薪ストーブの過乾燥4
以前、「薪ストーブの過乾燥」について書いたことがある。薪ストーブで暮らし始めてまだ3年目の頃だ。
当時の記事を要約すると、吹き抜けのある広い空間で過乾燥をただちに解消する(湿度50%以上にする)のは設備も電気代もかかるし簡単なことではない。とするなら無理なく自然に任せる姿勢で暮らすのが現実的ではないか。人は環境に慣れていくものだ。てな感じ。楽観的すぎるし、お手上げ状態にも読めるね、笑。
さて現在だが、「ライフスタイルは変化する」でも書いたように、職を辞してから自宅療養がメインで暮らしていて、すると薪ストーブの過乾燥が毎日の切実な問題になってきた。これまで一日の半分は仕事に行ってたからそれほどでもなかったが、今はずっと家にいて湿度24%〜28%の中にいる。これが24時間毎日だ。さすがに辛い。体調に異常を感じてしまうほどだ。
「過乾燥の原因は加湿量が不足しているだけ」だから「十分な加湿量を確保すれば解消できる」という理屈になる。つまり、家の中に「できるだけ多くの水分」を存在させることが最も有効な解決方法だ。薪ストーブにヤカンから始まって、濡れタオルや観葉植物、洗濯物、たらいに水、大型加湿器を何台も購入、果ては炉台に水、部屋のなかに滝、に至るまで、「どこまでやるか、どこまでやれるか」という話になる。そこはもう、自分んちに合わせて自分ができる「できるだけ多くの水分」を講じていくしかない。
私の場合、20年目でどうなってるかというと、結局のところ、子ども部屋で使っていた350ml/hという小型の加湿器(気化式)が1台がフル回転するのと、洗濯物と濡れタオルを干す、という現実味と生活感に溢れた対策をしている。とくに、使い古しのバスタオル4枚と巨大なタオルケット2枚を自転車操業のように濡らして干し続けている。巨大なタオルケットは手で絞るのは疲れるので洗濯機で数秒脱水して干す。すぐ乾くので1日2回くり返すのが毎日のルーティーンになった。あと、10畳サイズの灯油ファンヒーターがある。灯油1リットルが燃えると約1リットルの水分が発生するというから、これも加湿器の役目を果たす。もちろん薪ストーブにヤカン、そして煮炊きもする。風呂も開けっ放し。また、以前のようにアンコールをガンガンに焚き続けることをしないのも役立ってるだろう。室温を上げれば上げるほど過乾燥は進むからね。
これらいろいろやって、湿度はようやく30%後半。薪ストーブのあるリビングは30%前半までしか上昇しないけれど、2Fは最大で40%に届く。早く大型の加湿器を買ったらどうだというツッコミが聞こえるが、いずれ買うことになるだろうと思ってる。いつまでも若い頃のようにはいかないからね。
追記だ。
この温湿度計は本体と子機合わせて4箇所の温度と湿度が測れる。ここで注目は屋外の湿度だ。82%もある。つまり私の住む街は、東京みたいにカラッカラに乾燥するところじゃないってことだ。だいたい冬場の平均湿度は70〜90%あるはず。だから薪ストーブで家の中が過乾燥でも、仕事や外出で一日活動してればトータルとして大した問題じゃなかったんだな。それが楽観的でいられた理由だと思う。薪ストーブと同じように、過乾燥の事情にも地域差があるんだね。
ところが書いたように、今はずっと自宅で過ごすようになって24時間が過乾燥なものだから、そうも言ってられなくなったんだな。東京や太平洋側の人たちは、街まるごと過乾燥なわけだから、そりゃあ大変なわけだ。理解したよ。
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