薪はどうだ
「薪は集まったかい」
「今年は大丈夫かい」
私に対する周囲の挨拶がわりの会話はたいていこれだ。
私が薪を焚いて暮らしていることはみな知っていて、何か声をかけるとすればこんな調子。調子はどうだいってわけだ。
おかげで同じ勤め人でも甲斐性のある人はたくさんいて、
「あそこで木を伐ったからもらってくるといい」
「友達の山で木を伐るらしい。もらってきたらどうだ」
いろんなことを教えてくれる。
実際は出かけてみると、実らない話で終わることは多い。
紹介だけで当の山林所有者はまったく迷惑してたり、倒木して久しく腐って虫もついていたり、泥に埋まってチェンソーが使えなかったりと、とてもじゃないが持って帰りたくないことは結構ある。
また、薪ストーブとは室内にある焼却炉だと思ってる人もいて、迂闊な返事をしているとトンでもないものを持って行かされるハメになる。
シュレッダーの廃棄紙をもってけと迫る人がいたり、個人情報の重要書類だから燃やしてくれとか、廃棄したいレザー張りの応接セットが自宅前に届けられそうになったこともある。
焼却炉ではない。重ねて言っておく。
そんな話を笑いながらいると、また「薪はどうだ」と声をかけてくれる。
有り難いことで楽しいことです。
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