シーズン2 薪づくり・薪のこと

雨ざらしの長さ2

40日目の雨ざらしの薪だ。
見た目だけでいえば好みの分かれるところだろうね。
これを眺めていて思うのは、雨ざらしによって薪の中の何が失われているのだろう?ということだ。
「油分が抜ける」とよく表現されるように、溶け出したり流れたりして失われている成分があるはずで、それが過ぎると火力に影響する、というのならば、いよいよ雨ざらしはほどほどでなくちゃいけない。
木の主成分はセルロース、ヘミセルロース、リグニン。これらが約90%以上を占めている。
残りの数パーセントが副成分で、樹脂や木の匂いの元となる成分やデンプンなどの糖分、カリウムなどの無機質など(全部を列記しないが)さまざまな物質が含まれているらしい。木の生々しさというか特性や個性にも関係する部分で、雨ざらしで流れるとすればこの副成分のことだよね。そもそも木は雨の日は葉っぱの細胞の弁を閉じて養分や成分が流れるのを防いでいるらしい。
また、ある興味深い記述があって、ナラ、特にクヌギはカリウムの含有量がとても多く、それが燃焼に作用して火力や火持ちに優れるのだという。そのカリウムも一般論でいえば水に溶けて流れる。
とするなら極端にいえば、雨に濡らさず成分を落とさず、割ってすぐ薪棚に保管して、乾燥しにくい分はキッチリ2年以上の時間をかけてやるのが火力の強い最高の薪をつくる一番の方法だ、という言い方ができてしまう。
「雨ざらしは乾燥に良い」
その一方で、
「雨ざらしは火力を落とす」
と考えるなら、
ちょうど良い答えはどのあたりにあるのだろう。割った直後に適度に雨ざらしにして、その後は濡らさず保管する。。。さて?

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