シーズン17 薪ストーブ

ライフスタイルは変化する

タイトル通りの話を書くんだが、ライフスタイルは変化する。

て、そんなこと誰だってわかってる。誰だって年をとるし、いつか必ず死ぬ。わかってる。でも今回は違う。実感を込めてくり返し書く。ライフスタイルは変化するんだ。なぜって、私にその時がやってきたのだ。

さっさと書いてしまえば、私はがんを患ってしまった。2年前のこと。以来、薪づくりは一切やっていない。では薪はどうしたのかといえば、薪場にあった3年分のストックが役に立った。がんの発覚から手術と抗がん剤治療、その副作用と後遺症のなか、すべてストック薪で暮らした。その間、斧は一度も振っていない。作業着もタンスにしまったままだし、薪をつくるという作業からは一切離れてしまった。いまはいつ再発するとも知れない日々を、寛解することに希望をつないで暮らしている。年間8トンにもなる薪づくりはもうできない。自分でする薪づくりはここまでだ。薪ストーブのための軽トラも売却してしまった。斧もチェンソーも愛機を残してあとは処分する。ただし薪ストーブはやめない。薪ストーブの暮らしはやめないが、薪づくりはやめる。それが私と家族の結論だ。薪は今後すべて乾燥薪を注文しその都度自宅の薪棚に運んでもらうスタイルになる。

薪ストーブの暮らしをする上で、ライフスタイルの変化を考えておくことはとても大切なことだ。将来、自分が薪をつくれなくなった時、あるいは自分が先立ってしまった時、その日から家族はどうやって暖を取って暮らしていけばいい?薪ストーブの代替はどうする?エアコンやファンヒーターですぐに代替できればいいが、薪ストーブの大空間や吹き抜け空間がスイッチポンで簡単に代替できるとは思えない。かといって薪ストーブと同等の出力を求めてボイラーやセントラルヒーティングなど大掛かりな設備を入れるとなれば、それは残された家族ではなく自分があらかじめ準備しておくべきだろう。新たな暖房計画に合わせて間取りのリフォームを考えておくことだって必要だ。

まさか、自分がこんな状況になるとはね。70歳こえても斧をふるつもりでいたんだが(笑)。

とにかく、自分でする薪づくりはここまで。17シーズンにもなる今までを思うと万感胸にせまるものがないわけではないが、あきらめてしまえば意外とスッパリ切り替えができるものだ。いまは心身ともに現状の暮らしを維持することで精一杯だよ。