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三方六

北海道の銘菓「三方六」。白樺の薪のカタチをしたバウムクーヘンだ。木肌も年輪もそれらしく、ついてくるナイフもノコギリというお遊び。薪ストーブユーザーにはなかなか楽しいお菓子だ(笑)。
「三方六」という言葉に惹かれて購入してみたところなかなか美味しく家族にも好評、誰かに贈っても薪の話題に花が咲くこと請け合いだ。


「三方六」とは昔の北海道開拓時代の薪の割り方の基準で、木口の3辺がそれぞれ6寸(18cm)と決まっていたので三方六と呼ばれたらしい。
つまり直径36cmを超える大径の木でないと薪としては規格外。しかも薪の長さは二尺二寸!(66cm)。そんな三方六のデカイ薪を当時の炉やストーブに3本4本入れて家族が暖をとっていたというのだからストーブもデカイし、さすが北海道開拓時代、スケールが違う。
気になるのは乾燥のことだが、三方六が成立していたのだから1辺が18cmサイズでも乾燥に問題はないということか。
でも当時と現代は違う。ストーブの性能も大きさも、第一そんな大径のナラがそう手に入るもんじゃない。
アンコールの生まれ故郷である北米のサイトには、薪は1辺が3インチ(7.6cm)から6インチ(15cm)のサイズで割れ、8インチ(20cm)は超えるな、という記述を目にする。つまり普通に割る薪は「三方五」あたりが最大というわけで、「三方六」はデカいがお好みで許容範囲、といったところだろうか。
・・・私の個人的な解釈だからあまり真に受けないように。
薪を割るなら「三方五」。
贈るなら銘菓「三方六」。
薪ストーブユーザー御用達といこう。

柳月「三方六」

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冬越えの薪2

これは昨年11月に玉切りして積んでおいたミズナラだ。
あれから6ヶ月。冬の間の保管だったというのになかなか見事な乾燥具合じゃないか。木口のヒビ割れもそうだが、手にするとウソだろ?と驚くほど軽い。簡易水分計で木口や断面を測るが反応せず、割って内部を測ると12~15%。
昨年、同じこの場所でたくさんの薪を作ったが、こんな見事な乾き具合の薪はそう多くなかった。乾く様子が全然違う。しかも玉切り材だというのにすっかり水分が抜けて感じる。もともと水分量が少なかったとも考えられるが9月の伐採だからそうでもないはずだ。
「冬の北風はもっとも薪を乾燥させる」
確かそんなことを読んだことがある。冬場の乾いた北風はそれ自体が天然の乾燥機なんだと。
ほかにも私の薪棚では積雪とか凍結とか、氷点下の寒さと寒暖の差などなど、いろんなことが関係しているに違いない。
それに薪の話にはたいてい下のような挿絵がつきものであるように、風と太陽は同じくらい重要な要素なんだ。


試しに私の街の平均湿度を調べてみたら意外と高かった。これだと春に薪を作ってもすぐに湿度は上がり始め、冬まではずっと高いままで推移する。逆に2月から5月あたりが湿度の低い時期だから、ここに薪の乾燥期間を重ねた方が賢くないか?
すると1月2月は積雪で何もできないから前年のうちに割っておく必要があり、ここでも冬越えの薪は理にかなっていると言えそうだ。
季節を知り、風と太陽に薪を預ける。
いい薪をたくさん作りたいね。

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薪棚に積む

割った薪を薪棚に収容してしまうとそれで薪づくりは完了!という気分になるのだが、乾燥させたいための薪棚であって、乾燥しにくい積み方をしてしまっては意味がない。薪棚は大切な「乾燥棚」なんだから、今回はここで少し慎重にやってみる。
薪を割ったらすぐに積まないでしばらく天ざらしにしておく。というか雨に何日か打たれるまでは積まない。当然その間、太陽にも風にもよくあたる。
そして薪棚に積む時はギッシリ積まない。井桁に積めると一番いいんだけどね。隙間だらけでゆるく積む。崩れる心配があるがそこは兼ね合い。ギッシリ積んでしまうと、私のように薪棚が2列だと中の空気がまったく動かない状態になって乾燥が進まない。前列と後列の空間もできるだけ確保するが、この薪棚のサイズでは10cmくらいで精一杯。今後2列の薪棚を製作する時はこの隙間の計算も寸法に入れなければと思う。


代わりに薪棚の途中に穴を作ってみた。風通し、空気の流れを確保したいからだ。どれだけ効果があるかはわからない。この薪棚の場合で取れるできる限りの方法だ。
本当はすべて井桁で積めばよりベターだし、2列でなく1列の薪棚にした方がいい。収容スペースに余裕があればぜひその方がいい。
いずれにしろ、どんな場合でも経験上こう積めばこう乾くってことが何年かするとわかってくる。その人の環境に合わせてその人なりの方法に落ち着くわけだ。
今回、私は大割で割ったことと合わせてこの薪棚の乾燥状態はどうなることか。
様子を見て行こう。

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薪割り4

薪割りを一気に終えて、あとは天にさらしつつ雨に打たれつつ、休日ごとに薪棚に積めばいい。
今回の薪割りは大割がテーマ。大割を多く割った。長さは40cmで断面の一辺がそれぞれ15cmくらい。思ったほどデカくない。それでも(非力なので)片手ではとても掴めない。両手を添えて持たないと扱えないサイズと重量だ。果たして乾燥には私の薪棚の条件でどれくらいの時間が必要だろう?
やってみないとわからない。
これら6トンの薪は8~9ヶ月後あたりの来シーズン後半からその次のシーズンに焚く薪だ。

薪の割り方は原木の径の太さによる。パッと見た印象とか目測でだいたいこんなもんだろうてな具合だから、根拠とか昔からの決まりとかそういうわけじゃない。完全自己流だ。もっと大割で割る人もいれば細かく割る人もいるだろう。

原木の径が30cmなら6等分。
25cmなら4等分、時々6等分。
20cmも4等分だがモノによっては半割。
15cmは半割か割らないか迷うところ。
それ以下は基本的に割らない。
途中、気まぐれに割って遊んだり、手強い玉があったり、全部がこの限りではないけどね。

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薪割り3

前回の「薪割り2」は2振りで4等分のことを書いたが、あまりに素直な玉だと割りやすいから「薪場に花を・・」なんて遊んでみたくなるんだ。くり返しになるがまた紹介してみよう。

1振り目(写真4)。薪割り台に乗せるのも面倒なのでそのまま叩いたが、これは力が弱すぎた。割り切らない寸止め状態にしたいあまり力をセーブしすぎてこういうことになる。玉を見る目がまだまだ足りないね(笑)。
しょぼい光景だが気にしない。1振り目は、いかに割るか、より、いかに割り切らないで寸止めにするか、の世界なので難しいといえば難しいのだ。
ここで再度斧を入れて完全に割ってしまったら元も子もない。向きを変えて2振り目からやり直そう。

2振り目(写真5)。5分か6分の力だろうか。下の方は割り切れてないがこれでよし。
これで1振り目の位置に戻って仕上げを打ち込む。通常通りのパワーで打ち込めば、割り切れてなかった部分も衝撃で一度に4等分(写真6)。

力をセーブしつつ、薪を拾って立たせる面倒もなく、うまくいけば2振りで一気に4等分。狙った場所に打ち込むコントロールと力加減がミソだけど、慣れてきたら素性のいい玉で薪場に花を咲かせてみよう(笑)。
古タイヤとかゴムバンドを使ってもいいし、同じ薪割りでも工夫して遊べるのがいいね。

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薪割り2

さて問題です。
上の写真の玉を4つに割ります。ただし斧を振る回数は2回のみ。他に道具は一切使わず、斧だけで割って下さい。
なあんてね、経験のある人は珍しいことではないかもしれないが、一気に6トンも割っているといろいろ遊びたくなる。割っていてふと思いついたらうまくいったので嬉しくてパカパカくり返していた(笑)

(写真1)まず1振り目をど真ん中に入れる。
完全に割り切ってしまわないのがミソ。割れてはいるが割り切る寸前の寸止め状態だ。はじけ飛んでしまわないので拾ってまた薪割り台に乗せる手間が省ける。

(写真2)次に向きを変えて2振り目を入れる。狙いは手前の半割と向こうの半割の両方に斧が当たるど真ん中。両方を一度で割るわけだ。今度は普通に完全に割り切る。
この2振り目の衝撃で薪は一度に4等分だ(写真3)。

基本的にはパッカーンとはじけ飛ぶ薪割りが好きなんだが、6トンもやってるといちいち薪を立たせるのが手間。何より3回振るところが2回で済む。シンプル・イズ・ベスト。
もちろん全部が全部うまくいくわけもない。でも4つに割れて綺麗に倒れたりすると、「薪場に花を咲かせましょう」てな具合に一人で悦に入って遊んでしまうわけです(笑)


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薪割り1

購入した原木は6トン。
次はひたすら薪割りだ。
他に何も書く必要がないくらい、ひたすら薪割りだ。
薪割りを語れるほど経験はないが、楽しくてたまらない。
ふうふうと汗びっしょりになって、腰がくだけて足元がおぼつかなくなるまで斧を振り続けるが、そこに玉がある限りやめられない。
それに6トンだろうが10トンだろうが、割っていればいつか必ず終わる。最後の一本という成果、いや答えに必ず辿り着くのが薪割りだ。いつ果てるとも知れないこの世のあれこれに比べたらなんという幸せであろうか。しかもその瞬間、極上の充実感と喜びと、次の冬の暖かさをキッチリ約束してくれる。
これは割らずにいられまいて(笑)

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原木の購入2

薪は自分で伐り出したり、集めてきたりすれば最も安上がりとなる。実際そうして頑張る人は多いし、望めばふんだんに手に入る環境の人もいて羨ましい限りだ。
私もせっせと自力で集めるが確実なルートを持っているわけじゃない。良い情報は予告なくいつも不定期だし樹種も量も状態も選べない。計算が立たないのだ。
やはりナラをメインとして上質の薪を安定して計画的に準備するには、一定量の原木購入が必要なんだな。

というわけで、この春、原木6トンの購入だ。
6トンの理由は次の冬に焚く必要量というわけじゃなく、ゴールデンウィークにかけて作業するにはこれくらいがいいだろう、という作業量でのこと。いずれにしろ今およそ10立米の乾燥薪のストックがあるから、次の3年目後半と4年目にかけて焚くことになるだろう6トンだ。
早速玉切り開始。
1日目午後3トン、
2日目午後2トン、
後日 1トン、
こんなペースで玉切り終了。
いやあ楽しい。玉切りは大好きだ。好きでたまらないものだからいつも一気に作業してしまう。
このあと斧で割って、クルマで20分の薪置き場へ運んで薪棚に積むわけだ。
こうして上質のナラを確保しつつ、自力でやる不定期の薪集めを楽しむ。そんなペースが私には丁度いいかも。

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薪の消費量2

この冬、シーズン2年目の薪の消費量は16立米。
アンコール1台で16立米だ。
多いのか、少ないのか?(笑)
この「16立米」は私の焚き方でのことであって、もともと触媒つきアンコールは薪の消費量が最も抑えられるタイプの薪ストーブで有名だから、これから導入しようとする人は誤解なきよう。くり返すが、私のような環境でジャンジャン焚いたから16立米にもなるのだ。

それにしてもよく焚いた。つい遠い目になってしまう。
2年目はたくさん薪を用意したことだし、暖冬とかは関係なく、薪を入れたい時はどんどん入れる決まりだった。まだ慣れてないんだから焚かなきゃはじまらない。試行錯誤もいろいろしたしね。「火持ち」は二の次。まさに薪に糸目をつけない2年目だった。
それに私の欲しい室内温度は26度~28度と普通よりも高すぎる。このことを初めて自覚した。
家族は誰一人として寒いとかもっと焚いてほしいとか言ったことはないのに、私だけがTシャツになってもっともっとガンガンに焚きたがっていたのだった。

私だって薪の消費量を抑えたい。だが12立米だろうが16立米だろうが大なり小なり必要なものは必要なのだ。必要なものは用意するのみ(キッパリ、笑)
幸い、薪づくりが楽しくて、薪割りが趣味の私だ。空になった薪棚がまた満杯になるのが楽しみで仕方がない。
早く薪づくりがしたい。休日が待ち遠しい。


追記だ。
その後、夏になってメンテナンスをしたところ、
コンバスターが完全に破壊されていたことがわかった。
「コンバスターの寿命3」
薪の消費量を約25%節約するというコンバスターだが、16立米も焚いた私のシーズン2はほとんど機能してなかった可能性は高い。
コンバスターを新品に交換後、3年目のシーズンでは劇的に改善している。


さらに追記だ。
その後、4年目になって、薪の消費量はさらに改善した。アッパーファイヤバックや二次燃焼ボックスなど、二次燃焼室のしくみを総取り替えした途端だ。
その時わかったことは、1~2年目の私のやみくもな焚き方によって、とくにアッパーファイヤバックがかなり早い時期に変形していた可能性が高い。
この記事のように、薪の消費量が異常に多かったのは、このことによる原因も大きいと思っている。
で、4年目以降の印象として、この記事の3分の2、暖かい時期などはもしかしたら2分の1に迫る勢いで薪の消費量は少なくなったと感じている。(私の最初のヘタな焚き方と比較してだ)
アンコール触媒機は少ない薪で長く暖かく燃える。4年目は実感をもってそう思う。

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薪の運搬

我が家は少し高台にある。軽トラを路上に止めて、4m高の階段をてくてく登ると玄関となる。薪棚もそこにあり、薪運びはこの階段が結構大変だ。
ウィンチで上から引っ張るとか、昇降台つきのトラックを使うとか、ユニックを借りてくるとか、例のごとくジタバタしてみたが結局自分の手で地道に運び上げるのが一番だと悟る。
1年目は農作業で使う「てみ」(サイズは大)で薪を運んだ。とにかく「てみ」は丈夫で扱いが楽。積むのも降ろすのも手軽にできる。
でも男の私としてはもう少し大量に運べる力がある。そこで階段を4m登ることから、重量物を運ぶには背中に背負うのが一番ラクだろうと考えた。最初に浮かんだのは背負子だったが、住宅地の真ん中で「二宮金次郎」はないだろうと考え直し、安売りショップで特大のバック特価500円を買ってきた。本人はログキャリーのつもりだ(笑)。
写真の通り。肩にかけた状態で「どっこしょ」と後に回して背中で背負う。この場合、持ち手が長くなければ意味がない。


ずっとこれを愛用している。薪棚から室内へ運ぶのもこれだ。
重さにしたら何キロを運べるのだろう?「てみ」の軽く2倍を一度で運べる。30キロ?もしかしたら40キロ、それ以上あるかも?体の前で手で持つのは無理だが、体で背負えば大丈夫。自分の体力にも見合っており大量に運べるので重宝している。
こうして高台の自宅へ運び入れる薪の量はひと冬で12立米を越える。我ながらよくやるもんだ。
ちなみに薪の運搬に使うキャリー用品は薪ストーブグッズで探せばたくさんの種類がある。自作する人も少なくない。カートを自作したり、台車を利用したり、薪ストーブ近くの壁を抜いて外から室内薪棚に直接搬入できる専用扉を作ったり、二階で焚く人は専用の昇降台を設置したりする。
みんなあれこれと知恵を絞っているわけだね。

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