「 シーズン7 」 一覧
耐火セメント容器入り
フルメンテナンスで使う、耐火セメント容器入りだ。
今回、バックパネルまで外したから必要となった。なんといってもセメントを盛りに盛るこの安心感はいいよね。カートリッジタイプの1.6倍も入ってるのにカートリッジより安い。アッパーファイヤーバックもこれを盛りまくって接着してやろう。
開けると水分が分離している。うっかり捨てたりこぼしたりしないよう、まずは混ぜなければならない。粘りが強いから太っといドライバーをガン握りして結構力がいったよ。やがて滑らかになってくれば準備オッケーだ。
パテで盛るにはいろんな流儀があるだろうけど、実は意外と大きな仕事も小さな仕事もできる。パテも3種類くらいはあるといい。写真のパテは大面積をくっきり盛れる。あと容器が丸いのでパテ先も丸いのがあるといい。最後の最後までムダ無く使える。あとは油彩ナイフのような細いヤツ。細かなことができる。
同じく必要なものは、濡れぞうきん。
セメントは水性なので直後なら手の汚れもホウロウについたセメントも簡単に拭き取れる。マスキングのように使ったり、はみ出しを押さえたり、これはなくてはならない。鋳物を軽く湿らすにも欠かせない。私は使い古したTシャツを2枚使ったよ。
ところでこの耐火セメント。アメリカRUTLANDの製品だ。興味のある人はサイトを覗いてみてもいいだろう。
「濡らしてから接着する」、、DIYのセメントいじりでお馴染みだ。
「ガスケットを軽く濡らす」、、なんですと?確かに道理だ。
「使用期限は出荷から18ヶ月」
知っていることの再確認や、「?」もまた面白い。
「RUTLAND」http://www.rutland.com/
容器入りにはカートリッジタイプがあるらしい。では黒ラベルのカートリッジとどう違うんだ?などと無用のツッコミはやめよう。
成分構成を見ると、黒ラベルは容器入りと成分は同じ。ただカートリッジやチューブなので使いやすいよう成分比率が異なっているかも。でも基本的に同じだよ。
赤ラベルと黒ラベルは明らかに成分が違う。だから赤ラベルはファイバーロープ専用。商品名の通りだね。
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アンコールのバックパネルをはずす
天板を外したところで、しかしこのバックパネル。仮止めのボルトを外せば明らかに浮く。このまま力を加えたらカンタンに剥がれて後ろへ倒れるだろう。
天板をはずしてアッパーを交換するということは、バックパネルが一時的に固定を失ってフリーになる。まさか6年で本当に剥がれるとは思わなかったから、私は仮止めのボルトで保険をかけて済まそうとした。でも次回からは荷締めベルトなどで本体をしっかり巻いて固定してから作業しようと思ったよ。
そうやって固定を保持している限り、バックパネルは内側から隙間に耐火セメントを充填する補修で済むはず。コーキングガンでしっかり奥まで充填してやればね。
いずれにしろ、耐火セメントは劣化していてとくにアッパーファイヤーバックを取り付けるあたりはボロボロだ。これも経験だし、いっそ外して取り付け直すことにした。まったくもう、ここまで来たら止まらないよ、笑
バックパネルをはずすのはカンタン。メリっと剥がれる。年数が経ったり私のように高温で焚いたからセメントの劣化が激しいのだろう。2、3年の比較的新しい状態なら大変だろう。そもそも剥がす必要もないだろうし。
接着面もキレイにして新しい耐火セメントを盛りに盛りまくって接着してやろう。大量の耐火セメントが容器入り(カップ)で必要だ。
アンコールの天板をはずす
天板を外すのはもっと先送りするつもりだった。
なのにやってしまったよ。
「普通にする普通のメンテナンス」を書いてるつもりが、しかしその「普通のメンテナンス」が難しいのがアンコール触媒機。とくに今やろうとしているアッパーファイヤーバックの取り付けは、天板を外さないでやるにはあまりにも作業性が悪すぎる。
やれないことはない。何度かシミュレーションもしてみた。しかしここ数年気にしているアッパーファイヤーバックの気密に関して、「大丈夫、これで問題ない」とするために、やはり天板のない一番確実な状況で取り付けてこの目で確認せずにはいられなくなったんだ。
天板は3カ所のボルトで固定されている。いきなり回さないでまずはCRCを吹いておこう。
この時、写真にはバックパネルを仮のボルトで固定しているのが見えるね。バックパネルは唯一ここで固定されているから、天板の押さえがなくなってうっかり剥がれてしまわないよう、この時はその用心だ。
ボルトを外したら、さあて天板を両手でつかんで片方を「ふんっ」とやるとパカっとあっけなく天板は持ち上がったよ。
耐火セメントを盛りに盛りまくって気密を保ちボルトで固定する。ここでも構造はまったく単純なものだ。難易度はロアーファイヤーバックやエアープレートと大差ない。いや作業のし易さでいえば天板の方が楽かもしれないよ。ただ面積が大きいだけ。
コーナー4カ所のパーツのつなぎ目に盛大にセメントが盛ってある。フロント中央のネジ込み部分にも。気密のためには当然そうなるよね。結構な隙間だから接着というより空間をセメントで埋めてるんだ。このあたりが元に戻す時の留意ポイントだね。
ホウロウはやっぱり少し欠けた。はみ出した耐火セメントが剥がれる時に持って行かれたようだ。
作業を続けよう。
新旧のコンバスター
3年間使用したコンバスターと、今回交換する新品のコンバスター。まだ使えると思いたいが、向かって右側が抜け落ちている。交換だ。
「コンバスターは12,000時間で寿命」が目安と言われる。
以前の私は1年や2年でバキバキにしたものだが、あれは「寿命」が来る前に「壊れた」んだな。高温で焚きすぎてセラミックも外枠もバキバキにしてしまった。「寿命」が来る前に壊れてしまうというのはなんとかしたいものだよ。
今回のコンバスターは3年保たせたわけで自分としてはかなり上出来なんだが、一日24時間焚いてざっと半年間として、24時間×30日×6ヶ月、
=1シーズン 4,320時間、
=3シーズン12,960時間。
この大ざっぱな計算によれば今回の交換は妥当かもしれない。でもむしろ3シーズンは保たせなければ合点がいかないという最低ラインの目安だよね。24時間ずっと触媒が働いてるわけじゃないんだから。
ところで新品のコンバスターだが、私は6年焚いていてこのタイプを手にするのは今回が初めてだ。外枠の作りが良くなっていて、材質もステンレスで厚みが増している。中身のセラミックのコーティングも実にしっかりしてある。同じズードケミーなのに初めて手にした印象では別モノ。改良品か?と思えてしまうくらい。
以前からあったよ、たまたま手元に来なかっただけ、と言われれば、ではこれまで私が使っていたコンバスターは何モノ?
いずれにしてもユーザーの声を反映して今後も改良・開発が続くことに期待したいね。
ちなみに3年前に登場したステンレスのコンバスターは、結局のところディファイアント、アンコール、イントレピッドの触媒機では不採用とのこと。すでに従来のセラミックに戻され、主なショップでもステンレスは廃盤の扱いになっている。
ダッチウェストでは問題ない。ダッチウェストで使うステンレスのコンバスターは普通に流通して使えるから安心を。
薪ストーブの構造上の違いなんだろうね。
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ホウロウの補修2
1)ーーーーー
サビを紙やすりで落とす。ホウロウの中途半端な剥がれ残りも取り除く。あとはキレイに拭いて脱脂。シンナーとか脱脂スプレーとかあるといいね。
2)ーーーーー
次に、パテだ。
小さな欠けは付属のヘラよりは小筆が便利。
最初は下塗りとして薄く塗り、二度、三度とくり返す。そうして塗り重ねた末に欲しい厚さにする。一度に厚塗りすると剥がれ落ちやすいそうだ。あとで整形するからわずかに盛り上がる程度に塗る。
3)ーーーーー
乾いたら整形する。
仕上がりのキモだ。
指ですーっと撫でて凸凹がないよう、本体の曲面通りに紙ヤスリで仕上げていく。懐中電灯で角度を付けて光を当てるとわかりやすい。パテが足りなければ足してくりかえす。満足いけばあとは完全乾燥。
4)ーーーーー
補修液を塗って完成だ。のんびり翌日にやればいいだろう。
他にも何カ所か補修している。下はかなりの大面積なのにエイっと大雑把にやったウォーミングシェルフと干渉し合った部分。どうせ隠れるのだからと練習がてらテキトーにやって失敗したよ、笑
パテをせず鋳物に直接チョンチョンと塗ってごまかしたのがフロントドア。やっぱりパテをした方が仕上がりはいいね。
パテさえキレイに整形してあれば昼間の自然光ではほぼ見分けがつかない。見事なお色直しができる。
しかし夜の電球色など人工の灯りでは色の違いがややわかるかな。
このあたり個体差もあるだろうね。ひとつ一つ仕上がりの違うホウロウだからね。
あと、ホウロウレッドは焚くと色が変わる。補修した部分はどうなるだろう。それはシーズンインしてからのお楽しみだ。
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ホウロウの補修
「ホーロー」とも「ホウロウ」とも書くが、漢字では「琺瑯」。
工芸品っぽい伝統の趣を狙う場合はあえて「ホウロウ」「琺瑯」とこだわって書くのかな。私も以後は「ホウロウ」にしよう。
ちなみにあのツタンカーメンの黄金のマスクも琺瑯加工だそうだ。すごいよね。うちのアンコールも大事にしようと思ったよ、笑
さてホウロウの補修をしよう。
それほど難しい手順じゃない。ぜひ練習してチャレンジしてみよう。
購入するのは2点。
・ホウロウ補修パテ(ヘラや紙ヤスリつき)
・ホウロウ補修液(筆がついてる)
その他に私はパテを塗る小筆を100均で買ってきたよ。
手順はこうだ。
1)紙ヤスリで下地をキレイにする。
2)補修パテを盛る。
3)パテを整形する。
4)補修液を塗る。
次回に詳しく紹介しよう。
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耐熱グリス
メンテナンスでやっかいなのが、ネジやナットの固着だよね。
回らない、外せない、ってヤツ。
そんな回らないネジやナットを回す時、定番はCRCだね。呉工業の錆び落とし、潤滑スプレー。
こいつを吹いてしばらく浸透させればたいていは外せる。頑固な時はワイヤーブラシで擦りつつ隙間からこいつを少しでも浸透させて回す。必需品だ。
私も最初の頃は何本かのネジで苦労した。
それ以来、ネジを掃除することと耐熱グリスの塗布は欠かさないようになったよ。
やるのはメンテナンスの時だが、外したネジはCRCを吹いてワイヤーブラシで擦って固着物を取り除き、仕上げに耐熱グリスを塗る。こうしてから元通りに締め直すのだ。
なんとも地味なことだけどね。もちろんネジ穴の方も同様だ。
写真はさてどこのネジでしょう?
アッセンブリで代えるから耐熱グリスも意味ないかも知れないけど、笑。
とにかくアンダイアンもエアープレートもダンパーもアッパーファイヤーバックも、アンコールについてるネジというネジは全部CRCと耐熱グリスだ。
効果はどれくらいかって?
あるのかないのかわからないくらい、普通に外せるってことが効果なんだよきっと。
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耐火セメントの除去
メンテナンスで欠かせないのが「掃除機」。
これがないと始まらないんじゃないかな?
私が使うのは業務用の掃除機だ。灰掃除をする時やメンテナンスの時だけ「拝借」してくる。こいつは灰や煤などの微粒子はもちろん、水や土まで軽々と吸い上げる強力なヤツ。ホースも長いので排気を気にすることもない。
灰掃除はシーズン終了直後に終えているから、まずは耐火セメントの除去から取りかかろう。マイナスドライバー、ゴムハンマー、ワイヤーブラシを使ってひたすらに除去する。
下の写真はアッパーファイヤーバックだが、マイナスドライバーでガリガリ削りつつ、歯が立たない時はドライバーをノミのようにゴムハンマーで叩いて削っていく。途中や仕上げにワイヤーブラシで擦りながら進めていくが、やり始めれば意外と大した時間はかからないものだ。
同様に、炉内に残った耐火セメントも除去する。
特に今回はアッパーファイヤーバック、ロアーファイヤーバックを取り付け直す部分の古い耐火セメントを念入りに落としたよ。サイドパネル、バックパネル、天板の接合部も耐火セメントをしっかり充填したいからね。
ここまでくると全部バラして組み直したらどうだと思うが、私のアンコール触媒機はまだ6年間しか焚いてない。完全オーバーホールは10年目くらいでいいだろう?
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シーズン7のメンテナンス
夏休みのある日。アンコール触媒機のメンテナンスを始めよう。
予算が限られていることだし、すぐ交換すべきもの、次回まで我慢するもの、などなど見込みを立ててメンテナンスのメニューを決める。
私は最初のたった3年間で二次燃焼室のすべてを取り替えた前科がある。(「4年目の仕切り直し」)。アッパーファイヤーバック、二次燃焼ボックス、コンバスターとくれば結構な出費だったが、あれから同じ3年が過ぎてさて今回は?
と、最悪はフルメンテナンスも頭にあったが意外や意外。想像したほど激しい損傷はない。普通の消耗だ。
コンバスターだけは限界のようでここで交換だが、それでも3年間使用した。すぐバキバキにする私としては3年間も使用できたのは新記録なんである。同じく新記録の二次燃焼ボックスも損傷しているが、次も使うことができるだろう。
こうしてみると、私のガンガンに焚くクセは改善傾向にあるらしい。これが人並みというわけだ。ひと安心だ、笑
結局、立てた見込みで大きな交換は、
・コンバスター交換、のみ。
そこで今回は煙突にもお金をかけることにした。念願だった室内二重煙突化だ。吹き抜けにストレートに立ち上がってる4.7mのシングル煙突を、予算の許す限り二重煙突にするのだ。やりたくてしかし余裕がなくて機会を待っていたが、これは薪ストーブ屋さんとの相談だね。
あとは毎年の通常のメンテナンス。
・各種ファイバーロープ交換
・ホウロウの欠けた部分の補修
・耐火セメントによる補修
・ボルトやナットの焼き付き防止
・その他、調整&バラしたパーツの組みつけ
ということで、
さて、夏も終わることだしそろそろはじめようか。
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