アメリカの旅4
触媒機の生まれ故郷、アメリカでは政府のサイトで薪ストーブのことが読めると紹介したが、でもそれは「薪ストーブは素晴らしい」と推奨するだけでないもっと大きな理由がある。
あちらでは薪を焚く人口があまりに多いためにその影響が人体にも環境にも深刻な問題なのだ。
かつては寒い冬の朝は街全体が煙でかすんでしまったというし、森林の消失もヒドい上に、薪ストーブが原因で年間何百件も火災が起きたり、化学物質を含む合板ばかり燃やしたので翌朝一家全員が中毒で全滅していたなどの事件も起こったとある。
もともとセルフビルドの国なので好きなように施工して使っているらしい。せっかくのコンバスターも壊れたら抜いてしまってコンバスターなしで焚くのだとか。
だから排煙基準をクリアした排気のクリーンな薪ストーブを使いましょう、きちんと施工して正しく安全に使いましょう、そして薪の用意やメンテナンスまで、政府が情報を出して啓発に努めなきゃならんのだな。
世界的に見ても薪を焚くことを法で禁止している都市や地域はたくさんあるんだそうだ。「霧の都ロンドン」も煙突から出る煙の粒子が霧を発生させる大きな原因だったらしく、現在では煙突の使用が完全禁止されている。
くわばら、くわばら。
そう考えると日本は、少なくとも私の現状は薪ストーブ天国だな。規制らしい規制は無いに等しい。むしろ普及に努めて補助金が出る自治体まであるくらいだ。
でも気をつけないとね。いつ逆風が吹くとも限らないからね。
煙突から煙を出しているのは変わりないんだし、どこかの街で薪ストーブが原因の何かとんでもない事故が起こったりして風当たりが強くなるとかね。
薪ストーブユーザーも増えていることだし、高い意識を持ってきちんとやらなきゃね。
自分の薪づくりや暮らしを楽しむばかりでなく、森林や環境のこともやらないとね。