シーズン4 薪ストーブ

二次燃焼をモニターする6

上の写真はある日、スロートフードが赤熱した場面だ。
ビールを飲んでネッ転がっていてふと見ると赤熱している。鉄が赤熱する温度は800度とも言われ正確にはわからないが、いかにも変形しそうだしオススメできるものではない。メーカーもストーブのパーツを赤熱させるなと言っている。
ところがこの時、二次燃焼室をモニターするデジタル温度計は750度。特別高くもない、普通だ。これだけ赤熱しているのだからコンバスターはさぞや燃え盛り、二次燃焼室を高温で焼いていると思ったのに。
代わりに最高記録なのは、一次燃焼のグリドルの中央だ。この時400度。つまり尋常でない高温になっているのは一次燃焼の方だ。この日、スロートフードが赤熱したのはコンバスターが過燃焼したからでなく、一次燃焼の高温がきっかけなのだ。

私はコンバスターが壊れる理由を二次燃焼室に探そうとしていた。だが二次燃焼をモニターするうちに、コンバスターはそれ自身で勝手に燃えすぎたりしない。そうさせているのは一次燃焼だと思うようになった。
「高温の未燃焼ガス」と「未燃焼ガスの量」、この条件が一気に揃うとコンバスターは激しく燃える(注*)。条件を揃えるかどうかは、一次燃焼室の燃え方次第なのだ。それは空気レバーの操作はいうに及ばす、薪の量、樹種、時間とタイミングなどこれらが私の場合は条件を揃えやすい焚き方になっているのだろう。
(注*)もちろん二次空気が欠かせない。ただこの時の二次空気はほぼ一定かつユーザーは操作して量を変えることはできないのだから、唯一、制御できてコントロールすべきは一次燃焼ということになる。
「薪ストーブとは一次燃焼である」
アンコール触媒機はその抜群の性能からつい二次燃焼システムに意識がいってしまうが、二次燃焼は副次的に用意されたシステムであって、本来はそれほど意識しなくても発揮できるようになっている。
それよりもアンコール本体のほとんどを占める一次燃焼室の大きな空間にこそ注目しよう。一次燃焼をいかに良く焚くか。そして適度に焚くか。コントロールすべきは一次燃焼なのだ。


追記だ。
この記事のコメントで同じアンコール触媒機のnnishiさんがたいへん参考になることを書いている。なぜ自分のコンバスターは壊れるのか、ひとつのヒントになるだろう。