シーズン1 薪ストーブ

空気調整レバー

アンコールには正面向かって右側面に空気調整レバーがある。
「火力コントロールレバー」とも「燃焼空気取り入れレバー」とも呼ぶらしいが、要はどれだけの量の空気を薪ストーブに送り込むかを加減するものだ。
最初、このレバーの加減がどうにも理解できなかった。薪ストーブがいくらアバウトなものとはいえ、レバーの位置はだいたい決った位置(空気の量)があるものだと思っていた。つまりごうごうと焚きはじめは全開、巡航運転になったら半分、とろとろ長時間には4分の1、といった具合にレバーの位置はだいたい定まっており、薪ストーブユーザーなら「レバーの位置はだいたいこう、こんな時はこう」とすぐ回答が得られると思っていた。
しかし、焚いてみてわかってきたことは、空気調整レバーの位置もアバウトで決りはないということ。昨日、調子良かったから同じ位置にレバーを操作しても全然燃えなかったり、すぐ燃え尽きてしまったり。そんなことの毎日だ。
さらにアンコールには空気の自動調整機能がある。レバーの位置がどこであれ、快適な火力が保てるよう空気量を微調整してくれるというものらしい。これが便利なようで私は空気調整がもっとややこしくなってしまった。
男はすぐに構造や理屈、そしてマニュアルによって頭で焚こうとする。技術あるもの知恵のあるものそういうものだ。しかし薪ストーブはそうはいかない。薪の状態や燃え方、外気温などは毎日違う。実験室のように同じ状況の再現は起こらないのだ。
「火を見て焚く」という人がいる。「感性で焚く」ともいうらしい。なんの知識のない奥さんが火の大きさだけを見て「キャー大きいわ」「今日は元気ないわね」と見た目そのままで焚いた方がうまく焚けているなんて話もある。
なるほどその通り。最初はそれがいいのかもしれない。

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