「 シーズン2 」 一覧
大割の薪を詰め込む
2年目の今シーズンは少しは慣れて暖かく焚ける、と書いてきたが、しかししかし、まもなくやってくるマイナス15度の朝や、日中の最高気温がマイナスの厳冬期に比べればこの11月の寒さなど慣らし焚きにすぎない。
その厳冬期を2年目こそは暖かく暮らせるのか??実は不安である。やってみないとまだわからない。
その全開モードのガンガン焚きを試す時が来た。
今冬はじめてのマイナス3度の朝。不意をつかれて室温24度にしかならないのが悔しすぎる。家族にフリースを着させてしまった。
今年考えているのは大割の薪を詰め込む作戦だ。アンコールの場合、大量の薪を投入しても大丈夫と聞く。薪がつっかえてグリドルが閉まらないくらい、ダンパーが押されて閉まらないくらい、薪を炉内の隙間いっぱいに詰め込むのだ。大割は2コか3コで限界。あとは隙間の空間に合うサイズの薪をどんどん詰め込んでいく。正面から見ると炉内は薪でいっぱい。上部に空間はない。
昨年も似たようなことは試したが、特別寒い夜に朝までトロトロくすぶらせるためで、団欒時にガンガンに焚き上げるためではなかった。今年は小割や中割で十分に焚き上げた後で大割を詰め込み、ますます燃え盛るあたりでグッと空気調整レバーを絞る。
こうして焚く熱量はハンパじゃない。もの凄い熱の塊がそこにあり、大人の私も近寄りがたいほどだ。
スロートフードの棒が赤熱しているのが垣間見える。オイオイ大丈夫だろうか?コンバスターは?本体は?こりゃ来年のメンテナンスは恐ろしいことになるぞ(笑)。だが煙突の根元に置いた温度計は340~350度。普段よりいくぶん高めかなという程度なのは意外。
もう少し効率的な焚き方があるだろうと思う。これも試行錯誤の通過点。とにかく暖かくなけりゃ話にならない。室温は27度を越えてまだまだ上がる気配。これならイケるかな?
(焚き過ぎには注意しましょう)
(この機種は触媒つきアンコールです。機種によっては危険とのこと。)
追記だ。
5年目となって振り返ると、この記事のような焚き方はアンコールの破壊実験のようなもの。真似をしないよう。こんな焚き方をしなくったって適度に焚けばアンコールは暖かい。2年目のこの頃、すでにコンバスターもバキバキ、アッパーファーヤーバックも歪んでいた可能性が高い。
小割の方が暖かい
「薪は小割の方が暖かい」。
なあんて話を書くのだが早トチリしないでお願いしたい。
私の家族は「焚きつけ」と「薪の追加」はするが、肝心の「温度をあげて暖かく焚く」ことができないでいた。薪を入れる量が少ないし、始めから大きな薪を入れ過ぎなのだ。空気も早い段階で絞り過ぎ。ダンパーを閉めるのも早過ぎる。火は絶やしていないが暖かくはならない。昨年の私もそうだったし、じきに覚えるだろうと思っていたが、さすがに初雪の舞う頃になるとそうもいってられない。私が帰宅すると18度くらいの室温で夕食をとってたりする。寒いだろうがっ!
そういうわけで、焚きつけてからの最初の2~3時間をもっと暖かく焚けるよう、「薪は小割の方が暖かい」と教えることにした。最初のうちは大きな薪でなく小割を多用してくれ、ってことだ。
この「薪は小割の方が暖かい」という呪文がうちの家族には一番効果があった(笑)。以前よりずいぶんよく焚いてくれるようになった。
夜、私が帰宅すると小割が燃えて熾きがたくさんできて本体が暖まっている。室温はまだ十分でないがこれならすぐに大きな薪で焚き上げることができる。
しかし「小割の方が暖かい」ではおかしな話で、じゃあ大割なら寒いのかってツッコミはなしだよ(笑)。あくまで慣れてない人への対処方法。なかなか暖かく焚けないなら、まず小割からよーく焚いて火力をあげていこう、というだけの話だ。「熾きをつくる」と内容は同じ。そうして本体も温まり熾きもできたら、そこから大きめの薪を追加してがつんと温度を上げるんだ。
二次燃焼の灯り2
スロートフードのわずかな隙間に見える赤い灯り。私のアンコールはたまにこの部分に灯りが見える。
これは何の灯りだろうと思えば、アンコールの二次燃焼室側の灯りではないかと私は思っているがどうだろう?
最初は薪が燃える炎がスロートフードから吸い込まれて赤く見えるのかと思ったが、毎日観察しているとどうやら二次燃焼で燃えている、つまりコンバスターが燃えている二次燃焼の灯りに間違いないと思うのだ。
灯りは常に見えるわけではない。要するにダンパーを閉めて巡航運転になった最初の1時間程度だけ。やがて見えなくなってしまう。もっと短い15分くらいで見えなくなる日もあれば一度も灯りが見えない日もある。テキトーに短時間で焚き上げて見えることもあれば、二次燃焼を狙って丁寧に焚き上げても見えなかったりする。
このあたりが謎だ。所詮私がまだまだ初心者なのだろうが、よほど条件が揃わない限り二次燃焼は起きないとすればなんと難しいことか。
それに灯りが見えても見えなくても感じる暖かさに劇的に違いがあるようには思えない。二次燃焼が起こると1.5倍暖かいと聞いているがどうなんだろう?それとも、赤々と見える灯りに関係なく二次燃焼は起こっているものなのだろうか??
この疑問は昨シーズンからまったく答えが出ていない。だったらメーカーに聞くのが一番なんだろうね。ファイアーサイドなら回答はもらえるのかなあ?
追記だ。
シーズン4年目になって私はこの灯りを二次燃焼の灯りだと確信している。もっともスロートフードの裏側を目で確認したわけでないから想像でしかない。もちろん、位置的に見てコンバスターが燃える光が直接見えるわけはない。スロートフードの裏側の真っ暗な空間はまっしろなセラミッックの壁で囲まれているから、その反射光で赤々と灯りがもれてくるのだ。
ただその後わかったことは、コンバスターが赤々と強く燃えなくても二次燃焼は十分に働いているということ。記事で心配したような、よほど難しい条件なんてない。二次燃焼はいつも普通に起きている。あの灯りが見えないから二次燃焼が起こっていないと思うのは誤り。
むしろ、あの灯りが頻繁にしかもいつまでも長く続いてることの方が、コンバスターが強く燃えすぎてダメージを与えていないだろうか。と考えるようになった。
12年目にして追記だ。
この記事は初めてで何も知らなかった頃のもの。そもそも、スロートフードに隙間ができて二次燃焼室の灯りが見える?普通は見えない。見えてはいかん。
やみくもにガンガンに焚きすぎてすでに2年目でスロートフードは歪んでいたんだろうね。もしかしたらアッパーにも変形があったかもしれない。でも知らないから二次燃焼室の灯りが見えて喜んでた。まあこれはこれで楽しかった。
12年目のメンテナンスで新品のアッパーファイヤーバックとスロートフードを取り付けたけど、隙間なんてあり得ない。それはそれで少し物足りなかったりするんだけどね、笑。
トップの温度
アンコールの取扱説明書によればトップの温度計はグリドルの中央に置くとされている。実際はヤカンや鍋が常に乗っているのでグリドルよりも奥の煙突の根元付近に置くことが多いけどね。グルドルなら炉内の燃焼温度を、煙突の根元なら二次燃焼まで含めたストーブ全体の温度を反映すると思えばいいのかな?
さて、初雪も舞った頃、室温25度を超えて家中が暖かさに包まれている状態でグリドルに置いた温度計は350度。接写で温度計を撮ろうとしても熱くて近寄りがたい。ステンレスやホーローのヤカンも2リットルくらいの水は数分で湧いてしまう。アンコールのグリドルならこれが日常じゃなかろうか。
ところが薪ストーブに慣れないうちはこの温度を見てビックリするわけだ(笑)。私も1年目の去年はそうだった。火の勢いが怖いとか焚きすぎて不安とかいう問題じゃなく、アンコールという薪ストーブは250度あたりで焚くのが正しい使い方だと思い込んでいたのだ。何故そう思い込んだのか、いろいろ原因はありそうだがとにかくそれが初心者というもので、ガンガンに焚かないのだから寒いに決まっていた。
350度で焚きましょうと言いたいわけじゃない。ストーブの機種や温度計の場所によって表面温度はぜんぜん異なるからね。350度という数字は忘れてもらっていいが、思ったように暖かくならなくて悩んでいる人は、そもそも焚き方が甘かったり、薪をケチって細々焚いていることが多かったりする。目一杯ガンガンに焚いてみるという打開策が案外効果的かもしれない、と思うのだ。
原木の購入
またもや薪が増えた。原木3トン購入だ。全部ナラ。素晴らしい♪
薪は十分あるのだが、贅沢というか道楽というか、ナラの比率をもっと高めたいので購入となった。ナラはやはり薪の王様。割って楽しい、焚いて抜群。不足したくない。
1トン12,000円。薪ストーブユーザーのための原木販売を意識してくれているのか、どれもこれも素直な木ばかり。ますます素晴らしい♪
午後だけ休みが取れたのでチェンソーで玉切り開始。いったい半日でどれくらい切れるものかと思ったが、3トン全部玉切りできてしまった。
痛いのは腰だ。しかし意外と腕や手は全然疲れない。チェンソーが5kgと重いにもかかわらず、その自重だけで木に食い込んで勝手に切り進んでくれるから腕は何もしていない、ただチェンソーをホールドしているだけ。チェンソーが重いということはそんなに悪いことでもない。
私の目立てセット(丸ヤスリとビデオケースと磁石、笑)はここでも健在だ。あらかじめ自宅で念入りに目立てをしておいて、作業途中にも一度目立てをしたのだが、作業途中でソーチェンが熱くなっている方が削りやすく整えやすいようだ。冷えているより熱せられている方が刃は柔らかいのだろうな。
それにしても目立て後の切れ味はなかなか満足のいくものになってきた。もっと切りたい。
熾きをつくる
2年目のアンコールはまだ11月初旬で最低気温3~6度のこの時期、ずいぶん暖かく焚けている。本格的な寒さはこれからだが、まだまだ余裕がありもっとガンガンに焚けるぞ。
やはり焚き方が去年と違っている。実感できるのはダンパー操作が遅くなったことかな。それに薪をケチりたい気持ちが薄らいで、焚きたい分だけ薪を入れることができるのも大きい。
中でも1年目と違うのは焚きつけてから「熾きをつくる」時間を長くとっていること。写真のように焚きつけの小枝や小割りの薪を使って最初の30分以上で熾きをたくさんつくるのだ。細い木が勢い良く燃えればグリドルに置いた温度計はすぐ300度に達する。しかし炉内にたくさんの熾きがたまるまで大きな薪は入れないしダンパーも閉めない。
それに去年は温度計だけを頼りに焚いたので、熾きがあろうがなかろうが250度を超えたら大きな薪を入れてダンパーを閉めた。今年は温度計じゃなく、自分の目で見た様子と感じる熱量の大きさで決める。
2枚目の写真も熾きをつくるための追加投入だ。こうして小枝や細い薪を追加しながらたっぷり30分以上。
アンコールの取扱説明書にも、着火したら「真っ赤な燃えさし床(熾きのことだね)が火床全体にできるまで薪の補給を続けます。」そして「1時間以上経過して230度を越えていたらダンパーを閉めます」とある。
1年目は「1時間なんてそんな悠長な。薪がもったいない。」と無視したものだが、そんな風にしてアンコールは焚きつけから熾きをたくさんためて本体を充分に暖める時間が必要なのだな。今年の私は基本に忠実だ(笑)
その後、熾きがたくさんたまったら中割の薪を投入。しばらくして全体にほどよく火が回り相当な熱が感じられるところでようやくダンパーを閉める。去年はここまでで20分。今年は30分~1時間。あとは適宜、大割の薪をどっかーんと入れて空気調整レバーを絞る。
ちょっと焚きつけ過ぎかもしれないが、アンコールが暖かく焚けないで悩んでいる初心者だったらこれくらい念入りにしたみたらどうだろう?。いずれ慣れて暖かく焚けるようになれば、その時には自分なりの省略した手順でやればいいんだから。
まあ、焚き方は人それぞれ、住宅環境もそれぞれ。これはシーズン2年目の私の書くこと。達人じゃないから参考程度で鵜呑みにはしないように。
薪は財産
こういう薪棚の壁に囲まれるのを夢見ていた。
グルグル歩き回っては眺め、遠く離れては眺め、近寄っては眺める。何とも表現できない満たされた気持ち。ずーっと眺めていても飽きることがない。
薪は財産だとつくづく思う。米と同じで、手間ひまかけて時間をかけて蓄える、これがなくては暮らしていけない必需品。もし江戸時代だったら、「嫁に行くなら薪がたくさん積んである家。薪をたくさん用意する律儀で働き者で健康な家」なんて言われなかったのかしらん?。
現代では「モノ好きの世界」の薪づくりかもしれないが、お日様の下で汗をかき、生活を暖かく豊かにし、木のぬくもりで癒される。少なくとも私にとっては何ものにも代え難い喜びなのだ。
今も薪棚は増えつつある。
再来年の薪(次の次の冬)になるんだと言うと人も笑おうか(笑)
木材の水分計2
購入した簡易水分計を試してみた。
写真はこの冬にメインで焚くつもりのナラだ。割ってから7ヶ月。乾燥薪の目安としてよく言われる「春に割ってひと夏越えて半年以上乾燥させた薪」だ。
保管しているのはクルマで20分の薪置き場。陽当たりも風通しも抜群。私の環境下でこれ以上の好条件の薪棚はない。こいつが乾燥してないとなるとショックだぞ。
水分計の針を押し当ててみる。本来は針をブッスリ差した方がより正確だと思うが木が堅くて差さらない。とりあえず強く押し当てる程度で試みる。14%と出た。どの場所で測っても12%~15%あたり。意外と乾いている。
しかし、空気に触れている表面が乾いているのは当たり前。内部まで乾燥しているかどうかだ。
割って内部を測ってみると19%。ばらつきはあるが18~20%あたり。ファイアーサイドのサイトに「薪は20%前後まで乾燥」とあるから、薪としては十分合格ということになろうか。本当は、薪を手にした感触からもう少し乾いていてほしい気がするが、ということは日当り抜群のこの場所よりもっと条件の悪い場所だったらここまで乾燥しない。だからそんな薪棚ではできるだけ中割以下に割って、かつ井桁にするなどの工夫が必要なわけか。でなかったら、ひと冬越えて1年以上乾燥させる。
樹種にもよる。雑木などは春に割れば冬に十分乾く。乾燥が遅いのはナラだ。ナラをその年の冬に焚きたいなら中割以下で割る。大割にするならばひと冬超えて1年以上がベストじゃなかろうか。
いずれにしろ実際のところは焚いてみないとわからない。自分の感覚と実際焚いてみた感じで経験を積みながら、水分計の数値で裏付けができるといいんだけどね。
木材の水分計
木材の水分計を買った(簡易水分計)。
水分計とは文字通りどれくらいの水分量を含んでいるかを測定する機器だ。木材、紙、穀類、土壌、生コンなど、さまざまな分野に水分計があるらしい。例えば建築では建材を測定するほか、雨漏りのあった石膏ボードとか、湿気の溜まる腐れの場所の発見とか、そんな実用的な使い方もあるという。
そして当然、薪に含まれる水分量が測定できる。薪ストーブユーザーの私にはうってつけの機器だ。
ネットの安売りは標準価格の半額。安すぎてやや不安もあるがもともと簡易水分計だ。目安になればそれでいいと割り切る。
商品説明ではプロ用の高精度水分計だそうだ。2ピンの電気抵抗式センサーを木材に軽く突き刺すと水分量の数値がLCD画面にバーグラフで表示される。
詳細はこちら。
http://www.mksci.com/ev/dt123.html
表示が楽しみだ。
焚きつけの小枝
私は焚きつけに小枝を使う。
ポキ、ポキ、と折りながら火を大きくしていくあの感覚が好きなんだな。建築端材があればそれも使うが、たいていは建築端材を探すより先に、山へ柴刈りに行ってしまう。まったくモノ好きの世界だ。
伐採現場でもこんな小枝まで持って行こうとするから職人さんは怪訝な顔をする。そんなもん焚いてどうするんだ(薪にはならんぞ、知ってんのか)?って顔だ。いいじゃないか、現場も片付いて奇麗になることだし。
集めるのは簡単で重労働でもない。適当にヒモで縛ってそのあたりに立てかけておけば誰も捨てたりしない。放っておいてもすぐ乾く。写真のは昨年の秋にケヤキが倒れた際に集めて縛っておいた小枝だ。完全に乾ききっている。
焚きつけの小枝は細かく折って段ボール箱に入れておく。1回の焚きつけで一握りか二握りほど使う。
本格的にシーズンインしてしまえば24時間焚くのでこうした焚きつけの小枝はまったく不要となるけどね。