「 過乾燥の対策 」 一覧
薪ストーブの過乾燥3
結局のところ、我が家の空間には、1時間あたり4リットルもの水を水蒸気に変える加湿が必要で、それには事務所向け最大クラスの大型加湿器が2台以上いる。
などとあくまで大ざっぱな計算だがそんな見込みを立ててしまうと、購入費、電気代、騒音、置き場所、どれをとっても現実的でない。
・・・早い話が4リットル以上の加湿は諦めた(笑)。
ある程度の加湿で過乾燥が解消しなければそれでいい。あらがうのはやめよう。何もかも設備や機械じかけで解決する暮らしに背を向けたから私は薪ストーブなのだ。
それに1時間に4リットルもの水を家の中にバラまき続けるのだぞ?家のために良かろうはずがない。どこにどんなカタチで結露して溜まっていくかわからない。
ガンガンに焚く一方でガンガンに加湿する様子は奇妙でもあり、右手で大酒食らいながら左手で胃薬飲んでるようなものだ。
(これだけ書いておいてそんなオチがあるものか、笑)
もちろん、諦めたというのはこの問題にコストをかけず、騒音やスペース、手間、使い勝手も犠牲にせず、一気に100%解消するのは難しいと悟ったということ。工夫はこれからも継続するし、インフルエンザで学級閉鎖が始まるようになれば、その時は家中のヤカンを出してきて薪ストーブにかける。洗濯物を干す、濡れタオル、加湿器、何でもアリだ。
まあ、なんとかなるだろう。薪ストーブの過乾燥とはそういうものなのだ。これが3年目の我が家の過乾燥対策。
最後に、換気量を減らすという対策がある。高気密で計画換気のお宅なら可能だろう。加湿した室内の空気を外へ逃がさないというやつだ。
我が家は木の家の自然換気なのでコントロールしようがない。せめて薪ストーブの外気導入が考えられるが、家にあとから穴を開けるのだから見込める効果を慎重に検討してからにしたい。
追記だ。7年目となっても過乾燥は同じ。相変わらず24%。
しかしそれで病人が増えたこともないし、家族はみな元気。逆に風邪をひく回数はめっきり減っている。
人は環境に慣れていくんだな。だからアラスカにだって熱帯にだって高地にだって人は住む。宇宙にだってそのうち住むことになるんだろう。
過乾燥くらい大したことじゃないよ、そのうち慣れます。
(そんなオチでいいのか、笑)
追記だ。9年目となっても過乾燥は同じ。
しかしそれで病人が増えたこともないし、家族はみな元気。最近じゃ加湿すらしなくなってる。もう気にしてない。
だがこれは我が家のことであって、もし過乾燥に悩んでいるなら理屈はただ一つ。してるつもりで加湿量が足りてないのだ。だから過乾燥になる。ならば方法はただ一つ。できるだけたくさんの水を蒸発させてあげること。
20畳ほどまでの閉じた空間なら、私ならせっせと加湿に励むだろう。効果が見込めるからだ。でも吹き抜けの上下に開いた家まるごとの加湿はなかなか難しいね。
私は自然にまかせて(抗うことはしない)暮らしてるけど、地道なタオル干しや、やかんに始まって、あらゆる方法を組み合わせることは忘れてないよ。
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薪ストーブにヤカン
過乾燥対策の定番、薪ストーブにヤカン。
この加湿器はどれくらいの加湿能力があるのだろうか?
決してヒマではないのだが、ヤカン1リットルの水が蒸発してなくなる時間を計ってみた。
ヤカンはステンレス。ご存知のように沸騰すると音がうるさいが、最速で沸騰する素材のヤカンはどれだろう?という点で最初に試してみた。底厚も薄ければ薄いほど早く沸騰するかと思い、0.35mmというその店では一番薄い底厚のもの、そして底の面積が広く、蓋の口径が広いものを選んできた。
その他、種類の違うヤカンで一斉に試す。薪ストーブは常に一定の温度で燃えてるわけじゃなく、熾きが弱くなって沸騰を止める時間帯もある。ガンガンに燃えてグツグツ煮えたぎる時もある。置く場所でも温度は異なる。それらいろんな場面を全部含め、何日か続けて試したところでだいたいの目安をつける。
結果、水1リットルが沸騰するのにざっと15分。
それを含め、水1リットルのヤカンをかけて蒸発してなくなるまでざっと2時間~2時間半を要する。
よって薪ストーブにヤカンという加湿器は1時間あたり0.4~0.5リットル(400~500ml/h)の加湿量をもつ。
ヤカンを1リットルずつ3つかければ1200~1500ml/hの加湿能力。和室20畳(洋室33畳)がカバーできそうな大型加湿器に相当するだろうか。
あくまで私のした目安。
水の量やヤカンの大きさや種類など、試す余地はいろいろありそうだ。興味があれば自分の環境で確かめるのがよい。
ちなみに1リットルずつ3つのヤカンと0.5リットル(500ml/h)の気化式の加湿器を加えて終日くり返した数日間も湿度は写真の通り。推定1時間あたり2リットルの加湿量だが、2階でかろうじて28%になる程度。
家まるごと暖めている我が家の空間に対しては加湿量がまだ足りておらず、前回の「薪ストーブの過乾燥2」で目安をつけた「すくなくとも4リットル以上」は我が家ではそれほど的外れでなさそうな気配だ。
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薪ストーブの過乾燥2
我が家は吹き抜けのある2階建ての家を薪ストーブ1台で暖めているから、加湿するにも家全体で1つの空間とみなす。ここは計算上、大ざっぱに5m×12mの面積に高さ6mの空間(気積360m3)と仮定しよう。
この空間を加湿するにはどれくらいの水(水蒸気)が必要なんだろう。これは飽和水蒸気圧と水蒸気量の計算なんだが面倒な人は飛ばすといい。
私の街の1月の平均気温は-1.6度、平均湿度81%。この外気は1m3あたり3.5gの水を含む。この空気が家の中で室温23度に暖まれば湿度は17%となって、過乾燥は当たり前というわけ。実際は人間が生活することで前回の記事のように24%になるけれども、室温23度で24%の湿度を50%に上げるためには空気1m3あたり5.5gの水を足してやる計算だ。家全体では気積360m3 × 5.5g =およそ2リットル。
つまり室温23度で24%の湿度を50%に上げるためには家全体でおよそ2リットルを加湿してやればいい。と、これは数字だけの話。
実際は木の家が吸湿するし換気で空気の出入りもある。薪ストーブもどんどん空気を消費していくから、それ以上の加湿を常に続けていく必要がある。本当に必要な加湿量を1時間あたりにすると2リットルの2倍とも3倍とも見当がつかないんだな。
今度は加湿器を目安にする。加湿器は実際の生活空間が前提で作られているからね。
ざっとカタログ値で見ると加湿器の能力と部屋の大きさの関係は、
- 和室10畳(洋室17畳)で1時間あたり0.6リットル(600ml/h)
- 和室20畳(洋室33畳)で1時間あたり1.2リットル(1200ml/h)
と製品差があるがだいたいこんなものだ。吸湿や換気に優れた?空間を「和室」と区分するらしいから、我が家は和室で計算する。
我が家の加湿したい空間を1階35畳で2階も35畳とする。つまり70畳をカバーする加湿器が必要でそれは1時間あたり4.2リットル(4200ml/h)の能力が必要だってこと。約4リットル(4000ml/h)だ。
タンク容量が4リットルではない。1時間に4リットルの水を水蒸気に変える能力のことだ。1日在宅時12時間フル稼働で48リットルを水蒸気に変える。まさかそんな加湿器は売ってないし現実的でない。
以上、私のする大ざっぱな目安を鵜呑みにされても困るが、我が家のような家まるごとの空間に対して0.5リットル(500ml/h)の加湿器1台をフル稼働しても、薪ストーブにヤカン1つかけてみても何の効果もない理由はだいたい納得できるんだな。ぜんぜん加湿量が足りてない。だから湿度は24%なんだ。
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薪ストーブの過乾燥1
別に薪ストーブでなくても冬は過乾燥になるが、我が家の過乾燥も相当なものだ。デジタルの湿度計は1日中24%を表示したっきり。薪ストーブにヤカンをかけようが、洗濯物を干そうが、風呂場のドアを開け放とうが、夕食に鍋をやろうが、湿度計にまったく変化なし。その程度では我が家の空間に対して加湿量が全然足りてないということだ。
(写真は誰も在宅していないある日中の温湿度)
知られている主な過乾燥対策あれこれを挙げてみる。
- 薪ストーブにスチーマーやヤカンをかける
- 加湿器を設置する
- 観葉植物を置く
- 水槽を置く
- 洗濯物を室内で干す
- タオルを何本も濡らして部屋のあちこちに干す
- 霧吹きで壁やカーテンを湿らす
- 自分がマスクをする
- 雪で濡れた子供の靴やウェアを干す
- 風呂のドアを開け放ち、バスタブも開ける
- 水を張ったタライやコップをいくつも置く
- 室温を上げすぎない
- 家の換気量を減らす
- 薪ストーブを外気導入にする
- 石油ストーブや石油ファンヒーターを使用して水分を発生させる
などなど周知のものばかりだろう。
私の印象としては、閉じた普通のリビングで10畳とか20畳くらいなら上のいくつかを組み合わせて効果は実感できる思う。けれども当然だけど、10畳の部屋で加湿が足りても20畳の部屋ではその倍の加湿が必要であり、もっと広かったり吹き抜けがあったり家全体となればさらに必要だ。
我が家は抜き抜けを通して1階2階全部を加湿する必要があり、それには上のどの方法をいくつ足してもまだ足りないんだな。だから湿度計は24%のまま。
ただ仮にあらゆる方法で加湿がうまくいって湿度がアップしたとしても、そのぶん押し入れの隅で結露が始まったら何にもならない。痛し痒しでまさに兼ね合いだが、とはいえ24%は過乾燥すぎる。もう少し湿度を上げたい。
まずは我が家の空間はどれくらいの量を加湿すればいいのだろう?足りないのならあとどれだけ足せばいいのだろう?専門的な計算はどうしたらいいのかわからないが、私たちにもできる何か目安らしい目安はないものだろうかと考えてみたんだ。
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