。

160909f

 comment (0)


ホウロウは欠ける3

190908c

アンコール触媒機#2550、ホウロウレッドが12年経つとどうなるか。ホウロウについてはたまに書いてきたけど(「ホウロウは欠ける」)、12年経っても思うことに変化はない。「暮らしていれば当たり前に古くなっていく」程度の欠けが12年分になった。
私んちのアンコールの場合、最も目立つのはウォーミングシェルフのところ。大きく欠けて剥がれてる。シーズン中はウォーミングシェルフを取り付けるからそれが干渉したんだろう。

190908b

天板にも中央に剥がれがある。欠けたのはなく浮いてきて剥がれた感じ。ヤカンや鍋をかけようとしてキッチンの水がしたたるまま天板に置いてジュ~~~ッとなったり、湯たんぽの湯を沸かそうとヤカンが沸騰して吹きこぼれるのが毎晩だったり。そんな温度変化と摩耗や加重が重なってダメージを受けるんじゃないかな。毎日毎晩ヤカンや鍋乗せてればそりゃ無理もないかと思うが。
ほか、目立たないものだと探せばあちこちに見つけることができる。ペン先ほどの1ミリの欠けも結構ある。しげしげと観察するオーナーにしか見つけられないと思うけどね。
いずれにしろ、ホウロウは欠けるよ。当たり前だけどね。

190908a

見に来た専門家によると12年目でこの状態はとてもキレイだそうだ。もっとヒドイ場合はいくらもあるという。私もこの先、20年目に向けて欠けるより剥がれが多くなってくる気がするから対処を考えておこう。

 comment (0)


耐火セメント容器入り2

160907a

今回、耐火セメントは容器入りカップを用意した。アッパーファイヤーバック代えたりファイバーロープもたくさん代えたからね。ドンとカップ1つ買った方が安いし、足りなくなる心配がない。この耐火セメントのカップについては以前書いてる(「耐火セメント容器入り」)。

160907c

つけ加えるとするなら、容器入りのカップの場合、ファイバーロープの交換にはどう使おうか?というわけで、私は画像の通りだ。ケーキのクリーム絞りを想像してくれればいい。女子がよくやるだろう?「クリーム絞り袋」100均でも売ってる。カップの耐火セメントはとても柔らかいから、絞り袋で使ってとても作業性がいい。先端のアタッチメントも適当なサイズだし、個人的にはチューブ絞るよりこっちの方が楽でいいな。
どうやるんだ?って、例えばロアーファイヤーバックだったら大さじスプーン2杯か3杯分くらいでどう?スプーンとかヘラとかで耐火セメントをすくって絞り袋に入れる。で絞る。それだけ。ただ力任せに絞ると破れるのは想像がつくね。セメント仕事の左官屋さんが似たような仕事するの見たことあるから専用の商品があるんだろうけど、私は見つけることができなかった。業務でもないサンデーDIYの私にはこれで十分に思えたけどね。

160907b

 comment (0)


ロアーファイヤーバックの交換

160907b

アンコール触媒機#2550のロアーファイヤーバック。11年焚いて交換する。歪みが激しくてね。なんとかする余地はないかと歪んだ分を削ることで騙し騙し使ってきたが(「ロアーファイヤーバックの延命」)、ここが限界だ。アッパーを代えるのに合わせて交換する。次の10年も頑張ってくれるだろう。

160907c

書くことはないね。新品は気持ちいい。新品のスロートフードもきっちり収まった。ついでに古いままのアンダイアン、ウェッジ、エアープレート、グレートもサビを落として水洗いした上に耐熱塗料でスプレー。いつも高温と灰で真っ白だった炉内が真っ黒になって、腹黒いアンコールに少々違和感だ、笑。

160907d
160907e

 comment (0)


アッパーファイヤーバックの交換

160905a

これからするアッパーファイヤーバックの交換は以前シーズン7でした経験が元になっている。重複するからあの年のメンテナンスを合わせて参考にするといいね。全部の流れが読める。(「シーズン7のメンテナンス」)。あとパーツリストも必須だ。(ファイヤーサイド社「取扱説明書」アンコール #2550)

なんと言っても天板が外せるのがいい。アンコール触媒機#2550は天板を外すことで普通のメンテナンスが可能になる。私は「シーズン7のメンテナンス」でアンコールの天板をファイバーロープ化したんだが、もう作業性が悪いなんて言わせない、楽勝。薪ストーブのカスタマイズ記事は書かない私だけど、この「天板のファイバーロープ化」はオススメできる。すでに旧モデルになったことだし、やればメンテナンス性が遥かに向上するよ。

160905b

さて、なぜ交換のタイミングかといえば熱による変形が進んだからだ。画像のように下方向に膨らんでる。二次燃焼ボックスを歪めてしまうしダンパーの気密も怪しい、スロートフードはすでにはまらない。騙し騙し使ってきたがここが限界だ。

交換するアッパーファイヤーバックはアッセンブリーで取り寄せた。アンコールのパーツリストでいう「A95(assy)」だね。注意すべきは背面の六角ボルト「C6」とワッシャー「C7」。消耗激しい箇所だからぜひ交換だが、これはアッセブリーに含まれない。別注文を忘れずに。ダンパーロッドに通すスペーサー「C11」とワッシャー「C27」も含まれない。パーツリストで確認しよう。また、ダンパーのファイバーロープは張られた状態で届くからこれは省ける。

作業の注意点としては、「アッパーファイヤーバック取り付けのミステイク」を犯さないこと。

  1. スペーサー(*)とワッシャーをダンパーロッドに通し忘れる
  2. 二次燃焼ボックスをあらかじめ据えておくのを忘れる
  3. 耐火セメントの量が十分でない

ミステイクはこの3点だ。難しいことはない。画像のとおり。耐火セメントを盛りに盛って一気に取り付ける。

160905c

その際、本体をベルトで締めておくこと。背面のボルトを外すとバックパネルがフリーになって、いつ剥がれたり倒れたりしないとも限らないからね。私の場合は画像に映ってる黄色いベルトのことだね。薪棚やウッドデッキの歪みを直したり、もしかしたら災害時も役に立つかも、なんて買ったよ。8mあるはず。

(*)スペーサー「C11」だけど、パーツリストで見ると、スペーサーはサイドパネルの外側から挿入する順序で書いてある。両方シミュレーションしてみたが、外側からの方が適正な位置を確認しやすかったので私はそうした。その際、スペーサーとワッシャーの間の遊び(隙間)が気になり、ワッシャーを2枚多くかませて調整したよ。

160905d

 comment (0)


condarのコンバスター2

20160902a

まずコンバスターだ。2012年の冬から4シーズンを焚いたコンバスター。この状態、どうだろう?全然オッケーだよね。外枠が少し曲がっている。上下逆にセットすれば実にキレイなものだよ。

20160902c

20160902b

こいつは2012年8月のコンバスターのリコールで無償交換としてファイヤーサイドから直送されたもの。(「コンバスターのリコール2」
ファイヤーサイドからしかもリコールの補償だから、品質と信頼はこれ以上ないはず。そしたら案の定、これが壊れない。4年使ってまだ使える。そんな気がするとかの話じゃない、キレイな様子は一目瞭然。あれだけ1年や2年ですぐバキバキに壊していた私がだ。
じゃあ、それまで使ってたコンバスターっていったい何者?当然の疑問だよね。

まあ、どの業界だってそれぞれ事情があって、我々ユーザーは提供される薪ストーブの暮らしを有り難く享受するのみ。ただユーザー側にも希望はある。
アンコール触媒機の場合、コンバスターが壊れるからそのせいで二次燃焼ボックスも壊れて、交換にはアッパーファイヤーバックを外すという作業を強いられる。アンコール触媒機のデメリットの多くがコンバスターに起因するのだから、もし入手するコンバスターによって品質が違うのだとしたら、正しい情報をもらって品質のいい丈夫なコンバスターを買いたいと考えるのは当然だよね。
かつて2000年代のある時期、原材料の高騰から低品質のコンバスターが出回ったという話があった。実際2012年にはリコールもあったが、リコール情報が出るということは品質管理ができてることだから、2016年現在は10年前のような状況でないと思いたい。でも私がバキバキに壊してた2000年代中頃、やはり壊す人が続出して、反ったり曲がったり溶けたり、信じられない壊れ方の画像も見た。むろん焚き方に問題あるとしても、もしかしたら低品質のコンバスターゆえに毎年壊れ、しかし何も知らず疑うことなく、結果的にする必要のない苦労を強いられてたアンコール触媒機ユーザーはいるんじゃないのか?
このコンバスターを見てるとそんな想像が止まらない。私もその一人だったのか?

ファイヤーサイドでのアンコール触媒機用コンバスターの品番は「30001152」。2005年に私が導入した当時から品番は変わっていない。本家米国のcondar社のサイトでは「CC257」が該当すると思われ、「30001152」はそれが日本で流通する際の品番であろう。
そして私がリコールで補償してもらったcondar社のコンバスターに「30001152」の品番は見つからなかった代わりに「CC257」も書いてなかった。私は次回も同じものを指名買いしたいが、果たして「30001152」でいいのやら、それまでに確かめたいと思っている。

私はただのユーザーなので事情も知らず情報も持たず好きに書いてる。とっくに既出の話かもしれないし全然的外れかもしれない。そもそもすでに型落ちした旧モデルだ。関心も薄いだろう。
最後に、商品を提供する側はものすごい努力と交渉を重ねて我々の元にコンバスターを届けているのだということは十分理解している。私は知りたいだけ。薪ストーブの暮らしが好きだからね。もう10年たつ頃、私の理解ももっと進んでるといいね。

 comment (2)


12年目のメンテナンス

20160831

さて夏休みのある日。12年目のメンテナンスをしよう。私が焚いているのはバーモントキャスティングス社のアンコール触媒機モデル#2550だ。
メンテナンスのメニューはだいたい決めてある。今年はアッパーファイヤーバック、ロアーファイヤーバックの交換。使用年数はアッパーファイヤーバックが8シーズン。ロアーファイヤーバックは11シーズン焚いて初めて交換する。

20160830

薪ストーブの導入以来、大きな出費を伴うメンテナンスはざっくり上の通り。
コンバスターの交換がやたら多いね。導入時を含めて11シーズンで5つも使ってる。1年や2年でバキバキにしてきたことはさんざん書いたよね。平均すると2年そこそこで交換してることになるが、もちろんこれは私の場合であって誤解のないよう書くがこれは異常だよ。その証拠にある年から壊さなくなった。今のコンバスター(セラミック)は4年使って壊れない、まだ使える。そのことは別の機会に書こう。
ほかに目立つのはシーズン4のフルメンテナンス。まだ3年しか焚いてないというのに、二次燃焼室を総取り替えしてる。いくらアンコール触媒機は手間も費用もかかるとはいえ、これもレアなケースだよね。原因は焚きすぎ。何もわからず薪を目一杯詰め込んでガンガンに焚いてた。まるで耐久実験だ。その後、自分なりに学習効果もあり今では普通に焚いて普通に暖かく暮らしてる。

こうしてみると、手間も費用もかかるアンコール触媒機#2550だけど、焚き方にも慣れ、すぐ壊すコンバスター問題も解消したとするなら、私自身についてする見込みはこうだ。コンバスターなら5年でひとつ交換。アッパーと二次燃焼ボックスなら7〜8年間でひとつ交換。ロアーファイヤーバックなら10年は使える。
もちろんこれは私の場合。短い長いは人それぞれ。予防的に短い周期で交換してる人もいれば、10年以上何もしたことがない人だっているだろう。みなそれぞれの焚き方と環境で自分なりの見込みがある。私はこれからの10年はこんな見込みでいる。さて作業を続けよう。

 comment (0)


10年ひと昔

imageicon01

私が薪ストーブの導入を考えていたのは2000年前後のこと。あの頃って、薪ストーブに関する情報をどこから入手していたんだろうね?
もう忘れてる部分が多いが、たぶんほとんどが紙媒体で多くが書店で買う住宅関連本の記事や広告でなかったろうか。当然それらは「家を建てる」ためのもので、「薪ストーブだから雪国でも吹き抜け空間が可能になる」みたいなフレーズと理想の空間が載ってて私の夢は膨らんだものだ。「木の家&吹き抜け&薪ストーブ」特集がたびたび組まれ、そんな住宅情報誌を何冊も買った記憶がある。
薪ストーブ選びの導入本みたいなのも買ったな。欧米の薪ストーブスペックが一覧になってて薪割りから焚き方やメンテナンスまで載ってたけれど、やはり夢を膨らませることの役には立ったが導入後はまず開いていない。

現在、2016年は当時と比べ物にならないほど薪ストーブの情報は増えた。薪ストーブ自体の数や種類が増えてるし、なにより紙媒体をしのぐネットの力は大きいよね。焚きながら暮らしながらの情報交換が双方向だものね。しかもその表現力や発信力は大したもので、たくさんの評価を集めるブログや、実際に人を集めて動かしてる人もいる。何より一番いいなと思うのは、つくる側、売る側、施工する側の情報提供しようとする姿勢が年々進んでいること。10年前の比じゃないよね、ずっと上手になった。Webデザイナーを雇って自社サイトの充実は当たり前としても、不確かで偏った情報を整理してわかりやすく提供しようとするのはユーザーは大歓迎だ。メーカーの出す情報や、地方にあるたくさんの創意工夫、また課題や相違点等がどんどん整理されて「全国でもまれて」フィードバックしながらある程度陳腐化して見えるほどのシンプルさに昇華されていけばいい。普及とか汎用化って大なり小なりそうだと思うんだ。
薪ストーブに「業界」や「市場」「文化」ってものが成立してるかどうか私は知らないがあるとするなら、ユーザー・メーカー・業者・官民含めてまだまだ未成熟であることは誰も異論がないと思う。薪の供給だっておぼつかない。10年ひと昔、そしてここからの10年後がまた楽しみだ。

  • 80年代、黎明期
  • 90年代、第一世代
  • 00年代、第二世代
  • 現在は、第三世代

これは私(ユーザー)から見た普及度合いのイメージ。勝手な私の括りであって、人に話して笑われても知らんが、2020年東京オリンピック後、第四第五世代の薪ストーブ事情はどうなってくだろうね。個人的には技術革新による国産薪ストーブのベストセラー機が出てることに期待してる。それまでの第一第二第三世代なんか所詮「旧世代」とひとつに括られちゃうくらいの革命ね。もちろん焚くのは薪。工業化された木質燃料じゃなくてね。
とにかく、長くやっていれば振り返っても楽しいし先を見ても楽しい。薪ストーブを焚く人は楽天的な人が多いというが、自分について言えばその通りかもね。


追記する。
上に書いた年代の話は「ここ20年ほどの欧米から輸入された薪ストーブブーム」を指している。まさかとは思うけど、日本の江戸や明治から続く薪ストーブの歴史と勘違いして笑われないように。「ストーブ博物館」とか紹介したようにそこは踏まえておこう。
日本にも昔から薪ストーブがあり暮らしがあった。だが薪や石炭は電気に代わり、ガスや原子力になった。日本のほとんどの一般家庭では火を焚く暮らしをしなくなった。
そこに現れた今の薪ストーブブームだ。中身はどうあれ、薪ストーブが増えていることに間違いはない。その今のブームがどう変化してどう定着していくだろう、ってその話だね。

 comment (5)