焚きつけの日常
12月のある夕方。さあ焚きつけるぞっ、とその前に灰やらほこりやら拭こう。本体の温度が下がってる時がチャンスだ。
私は濡れぞうきんオンリーだ。ホウロウなので天板やウォーミングシェルフもフロントドアも煙突もサッとひと拭きかんたんキレイ。もちろんガラスも拭いてバッチリクリア。最後に炉台も拭いちゃう。
炉内だ。朝に焚いてから12時間近くたっていてさすがに熾きは残ってないね。それでも鋳物はほんのり温かい。グリドルの温度計は30度くらいだ。
次に灰の面倒をみる。面倒って、、要するに灰を混ぜて塊は砕き、燃え残りを中央に集めたりしてるわけだ。こんな風に灰をイジってるとかさも減るしね。好きなんだ、焚くのも灰をイジるのも、笑。
ついでにスロートフードを外してコンバスターを見てみる。細かな灰が積もり始めてるのがわかるが、不完全燃焼で真っ黒に煤けてたりバキバキにはなってない様子。ちゃんとハニカム状になってるし。たまに見てみると安心するね。このコンバスターは2シーズン目だ。
焚きつけの方法は人それぞれだね。自分の流儀でいいよ。私は小さいものから大きなものへと普通に焚き火をするのが好みだな。写真でみる通りだ。
着火材は100ピース入りの商品を半分に切って使ってる。節約さ。私は種火程度の火があれば十分なんだ。
ところで上の画像だけ見るとわりと少ない薪の量で焚きつけてるように見えるけれど、画像にはない「5」があって、「4」で着火したら入れたい残りの薪を全部入れてる。私は入れたいだけの薪は一度に入れてしまう焚きつけだね。着火を最後にするか途中でするかだけの違い。
さて火が大きくなるのを待つ間に室内の薪棚が減ってるから一杯にしておこう。大中小の薪をバランスよく運びこんでおくよ。
オレンジのバケツは焚きつけの木っ端だ。これも補充しておこう。家族が焚きつけに四苦八苦しないようにね。木っ端は薪割りの時にたくさん出る。土のう袋で何袋も保管してるよ。
焚きつけの細割も毎日使うものだからまとめてつくってこよう。車庫の薪棚から雑木を選んでコンコンと小さく割る。写真のカゴ一杯で私なら2週間だが家族が焚き付けると1週間持たずに使ってしまう。ありゃりゃしょーがねえな、ってことで休日のたびにコンコンと割るわけだ。好きだねえ。
さあ、部屋に戻ってみるとダンパーを閉めていい頃合いだ。十分に温度が上がってる感じ。
時計をみると着火から45分。グリドルに置いた温度計はたぶん20分すぎには300度になっていたと思うよ。もしアンコールの前でじっと見てるだけなら30分もせずダンパーを閉めるかもしれないし、いやかえってウトウトして1時間放ってしまうかもしれない。気分しだいその日しだい、薪の燃え具合しだいだ。
9年目、私のある日常の焚きつけ(比較的時間のある場合)はこんな感じかな。
追記だ。
焚きつけで木っ端や小割を使うかどうかはまったく好みの問題だ。こうすることがベストの焚きつけだ、なんてものはない。味噌汁にベストの作り方などないのと同じ。住む場所も違えば家族構成も暮らし方も違う、用意する薪もちがう。みんなそれぞれの流儀でやってる。それでいい。
小から大へ。あるいは大から小へ。だから大割から着火する人もいる。上から着火する人もいる。道具を使う人もいる。人それぞれでいいんだよ。あなたんちの流儀で。
もちろん理にかなってないことはうまくいかない。この世の常だ。それは試行錯誤するうちにその家の暮らし、焚く人にあった焚き方になっていくんだ。効率、便利、都合、わがまま、横着、うっかり、のんびり、そんなことのくり返しが暮らしであってそれらに合ったやり方にだんだんと落ち着いていくんだ。それこそが一番 あなたの理にかなった方法なんだと思うよ。