シーズン2 薪ストーブ

薪ストーブと環境

どうしたんだ地球?というわけで、あまりの暖冬で地球温暖化の問題がクローズアップされている。この機に私も薪ストーブユーザーとしてひとつ書いておこう。
ズバリ、「薪ストーブは環境に良いか、悪いか」。

煙突から煙が出るから公害だし、木を伐るから森林破壊。そのことだけをみれば環境に悪そうだ。しかしちょっと調べれば、薪を焚くということは昔からずっとそうであった、大きな自然のサイクルの一員であることがわかってくる。
煙突から煙が出るけれども、その二酸化炭素は森が吸収し、木は薪となってまた燃える。つまり大気と森と人の暮らしの中を二酸化炭素は循環してて、増えも減りもしない。昔からずっとある自然のサイクルだ。
木を伐るけれども、木を伐るということは森を育て更新すること。「適度に計画的に」行うことで次の木が育ち森が豊かになってあらゆる「恵み」を人の暮らしにもたらしてくれる。消費と再生がくり返すこれも昔そうであった自然のサイクルだ。
しかし化石燃料は循環しない。再生不可。掘り尽くされ枯渇する一方的な消費のみ。その化石燃料が一気に放出した二酸化炭素はもともと森からでたものでないからどのサイクルにも属さない。循環せず大気に溜まり続けた結果が現在の温暖化なのだ。
森が増えれば二酸化炭素を多く吸収してくれる、だから木は伐っていけないのだという人がいる。しかし「適度に計画的に」伐って手入れしなければ森は健康に育たず荒れて死んでしまう。実際、整備されず放置された戦後の針葉樹林などは崩れやすく倒れやすく保水力を失って、災害面で人を苦しめるケースも多い。
また、木が二酸化炭素を盛んに吸収するのは成長期のことであって、20年や30年で成長しきったあとは二酸化炭素の吸収を止めるという。昔ならそこで伐採され、新しい幼木が二酸化炭素の吸収をくり返すのだが、こうした整備や更新作業が日本の林業の衰退によって失われてしまっている。

いまもっと必要なのは「適度に計画的に」整備された健全な森だ。二酸化炭素をもっともっと吸収できる元気な森だ。だから木は伐らなければならない。再生するために伐る。循環型のサイクルを動かすのだ。
、、と書いている私は、しょせん薪が欲しいだけの動機でしかないかもしれない。でもはじまりはどうあれ、我々のような小さな者でも木を知り森を知り山に入ることで、人の流れも関心も経済活動も、森の活性化の一助にならないだろうか。木を知ろう。木を使おう。森へ行こう。
薪という小さな問題は、 大きな「地球」につながる。薪を焚くことで環境問題に積極的に参加できるのだという可能性を、私は結構信じているのです。