「 薪づくり・薪のこと 」 一覧
薪の補充
薪ストーブを導入したいが自宅に薪を置くスペースがない。そういう人は多いだろう。私もそれがネックだった。
軒下にいくつも薪棚をつくったり、玄関前を半分使って薪棚にしたり、なんとか置き場所をひねり出そうとしたが1年分の量にはぜんぜん足りない。
あきらめる!とか、暖房計画を見直すとか、薪の消費量が最も少ない薪ストーブを求めて旅に出る、など方法はいろいろあるが、いっそ自宅とは別にスペースを借りてそこをメインの薪置き場とする方法がある。写真がそれだ。
そもそも住宅地ではチェンソーの使用もはばかられるし、庭を持たない我が家の玄関先や路上で斧を振っては事情を知らない通行人が怯えてしまう。近所の人とそのたび挨拶をして長話したり説明したり、薪割りもぜんぜん落ち着かない。
でもここなら大丈夫。チェンソーも使えるし斧も気持ちよく振れる。
ここで2年分の薪づくりをして乾燥させておき、シーズン中は自宅の薪を焚きながら、減った分をここから補充する。
この薪置き場がなかったら私の薪ストーブライフは成り立たないのだ。
そうしてヒマを見つけては軽トラで薪を取りに行く。軽トラも薪を揃えて丁寧に積むのと、ただポイポイ放り投げていくのとでは積める量は倍以上は違う。
下の軽トラの写真は最初ギッシリ積んであるが、最後は面倒くさくなってポイポイと投げてこぼれ落ちるまで積んだところ。ナラは半分程度、あとは広葉樹の雑木だ。
これで1立米はあるはずで、我が家の焚き方だったら2週間ほどで焚いてしまうだろうか。
すると薪の補充は1ヶ月で2往復すれば充分な計算だから、私にとっては急ぐこともなく苦にもならない。こうしてたくさんの薪の確保を可能にしている。
雪の中の薪
自宅で積雪45cm。クルマで20分の薪置き場はその倍はありそうですっかり雪に埋もれている。
ここには今シーズンこれから焚くつもりの薪もあるのだが少々雪をかぶってしまったようだ。せっかく薪を濡らさないための雪囲いを考えて養生しようと思っていたのに、如何せん正月休みは酔っぱらいすぎた(笑)。そのうちに寒波の方が先に来てしまったわけだ。
まあジタバタしても仕方ない。天候が回復した休日になんとかしよう。
雪の中の薪を守るためにいろんな工夫があるのだろうと思う。たとえ屋根をつけても吹雪けば雪は横から下から吹きつけて積もる。従って薪棚の側面も覆ってしまう必要があるのだ。一般的な作業用のブルーシートの他にもっと安価で具合のよいものはないかとホームセンターをウロウロしていたところ、塗装用の養生シートを見つけた。タテ180cm×長さ15mもありそれが300円ほど。極薄のビニールシートだが寸法的にちょうど良い。薪棚の周囲をグルっと巻いてしまえば横から吹きつける雪や雨を防ぐには十分だ。自宅の薪棚はすでに取り付けてある。
雪が降ると雪かきも大変だし余計な手間もかかるものです。
薪いろいろ
自宅の薪棚から適当に並べてみた。
樹種は合ってるだろうか?クリが自信ないな。時々激しく弾けるからたぶんそうじゃないかなあ?シラカバがあるから山奥に住んでるのが一目瞭然?。ミズナラも標高の高いところに生えるらしいね。
反対にクヌギは比較的低地のものらしく、だから私の薪棚にはクヌギが見当たらないのだろうか。
アカマツは細かく割って焚きつけ専門。キハダは焚いてもあんまり頼りにならない気がして、エーイと大割のやつを焚いてみる。ケヤキは病気で立ち枯れしたやつ。状態が普通じゃないから比較にはならない。参考程度だ。
リンゴは果樹園のお手伝いをしてもらってきたやつ。よく燃えて火力も強い。香りもいいしクリスマスはリンゴの熾き火でダッチオーブンで鶏を焼くのだ(笑)。
サクラ、ミズナラ、コナラは近くの伐採でもらったやつ。写真のうちでメインで焚くとすればこのあたりだな。
写真のほかにも薪棚には名前のわからない樹種がたくさんあって、リョウブ、ハンノキ、アカシア、カエデ、ミズメ、ドロノキ、などなど達人に指さして教えてもらったからそれらのはず。(どれがどれだか全然わかってないが。。。)
それらを大割のサクラ、ミズナラ、コナラと混合して焚いている毎日だ。もっとも別の薪棚には特別上等のコナラが焚かずに温存してある。これは厳冬期までとっておく。今みたいに混合で焚いても暖かいのに、コナラだけでアンコールの炉内いっぱいに詰め込んで焚いたらどれだけ暖かいだろう。火力も火持ちも段違いだからね。
今のところはいろんな樹種を焚いて興味津々。シラカバの樹皮がメラメラ燃えるのも面白いし、クリが弾けるのを眺めるのも楽しい。ケヤキでわざと空気を絞って小さなバックパフ寸前にして宙を燃えて揺らめく炎の動きを楽しむのも好きだ。
薪いろいろ。楽しさいろいろ、です。
原木の購入
またもや薪が増えた。原木3トン購入だ。全部ナラ。素晴らしい♪
薪は十分あるのだが、贅沢というか道楽というか、ナラの比率をもっと高めたいので購入となった。ナラはやはり薪の王様。割って楽しい、焚いて抜群。不足したくない。
1トン12,000円。薪ストーブユーザーのための原木販売を意識してくれているのか、どれもこれも素直な木ばかり。ますます素晴らしい♪
午後だけ休みが取れたのでチェンソーで玉切り開始。いったい半日でどれくらい切れるものかと思ったが、3トン全部玉切りできてしまった。
痛いのは腰だ。しかし意外と腕や手は全然疲れない。チェンソーが5kgと重いにもかかわらず、その自重だけで木に食い込んで勝手に切り進んでくれるから腕は何もしていない、ただチェンソーをホールドしているだけ。チェンソーが重いということはそんなに悪いことでもない。
私の目立てセット(丸ヤスリとビデオケースと磁石、笑)はここでも健在だ。あらかじめ自宅で念入りに目立てをしておいて、作業途中にも一度目立てをしたのだが、作業途中でソーチェンが熱くなっている方が削りやすく整えやすいようだ。冷えているより熱せられている方が刃は柔らかいのだろうな。
それにしても目立て後の切れ味はなかなか満足のいくものになってきた。もっと切りたい。
薪は財産
こういう薪棚の壁に囲まれるのを夢見ていた。
グルグル歩き回っては眺め、遠く離れては眺め、近寄っては眺める。何とも表現できない満たされた気持ち。ずーっと眺めていても飽きることがない。
薪は財産だとつくづく思う。米と同じで、手間ひまかけて時間をかけて蓄える、これがなくては暮らしていけない必需品。もし江戸時代だったら、「嫁に行くなら薪がたくさん積んである家。薪をたくさん用意する律儀で働き者で健康な家」なんて言われなかったのかしらん?。
現代では「モノ好きの世界」の薪づくりかもしれないが、お日様の下で汗をかき、生活を暖かく豊かにし、木のぬくもりで癒される。少なくとも私にとっては何ものにも代え難い喜びなのだ。
今も薪棚は増えつつある。
再来年の薪(次の次の冬)になるんだと言うと人も笑おうか(笑)
木材の水分計2
購入した簡易水分計を試してみた。
写真はこの冬にメインで焚くつもりのナラだ。割ってから7ヶ月。乾燥薪の目安としてよく言われる「春に割ってひと夏越えて半年以上乾燥させた薪」だ。
保管しているのはクルマで20分の薪置き場。陽当たりも風通しも抜群。私の環境下でこれ以上の好条件の薪棚はない。こいつが乾燥してないとなるとショックだぞ。
水分計の針を押し当ててみる。本来は針をブッスリ差した方がより正確だと思うが木が堅くて差さらない。とりあえず強く押し当てる程度で試みる。14%と出た。どの場所で測っても12%~15%あたり。意外と乾いている。
しかし、空気に触れている表面が乾いているのは当たり前。内部まで乾燥しているかどうかだ。
割って内部を測ってみると19%。ばらつきはあるが18~20%あたり。ファイアーサイドのサイトに「薪は20%前後まで乾燥」とあるから、薪としては十分合格ということになろうか。本当は、薪を手にした感触からもう少し乾いていてほしい気がするが、ということは日当り抜群のこの場所よりもっと条件の悪い場所だったらここまで乾燥しない。だからそんな薪棚ではできるだけ中割以下に割って、かつ井桁にするなどの工夫が必要なわけか。でなかったら、ひと冬越えて1年以上乾燥させる。
樹種にもよる。雑木などは春に割れば冬に十分乾く。乾燥が遅いのはナラだ。ナラをその年の冬に焚きたいなら中割以下で割る。大割にするならばひと冬超えて1年以上がベストじゃなかろうか。
いずれにしろ実際のところは焚いてみないとわからない。自分の感覚と実際焚いてみた感じで経験を積みながら、水分計の数値で裏付けができるといいんだけどね。
木材の水分計
木材の水分計を買った(簡易水分計)。
水分計とは文字通りどれくらいの水分量を含んでいるかを測定する機器だ。木材、紙、穀類、土壌、生コンなど、さまざまな分野に水分計があるらしい。例えば建築では建材を測定するほか、雨漏りのあった石膏ボードとか、湿気の溜まる腐れの場所の発見とか、そんな実用的な使い方もあるという。
そして当然、薪に含まれる水分量が測定できる。薪ストーブユーザーの私にはうってつけの機器だ。
ネットの安売りは標準価格の半額。安すぎてやや不安もあるがもともと簡易水分計だ。目安になればそれでいいと割り切る。
商品説明ではプロ用の高精度水分計だそうだ。2ピンの電気抵抗式センサーを木材に軽く突き刺すと水分量の数値がLCD画面にバーグラフで表示される。
詳細はこちら。
http://www.mksci.com/ev/dt123.html
表示が楽しみだ。
焚きつけの小枝
私は焚きつけに小枝を使う。
ポキ、ポキ、と折りながら火を大きくしていくあの感覚が好きなんだな。建築端材があればそれも使うが、たいていは建築端材を探すより先に、山へ柴刈りに行ってしまう。まったくモノ好きの世界だ。
伐採現場でもこんな小枝まで持って行こうとするから職人さんは怪訝な顔をする。そんなもん焚いてどうするんだ(薪にはならんぞ、知ってんのか)?って顔だ。いいじゃないか、現場も片付いて奇麗になることだし。
集めるのは簡単で重労働でもない。適当にヒモで縛ってそのあたりに立てかけておけば誰も捨てたりしない。放っておいてもすぐ乾く。写真のは昨年の秋にケヤキが倒れた際に集めて縛っておいた小枝だ。完全に乾ききっている。
焚きつけの小枝は細かく折って段ボール箱に入れておく。1回の焚きつけで一握りか二握りほど使う。
本格的にシーズンインしてしまえば24時間焚くのでこうした焚きつけの小枝はまったく不要となるけどね。
薪の鳴る音2
薪の鳴る音 (08/16) は真夏の暑さが原因だと思っていた。しかし10月になっても薪は鳴り続けている。
普通に考えれば音の正体は薪の中に潜むカミキリムシなんだが、昼夜問わず、早朝も深夜も、雨の日だって鳴っている。棒でガンガン叩き回って黙らせようとしても一向に変化なし。
私が興味あるのは自然現象としての薪の鳴る音。
これは屋外の薪棚では気づかない。一生懸命聞こうと耳をあててみても外では聞き取れない。コンクリートの車庫で反響の良い静かな空間だから気づく音。
車庫で鳴っている薪はナラ中心。そりゃますますカミキリムシの可能性は高いが、本当にそれだけなんだろうか?
広葉樹林の山の中にたった一人分け入って耳をすます時のように、薪が発するいろんな音を感じてみたい。
薪集めの失敗
始めた頃の薪集めは失敗ばかりだった。欲張って失敗したこともあるし、声をかけまくったあげくドツボにハマったこともある。特にウマイ話ほどウマくいかないものだった。
ある日クルマで走っていたら遠くの山で伐採しているのが見えた。すぐさま飛んで行き、作業している頭とおぼしき人に交渉。「ああ持っていっていいよ」あっという間にOKが出た。なんというラッキー。早速着替えて出直し、汗だくになって軽トラで5杯運んだところに現れたその現場の本当の責任者。
「オレんとこの祭事で使うんじゃあ。全部返せ。」
げーっ。。。。また汗だくになって泣く泣く軽トラ5杯を返し終えた頃には夜も更けて。。。。
伐採現場にナラが放置されているから持って行ってくれという話。喜んで行ってみるとそこは土砂災害の危険指定地域。見上げるばかりの砂防コンクリートの壁。ビル3階分はある。そのさらに上に傾斜45度以上はある急斜面の崖地が続いていた。そこで伐採された木はクレーンで搬出済みだ。そのクレーンで届かなかった崖の遙か上に残されたヤツを持っていっていいというのだ。
ちょっと待て。クレーンで搬出できず本職の作業員が見捨てたヤツを、機材も何も持たず自分一人でこの崖地から運び出せるというのか???
しかし私はその現場が薪集めデビュー、そしてチェンソーデビューだった。初心者は断るという発想自体持ってなかった。
3階建て相当の階段をゼイゼイ登り、その倍以上の高さの急斜面をヒィーヒィー這い上がり、倒れた木を玉切りにして、しかし初めてなので何度もチェンソーが挟まれ難儀し、やっと80cmにして急斜面を引きずり降ろす。そして40cmに切って一つ一つ抱えてビル3階分の階段を下りて軽トラに積む。これをくり返すこと軽トラ4杯分。ほぼ丸3日。部活の特訓じゃあるまいに過酷すぎる。よほど上等なナラばかりでない限りこんな現場はもうやらない(笑)。
その時のナラが今シーズン焚く薪の主力となる。
焚くたびに遠い目になりそうだ(笑)