「 シーズン5 」 一覧
電動薪割機1
薪を割って5年。
私は4トンの電動薪割機も使う。別に薪割機だからってどうということはない。薪割りの道具が一つ増えただけであって、斧で割ろうが座って電気を使おうが、その時その時でチョイスして使う。
エンジン式の薪割機は高くて買えないし自宅に置いておくスペースもない。一番安価でコンパクトなこのタイプだから買う気にもなったのだが、私はこれでとても重宝している。だからとても「使える」って記事になる。
以下、ナカトミのLS-52HSという機種の場合だ。LS-52H、LS-52HS、ときて現在の後継機はLS-4という。
まず最初に「延長コード」。
ほとんどの人が延長コードで使いたいだろうけど、延長コードは細ければ細いほど、長ければ長いほど「電圧降下」を起こす。コンセントで100Vだった電圧が先っぽでは90Vに落ちてしまうってイメージ。これが薪割機に良くないという。パワーダウンして割れるものも割れなかったり、ブレーカーが落ちまくったり、最悪モーターが壊れたりする。
私は割れないのも壊れるのもイヤなので、メーカーにLS-52HSの場合で尋ねたところ、延長コードは2.0mm2の太さで長さは10m以内のこと、という回答を得た。(注=太さはコード全体の直径でなく、中の電流が流れる電線の断面積のこと)。
我々がふだん家庭で使う家電用の延長コードはたいてい1.25mm2。細いのだ。電工ドラムだから大丈夫と思っても、表記してある数字で確かめるとやっぱり1.25mm2、だったりする。それでドラムが20m、30m巻きだったりすれば本当に90V近くまで落ちて、「割れない、使えない薪割り機」になってしまう。
私は3.5mm2の太さで10mの延長ケーブルを自作した。太けりゃ太いほどいいだろうというわけだが、普通の平行コンセントのプラグに3.5mm2のケーブルは太くてハマらないので適合するプラグも必要だ。自作する人ならすぐ探せるだろう。・・・・・って、別に、既製品が買えるならその方が早いけどね。
で、これで10m延長して割っていて電圧降下を疑う場面はない。快調だ。
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薪割り5年
薪を割って5年。まだまだ5年。
今年もふうふう言って、脇目もふらず、一心不乱に、斧を振ってます。
薪割りをする時は一人きりで、誰かと話すとか笑うとか、面白いことなどなにもないのに楽しくて仕方ありません。2時間もぶっ通しで斧を振っていれば足元がおぼつかなくなってきて、頭ではそろそろ休憩だと斧を置こうとするのに、手は次の玉を薪割り台に立ててしまってます。「これを割ったら休もう」、そんなことをくり返しているうち3時間も薪割りを続けて、割った薪は山のように積み上がっていきます。すると嬉しくてますます止められなくなってさらに薪割りが続きます。
そろそろ日も暮れてきて手袋の中で手の皮が剥けているのに気がついて、それはマメが少し破れた程度なんだけれども、痛かったのはこのせいか、なんてやっと笑います。
ただの勤め人のヤワな体は鍛えられるどころか、夜は自宅の階段を這いずるように登り、朝はきしむ体でようやく降りてきます。少しはマッチョになるかと思えばあいも変わらずスマートで、背は縮むし白髪も出るし、でもできるようになったことがどんどん増えて楽しい毎日です。
20年、30年たっても薪割りをしているとしたらそれはどんな境地なんだろう、なんてすぐに思ってしまう、先のことをすぐに見たがるのは悪いクセ。愉しみにしればいい。どんな明日もどんな未来も。
薪を割って5年。まだまだ5年。ふうふう言って薪を割る。
5年目のチェンソー
私の使うチェンソーは、カーツポーランのCS220。
チェンソー選びで検索かける人なら目にするはず。アメリカ製で、38ccのエンジン、40cmのバー、しっかりした防振機構、程よい重量、などなどスペック的には35cc以上の標準クラスであるのにウソみたいに安い。便利なハードケースまでついているのに、同クラス帯ではほぼ最安商品だ。
「つくりがとてもアメリカン」「長時間のハードな使用には向きません」とまるですぐ壊れるかのような商品説明で売られてあって購入を迷ったが、休日にしか使わない「サンデー玉切リスト」の私としては、今のところ5年目で何の不足もない。エンジンもすぐかかるし、壊れず文句言わずしっかり働いてくれている。
ただし、私の使い方は購入した原木の玉切りだけだ。2mあまりの原木を平坦な土場でカットするのみ。
作業するペースは半日やって平均2トン。
疲れを計算に入れて1日で3トン、2日で5トン。
それを年2回行って合計10トンの薪づくりならば、年間たった4日分でチェンソー仕事はおしまいなのだ。たまに臨時収入があって果樹園やチョイ切りに行くけれども、おそらく1年で7日に満たない。私のチェンソー仕事はこんなものなんだな。
「家庭での薪づくり、短期集中の一発仕事に最適」、まさにそれだ。
こんなことを書いた途端、次の休日で壊れない保証はないけれども、がんばれカーツポーランCS220。
ちなみにそんな使用状況だから、ガソリンは写真のような20リットル缶では大きすぎた。10あるいは5リットル缶に5リッターあれば1年こと足りる。混合比は40:1だから、エンジンオイルも年にわずか125ml。チェンソーオイルはガソリンと同等の5リットルくらいは用意するけど、どちらも余るね。
「サンデー玉切リスト」の私の場合はこんな感じだ。
5年目の薪づくり2
ここは自宅からクルマで20分の薪置き場。薪はここに積んで乾燥させる。
薪の長さは50cm。これまで40cmだったが今回からサイズアップして切ってみた。アンコールは仕様で最大50cm、入れようと思えば55cmまでギリギリ入るからね。
長くて取り扱いにくいとか、女性陣には重くて負担だなど不都合もあるが、アンコールの炉内を最大に使うことで燃焼がどう変わるか見てみたい。薪の体積が単純に1.25倍になるのだが、結果的により少ない薪の量で燃焼効率を稼げるのではないか、なんてことも考える。これらは次のシーズンのお楽しみ。
50cmの玉はさぞや薪割りに苦労するかと思ったが、写真のような曲がりも節も少ない素直な玉ばっかりだから、割れる割れる。あの重厚な手応えで思うように割れるので楽しくてしょうがない。
それに4トンを40cmで切って満杯だった薪棚は、1.25倍の50cmで切るなら5トンが入る計算になって、「増量」の妙なお得感?いっぱいだ(笑)
購入した原木にはそのたび比率は違うがナラとその他の広葉樹が混在する。今回はサクラ、シラカバ、ハンノキ、クリ、ホオノキ、ミズメ、キハダ、などを見かける。他にも見分けられない木がまだあり、これらを一つ一つ覚えられることも薪づくりの楽しみなんだな。
5年目の薪づくり
5年目の私の薪づくりはこんな感じ。1シーズン少なくとも8トンの薪をつくるが、だいたい年2回に分けて薪づくりをする。
(1)前年の11月頃
・・・・原木4~5トンを買ってチェンソーで切って割って薪棚に積む
・・・・焚くのはシーズン前半(10月~1月)
・・・・乾燥期間は約1年、冬越えの薪だ
(2)その年の4月頃
・・・・原木4~6トンを買ってチェンソーで切って割って薪棚に積む
・・・・焚くのはシーズン後半(2月~5月)
・・・・乾燥期間は約10ヶ月
あとは不定期の入手だ。こちらはタダ。果樹園の剪定だったり、あるいは知人の紹介の山、たまたま街路樹の伐採を見かけたり、なんだかんだと手に入れる。
図にまでして計画的だと人は思うのかもしれないが逆だ。実はとってもズボラしたいので滞りなくサッとやってしまってあとは何の心配もなく暮らす。私は勤勉なアリじゃなく、楽するためのアリ、いや工夫するキリギリスが正解かな。
とかいいながら、下の写真はこの4月からゴールデンウィークにかけてしている5トンの薪づくり。次の冬の後半(2011年2月以降)に焚く分だ。ふうふう言いながら薪を割り、ひたすらに積む。腰痛に苦しんだ昨年から電動薪割機も併用しているが、グレンスフォシュを振り、疲れたら座って電気を使い、黙々と薪を積む。そんな作業してるのが好きでたまらない。たぶん動けるうちは一生やると思う。
ちなみに私は普通の勤め人でいわゆる「サンデー薪割り人」。休日を待って「さあやるぞ」と半日あるいは1日みっちりと作業するがいつも翌日は筋肉痛で大変(笑)。どうせ連日作業をし続ける体力はないのだから、休日ごとの「サンデー薪割り人」が私にはちょうどいいんだな。
5年目のアンコール3
5年目のアンコールで気になっているのが、薪ストーブ本体の気密だ。グリドルやフロントドア、ダンパーなどの可動部なら、ファイバーロープの交換や調整で密閉度を確保する。しかしそれ以外の要するに鋳物と鋳物、パーツとパーツのつなぎ合わせ。それは耐火セメントで接着されているから、年数が経つにつれセメントが剥がれたりパーツが変形して、空気が通る「すき間」が生じてしまうことがあるというのだ。それをシーズンオフに点検して、必要があれば耐火セメントの再充填つまりコーキングしたりするんだな。
折しも、5年目のシーズン途中からアンコールの炎のゆらめく様子が少し違ってきた。空気を絞っての巡航運転は絹のような炎が数本立ち上るか、オーロラとなって揺らめくか、空気の絞り方でそんな燃え方ができるのに、炎はいつまでもせわしなくたなびいて、これは高い気密の中で燃える炎ではない。空気がどこからか入っているか、どこからか抜けている、、、?。
そういえばバックパフにも久しくお目にかかってないなと思いつつ、ダンパーやフロントドアの調整、ファイバーロープのへたりをチェックしながら観察を続けるうちに、もしやアッパーファイヤーバックと本体のすき間に空気の漏れがあるのでは?、と見当をつけた。
炎がどうも吸い込まれるように見える様子とか、煤のつき具合などでそう考えたのだが、しかし見当違いだったら無駄に耐火セメントを盛ることになる。とりあえず、試しに余ってるファイバーロープを充填してみることに。ホームセンターの安価な耐火ロープ。それをすき間にギューギュー詰め込むという、とってもアバウトな処置。ロープは長くて余るので、2重3重にあるだけ詰め込む。空気が止まれば何だっていいのだ。エエイ、剥がれて落ちてた耐火セメントの破片も詰めてやれ(笑)。
ところがまんざら的外れでもなかったようで、絹のように、時にはオーロラとなって燃える炎が戻った。空気レバーの絞り幅が断然増え、気密が改善したとを感じる。なかなか具合がよろしい。
なんてアバウトな話か(笑)と思いつつ、これはシーズン中に試した応急処置の話。5年目のシーズンオフは念入りにチェックしてバッチリ気密を高めてやろうと思っている。
5年目のアンコール2
下図はこの5年間、シーズンオフとともにアンコールにしたメンテナンスだ。
ただ、これは私の場合であって、特に○と●の内容は普通はこんな短期間で交換するものではない。
慣れていない最初の3年をガンガンに焚きまくった私は、○コンバスター交換が2年連続した上に、●5年がメドとされる二次燃焼ボックスやアッパーファイヤバックの交換を3年目でもうやっている。いや、いま思えば2年目あたりですでに交換の必要があったかも。過去に何度も書いたが、炉内いっぱいに薪を詰め込んでガンガン「高出力」で燃やす焚き方が主な原因に違いない。詰め込みすぎの高温による消耗や変形で燃焼効率が悪くなる、→暖かくない、→もっと焚く、→さらに消耗する、→暖かくないからもっと詰め込んで焚く、→壊れる。いくら消耗品とはいえ、この悪循環スパイラルが交換を早めた。
だが、焚き方を覚えて慣れた4年目からはバッチリ。二次燃焼のモニターという実験も功を奏して、5年目の今年はより少ない薪でより適度に焚いて、なおかつ家じゅうをぽかぽかに暖められる。スロートフードが赤熱することくらいあるが、コンバスターを点検してもそんなに壊れていない。おそらく6年目の来シーズンも使えるんじゃないか?少なくとも即交換ってことではなさそうだ。毎年バキバキにしてた私もそれなりに学習効果はあったってことだね(笑)
久しぶりにファイヤーサイドのサイトでアンコールの記述を見てみる。「薪が一度にたくさん入るから長時間燃焼が可能」というかつての記述は見あたらない。いまは「少ない薪で長時間の燃焼が可能」を強調している。まったくだ。
5年目のアンコール
ホーローのアンコールが5年経つとどうなるか。
1年目「ホーローは欠ける」、2年目「ホーローは欠ける2」で書いたように、5年経っても思うことは変わってない。「暮らしていれば当たり前に古くなっていく」程度の欠けが5年分になるだけ。よく見るとちらほら欠けを探すことができるが、言わなきゃ気づく人もいないし、いまのところ何の問題も不都合もない。あるとすれば、欠けた部分にサビが出るだろうということと、そこからホーローの剥がれが拡大するかもしれないということ。ちゃんとパテで埋めて塗料を塗るホーローの補修方法があるから、いつかの時はそうしよう。
ホーローが欠けることが許せない人もいると思うが、床の間の飾り物とは違うので、使っていれば必ずホーローは欠ける。新築住宅が10年、20年経っても新築ではいられないのと同じ。
でもホーローの美しさは変わらない。光沢が失われるとか、色があせるとか、くすんで見えるとか、それはまったく感じない。冷えた時に濡れ雑巾で拭けば、ホーローはいつでも美しい輝きを取り戻す。
ところで、私のアンコールは5年目から「ウィンク」しはじめた。アンダイアンの片方が半分欠けてまるで「ウィンク」してるだろう?かわいいやつだ(笑)
メンテナンス時に割れたのだ。輪っかについた灰を落とそうとアンダイアンを手に持ってコンコンとグレート(炉床)を叩いた。灰を落とすだけのほんの軽い、ほとんど無意識の行為だったが、コン、のひと叩きであっけなく割れてしまった。気をつけたまえ。
割れた破片を耐火セメントで接着してはみたが1ヶ月と長続きしなかったよ。
シーズン5年目
私もそろそろ「ビギナーズ・ハイ」を過ぎたろうか。
「ビギナーズ・ハイ」=(初心者の興奮状態)ってやつだ。
「初心者に一番近い経験者」たらんとして始めたこのブログだったから、実は3年くらいで終わると思っていた。趣味や日記はでなく、ただ情報として初心者の疑問を整理したいと始めた。だから初心者でなくなったら書くことはない。
でも人生はいつだって「ビギナーズ・ハイ」。そのくり返しと積み重ね。きっと10年、20年たっても薪ストーブに何巡目かの「ビギナーズ・ハイ」、奥さんにも「ビギナーズ・ハイ」
、、、、だったらいいよね、笑。
さて、シーズン5年目。
すっかり慣れて、薪ストーブの暮らしは空気のような当たり前の毎日だ。
8トンの薪づくりは自分なりに確立したし、焚き方も定まってきた。暖かいし、寒い思いはしない。慣れた分だけ早起きもしなくなったし、無駄に働きもしないしマメでもない。二次燃焼もさほど気にせず、放射温度計とか二次燃焼のモニターとか5年目は一度もしていない。興味がなくなったとか愛情がなくなったという意味ではなくて、それがごく普通の「暮らし」というものだ。
少しずつ、気が向いた時に書いていこう。