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アッパーファイヤーバックの交換
これからするアッパーファイヤーバックの交換は以前シーズン7でした経験が元になっている。重複するからあの年のメンテナンスを合わせて参考にするといいね。全部の流れが読める。(「シーズン7のメンテナンス」)。あとパーツリストも必須だ。(ファイヤーサイド社「取扱説明書」アンコール #2550)
なんと言っても天板が外せるのがいい。アンコール触媒機#2550は天板を外すことで普通のメンテナンスが可能になる。私は「シーズン7のメンテナンス」でアンコールの天板をファイバーロープ化したんだが、もう作業性が悪いなんて言わせない、楽勝。薪ストーブのカスタマイズ記事は書かない私だけど、この「天板のファイバーロープ化」はオススメできる。すでに旧モデルになったことだし、やればメンテナンス性が遥かに向上するよ。
さて、なぜ交換のタイミングかといえば熱による変形が進んだからだ。画像のように下方向に膨らんでる。二次燃焼ボックスを歪めてしまうしダンパーの気密も怪しい、スロートフードはすでにはまらない。騙し騙し使ってきたがここが限界だ。
交換するアッパーファイヤーバックはアッセンブリーで取り寄せた。アンコールのパーツリストでいう「A95(assy)」だね。注意すべきは背面の六角ボルト「C6」とワッシャー「C7」。消耗激しい箇所だからぜひ交換だが、これはアッセブリーに含まれない。別注文を忘れずに。ダンパーロッドに通すスペーサー「C11」とワッシャー「C27」も含まれない。パーツリストで確認しよう。また、ダンパーのファイバーロープは張られた状態で届くからこれは省ける。
作業の注意点としては、「アッパーファイヤーバック取り付けのミステイク」を犯さないこと。
- スペーサー(*)とワッシャーをダンパーロッドに通し忘れる
- 二次燃焼ボックスをあらかじめ据えておくのを忘れる
- 耐火セメントの量が十分でない
ミステイクはこの3点だ。難しいことはない。画像のとおり。耐火セメントを盛りに盛って一気に取り付ける。
その際、本体をベルトで締めておくこと。背面のボルトを外すとバックパネルがフリーになって、いつ剥がれたり倒れたりしないとも限らないからね。私の場合は画像に映ってる黄色いベルトのことだね。薪棚やウッドデッキの歪みを直したり、もしかしたら災害時も役に立つかも、なんて買ったよ。8mあるはず。
(*)スペーサー「C11」だけど、パーツリストで見ると、スペーサーはサイドパネルの外側から挿入する順序で書いてある。両方シミュレーションしてみたが、外側からの方が適正な位置を確認しやすかったので私はそうした。その際、スペーサーとワッシャーの間の遊び(隙間)が気になり、ワッシャーを2枚多くかませて調整したよ。
condarのコンバスター2
まずコンバスターだ。2012年の冬から4シーズンを焚いたコンバスター。この状態、どうだろう?全然オッケーだよね。外枠が少し曲がっている。上下逆にセットすれば実にキレイなものだよ。
こいつは2012年8月のコンバスターのリコールで無償交換としてファイヤーサイドから直送されたもの。(「コンバスターのリコール2」)
ファイヤーサイドからしかもリコールの補償だから、品質と信頼はこれ以上ないはず。そしたら案の定、これが壊れない。4年使ってまだ使える。そんな気がするとかの話じゃない、キレイな様子は一目瞭然。あれだけ1年や2年ですぐバキバキに壊していた私がだ。
じゃあ、それまで使ってたコンバスターっていったい何者?当然の疑問だよね。
まあ、どの業界だってそれぞれ事情があって、我々ユーザーは提供される薪ストーブの暮らしを有り難く享受するのみ。ただユーザー側にも希望はある。
アンコール触媒機の場合、コンバスターが壊れるからそのせいで二次燃焼ボックスも壊れて、交換にはアッパーファイヤーバックを外すという作業を強いられる。アンコール触媒機のデメリットの多くがコンバスターに起因するのだから、もし入手するコンバスターによって品質が違うのだとしたら、正しい情報をもらって品質のいい丈夫なコンバスターを買いたいと考えるのは当然だよね。
かつて2000年代のある時期、原材料の高騰から低品質のコンバスターが出回ったという話があった。実際2012年にはリコールもあったが、リコール情報が出るということは品質管理ができてることだから、2016年現在は10年前のような状況でないと思いたい。でも私がバキバキに壊してた2000年代中頃、やはり壊す人が続出して、反ったり曲がったり溶けたり、信じられない壊れ方の画像も見た。むろん焚き方に問題あるとしても、もしかしたら低品質のコンバスターゆえに毎年壊れ、しかし何も知らず疑うことなく、結果的にする必要のない苦労を強いられてたアンコール触媒機ユーザーはいるんじゃないのか?
このコンバスターを見てるとそんな想像が止まらない。私もその一人だったのか?
ファイヤーサイドでのアンコール触媒機用コンバスターの品番は「30001152」。2005年に私が導入した当時から品番は変わっていない。本家米国のcondar社のサイトでは「CC257」が該当すると思われ、「30001152」はそれが日本で流通する際の品番であろう。
そして私がリコールで補償してもらったcondar社のコンバスターに「30001152」の品番は見つからなかった代わりに「CC257」も書いてなかった。私は次回も同じものを指名買いしたいが、果たして「30001152」でいいのやら、それまでに確かめたいと思っている。
私はただのユーザーなので事情も知らず情報も持たず好きに書いてる。とっくに既出の話かもしれないし全然的外れかもしれない。そもそもすでに型落ちした旧モデルだ。関心も薄いだろう。
最後に、商品を提供する側はものすごい努力と交渉を重ねて我々の元にコンバスターを届けているのだということは十分理解している。私は知りたいだけ。薪ストーブの暮らしが好きだからね。もう10年たつ頃、私の理解ももっと進んでるといいね。
12年目のメンテナンス
さて夏休みのある日。12年目のメンテナンスをしよう。私が焚いているのはバーモントキャスティングス社のアンコール触媒機モデル#2550だ。
メンテナンスのメニューはだいたい決めてある。今年はアッパーファイヤーバック、ロアーファイヤーバックの交換。使用年数はアッパーファイヤーバックが8シーズン。ロアーファイヤーバックは11シーズン焚いて初めて交換する。
薪ストーブの導入以来、大きな出費を伴うメンテナンスはざっくり上の通り。
コンバスターの交換がやたら多いね。導入時を含めて11シーズンで5つも使ってる。1年や2年でバキバキにしてきたことはさんざん書いたよね。平均すると2年そこそこで交換してることになるが、もちろんこれは私の場合であって誤解のないよう書くがこれは異常だよ。その証拠にある年から壊さなくなった。今のコンバスター(セラミック)は4年使って壊れない、まだ使える。そのことは別の機会に書こう。
ほかに目立つのはシーズン4のフルメンテナンス。まだ3年しか焚いてないというのに、二次燃焼室を総取り替えしてる。いくらアンコール触媒機は手間も費用もかかるとはいえ、これもレアなケースだよね。原因は焚きすぎ。何もわからず薪を目一杯詰め込んでガンガンに焚いてた。まるで耐久実験だ。その後、自分なりに学習効果もあり今では普通に焚いて普通に暖かく暮らしてる。
こうしてみると、手間も費用もかかるアンコール触媒機#2550だけど、焚き方にも慣れ、すぐ壊すコンバスター問題も解消したとするなら、私自身についてする見込みはこうだ。コンバスターなら5年でひとつ交換。アッパーと二次燃焼ボックスなら7〜8年間でひとつ交換。ロアーファイヤーバックなら10年は使える。
もちろんこれは私の場合。短い長いは人それぞれ。予防的に短い周期で交換してる人もいれば、10年以上何もしたことがない人だっているだろう。みなそれぞれの焚き方と環境で自分なりの見込みがある。私はこれからの10年はこんな見込みでいる。さて作業を続けよう。
10年ひと昔
私が薪ストーブの導入を考えていたのは2000年前後のこと。あの頃って、薪ストーブに関する情報をどこから入手していたんだろうね?
もう忘れてる部分が多いが、たぶんほとんどが紙媒体で多くが書店で買う住宅関連本の記事や広告でなかったろうか。当然それらは「家を建てる」ためのもので、「薪ストーブだから雪国でも吹き抜け空間が可能になる」みたいなフレーズと理想の空間が載ってて私の夢は膨らんだものだ。「木の家&吹き抜け&薪ストーブ」特集がたびたび組まれ、そんな住宅情報誌を何冊も買った記憶がある。
薪ストーブ選びの導入本みたいなのも買ったな。欧米の薪ストーブスペックが一覧になってて薪割りから焚き方やメンテナンスまで載ってたけれど、やはり夢を膨らませることの役には立ったが導入後はまず開いていない。
現在、2016年は当時と比べ物にならないほど薪ストーブの情報は増えた。薪ストーブ自体の数や種類が増えてるし、なにより紙媒体をしのぐネットの力は大きいよね。焚きながら暮らしながらの情報交換が双方向だものね。しかもその表現力や発信力は大したもので、たくさんの評価を集めるブログや、実際に人を集めて動かしてる人もいる。何より一番いいなと思うのは、つくる側、売る側、施工する側の情報提供しようとする姿勢が年々進んでいること。10年前の比じゃないよね、ずっと上手になった。Webデザイナーを雇って自社サイトの充実は当たり前としても、不確かで偏った情報を整理してわかりやすく提供しようとするのはユーザーは大歓迎だ。メーカーの出す情報や、地方にあるたくさんの創意工夫、また課題や相違点等がどんどん整理されて「全国でもまれて」フィードバックしながらある程度陳腐化して見えるほどのシンプルさに昇華されていけばいい。普及とか汎用化って大なり小なりそうだと思うんだ。
薪ストーブに「業界」や「市場」「文化」ってものが成立してるかどうか私は知らないがあるとするなら、ユーザー・メーカー・業者・官民含めてまだまだ未成熟であることは誰も異論がないと思う。薪の供給だっておぼつかない。10年ひと昔、そしてここからの10年後がまた楽しみだ。
- 80年代、黎明期
- 90年代、第一世代
- 00年代、第二世代
- 現在は、第三世代
これは私(ユーザー)から見た普及度合いのイメージ。勝手な私の括りであって、人に話して笑われても知らんが、2020年東京オリンピック後、第四第五世代の薪ストーブ事情はどうなってくだろうね。個人的には技術革新による国産薪ストーブのベストセラー機が出てることに期待してる。それまでの第一第二第三世代なんか所詮「旧世代」とひとつに括られちゃうくらいの革命ね。もちろん焚くのは薪。工業化された木質燃料じゃなくてね。
とにかく、長くやっていれば振り返っても楽しいし先を見ても楽しい。薪ストーブを焚く人は楽天的な人が多いというが、自分について言えばその通りかもね。
追記する。
上に書いた年代の話は「ここ20年ほどの欧米から輸入された薪ストーブブーム」を指している。まさかとは思うけど、日本の江戸や明治から続く薪ストーブの歴史と勘違いして笑われないように。「ストーブ博物館」とか紹介したようにそこは踏まえておこう。
日本にも昔から薪ストーブがあり暮らしがあった。だが薪や石炭は電気に代わり、ガスや原子力になった。日本のほとんどの一般家庭では火を焚く暮らしをしなくなった。
そこに現れた今の薪ストーブブームだ。中身はどうあれ、薪ストーブが増えていることに間違いはない。その今のブームがどう変化してどう定着していくだろう、ってその話だね。
シーズン12
シーズン12年目を迎えている。導入当初の右往左往や試行錯誤は過去記事で書いてきた通り。今では薪を焚く暮らしはすっかり定着してそれが当たり前の毎日を送っている。薪を割り、薪を積んで運んで、寒くなれば薪を焚く。あれほど不思議だった数々の疑問も疑問でなくなってる。解決したとかでなくそれはただ単に「慣れた」の一言で片付けていいんだろう。10年という時間が何よりの先生であり教科書であり、それなり一日一日積み重ねてきた結果なのだろうが、すべては10年ひと昔。実に楽しく実に面白い毎日だった。
って、それがまだまだ続くのだぞ、笑。相変わらず薪を割り、薪を積んで運んで、寒くなれば薪を焚く。このブログも最初の10年を第1期とするならそれは「導入から定着まで」。ここからの第2期はどうだろう。私の50代と大半が重なるし今までになかった変化もそりゃ起きるだろう。年齢からくる体力の問題や次世代(子ども世代)への受け渡しもまったく考えないわけにいかない。
30代40代の薪ストーブライフと50代60代の薪ストーブライフはどうなんだ?少なくとも自分は変化していく気がしてる。そのあたりが楽しみかな。
I have a dream
I have a dream、ではないが空想することがある。昔はどの家でも火を焚いて暮らしていた。未来もそうなればいいのに、という夢のお話。
いまの文明が崩壊でもしない限り、現代が昔のような火を焚く暮らしに戻ることはなさそうだ。でも環境への意識の高まりや自分の暮らし方について、本当の豊かさを手に入れようとすることへ「前進」することはあり得るだろうと思う。
なんでもかんでも経済優先で効率的でなくていい、得しなくていい、消費も少しでいい、人々はもっとおおらかにゆったり仕事して、知恵も甲斐性も感受性もたっぷりに四季の暮らしを楽しんでる。未来は上向きのらせん階段を上っていくだけじゃなく、もっとそれぞれに広がって充実していくものであっていい。後戻りでなくそれはきっと前進なんだろう。
いつか、日本は今よりもっと森と木を活かして暮らす国になってる。一戸建て家庭の半分は薪ストーブだ。伐採~植樹再生~管理保全のサイクルが官民で成り立ってるから薪の調達に心配はない。森林資源は循環してる。もちろん薪のためというより林業が力強く復活してて、木質エネルギーの活用という部分で米のごとく生産されてる。
その頃には薪やペレットをはじめ太陽光発電や風力水力など家庭に供給するエネルギーはどの自治体でも自給を実現してる。企業もNPOもあらゆる人が参入してる。どんぐり銀行とか、りんごの木ならぬ薪の山オーナー制度とかとっくに全国に展開してる。誰もが薪を必要としているわけで需要には供給を。ソニーが森林育ててユニクロが製材してローソンが加工してても驚かない。日本は森林資源活用の国になってる。I have a dream.
日本製の薪ストーブが大ベストセラーとなり普及の起爆剤となる。技術がそれを可能にする。知識やスキルの壁は日本のものづくりが解決。そもそも、その頃は家庭の半分は薪ストーブで育つ時代だ、火の扱いに関する注意など釈迦に説法。建築法や排煙規制、消防法など薪ストーブに関する法整備も整ってる。こいつは窮屈なものでないことを祈るが。I have a dream.
薪ストーブは使い易く安全で安価、どの家庭のリビングでも当たり前の光景だ。昔で言えば釜戸や囲炉裏、現在でいう炊飯器やキッチンのように。
薪ストーブを活用した住宅ができる。ペチカのように家と一体化した薪ストーブ住宅が建つ。オンドルのような、あるいはソーラーと連動するものもある。
熱も排煙も取り出して活用し発電だってする。エコファンはとんでもなく進化する。
贅沢品・男の逸品として趣味の薪ストーブも存在し続けるが、薪ストーブは暮らしだ。生まれた時から薪を焚いて火のある暮らしで育つ、世の中はそういうものであるといい。I have a dream.
いやこれはキリがない、やめよう、笑。
このように私は空想非科学研究所の構成員でもある。一切が戯言であるからツッコミは無用だ。
薪の量
決してヒマではないのだが、薪の重さを量ってみた。今まさに焚くための薪。乾燥期間は1年から1年半。長さは45cm前後。ナラでの比較だ。
いったい自分は一度に何kgの薪を入れてるんだろう?大割、中割、小割とは私のつくった薪の場合は何kgなのだろう?興味はそんなところ。
大ざっぱな私の区分としては、1~2が小割、3~5が中割、6~7が大割、というイメージかな。写真の通り。あくまで私のイメージだ。
それにしても一本一本は意外と重量がないものだな。乾燥してるんだから結構なことなんだが、メインと思って主力で焚いてる「4」「5」の中割も1.5kgほどでしかない。欲をいえば2kg前後の中割がもっとあってもいいかな、なんて次シーズンの薪づくりはそうしよう。
燃えてるアンコールに薪を追加するイメージで、一度に入れる薪を並べてみた。
「1」「2」「3」「4」「5」で、5.8kg
あるいは、
「1」「2」「4」「5」で、4.6kg
1月2月の一番寒い時期に入れてる量はだいたいこんな感じ。だいたい5kg~6kgというわけ。意外だ、もっと重量があると思ってたよ。かつてはガンガンに炉内いっぱいに詰め込んだものだが、それに比べて近年の私は少ない薪でスッキリ焚こうとしてるのは本当なんだな、笑。
ちなみにアンコール触媒機#2550は仕様では18kgの薪が入って9〜10時間という最大燃焼時間だから、その3分の1の6kgを入れたら燃焼時間は最大で3時間強。計算はだいたい合うよね。そんなところだ。
長めに火持ちするよう大割を混ぜても、6.8kg。
くり返すがこれらは1月2月の一番寒い時期に入れてる例であって、当然場面に合わせて増減する。
秋や春先なら「1」「2」あたり数本で3kg程度だろうし、特別たくさん入れる時は「4」「5」「6」「7」あたりで8~9kgになるだろう。
連続運転してて熾きがたくさんあるなら小割は省くかもしれないし、家じゅうすでにポカポカなら中割を2本だけ、あるいは長時間燃焼のために大割で「小」の出力でゆっくり焚くかもしれない。さらにナラだけでなく他の広葉樹(雑木含む)も焚くからバリエーションは数限りないね。
いずれにしても場面場面で欲しい出力や燃焼時間は、入れる薪の量や樹種、サイズで決めてるってことだ。空気レバーはそのあとでの調整。
入れてる薪が6kgというなら3kgの大割を2本入れたらどうだ?、、、っていう流儀の人もいるだろう。住む家もストーブも人それぞれだ。
私の場合は空間が広いから常に「大」の出力で焚いてないと寒い事情がある。そのせいなのかさんざんコンバスターをバキバキに壊してきた。だからコントロールしやすく、焚きつけてすぐ「大」の出力をだせるよう中割と小割メインで良く燃やす焚き方になってきたんだと思う。
まあ、たぶん私は経験とともにいろんな焚き方をする。いまの焚き方に満足したら次は違うことしてるかもしれない。興味は尽きないってとこだね。
灰の出る量3
写真は9年目の今年、シーズン前半を焚いて出た灰の量だ(2014年2月4日立春)。
一斗缶(18リットル缶)で0.9個分くらい。まだ満杯になってないね。あとは炉内と灰受け皿に溜まってる。写真以外に取り出した灰はない。1シーズンで8〜9トンを焚く私だから、ここまでで4トンは焚いてこの灰の量ってことだ。
多いのか妥当なのかわからない。他人とは条件が違う。ただ自分との比較でいえば、あきらに以前の半分以下あるいは3分の1、いやもっとなんだ。
以前、 「灰の出る量」が疑問だった。まだ2年目の初心者の頃だ。自分でも遠い目になるがあれから7年たって、確かに経験が解決してくれたというか、今では慣れて疑問も疑問でなくなってる。
この間に何が変化しただろう。
意識できるところでは「良く燃やすようになった」。トロトロ燻らせたり空気を絞りすぎず、その薪の最大エネルギーを全部取り出す(ような気持ちで)よく燃やす焚き方になってきたこと。
次に思いつくのは「灰の面倒をみる」。単に灰をイジるだけでもかさが減って溜められる量が増える。最近私がよくやっているヤツだ。(「焚きつけの日常3」)
使ってるフライ返しに意味はないからそこは目くじら立てない。ふるいにかけてサラサラの灰から燃え残りや塊を選り分けるのに便利ってことだ。で炉内の両端にサラサラの灰を。燃え残りは中央で種火となってくり返しくり返しよく燃やす。やるとやらないでは灰を溜められる量が違うように思う。最終的に同じ重量でも体積が減る(かさが減る)ってことだ。
あとはハード的にメンテナンスや消耗品の交換が普通にできるようになった。一部には二重煙突も入れた。
今書けるのはそんなところ。いずれにしても慣れたってことだ。ひと言でいえば。
9年目の現在、灰の出る量はこんなところだ。
コンバスター点検3
お正月休みにコンバスターの中間点検をしたよ。毎年恒例だ。
9年目の今年はコンバスター清掃用のブラシを作った。スロートフードだけ外してそこに見える隙間からコンバスターに積もった灰を掃除するんだ。
まず点検鏡で様子を見てみよう。点検鏡はこちら。
コンバスターはセラミックだね。カメラがしょぼくて撮れないが、コンバスターの表面に灰が積もり始めてる。それが焼かれて焼かれて塊になってコンバスターを塞いでいくんだろう。
最近私は炉内の灰をイジることが多いからどうかと思ったけど(「焚きつけの日常3」)、影響あるのかどうか判断つかないよ。例年より多いという印象はない。私の場合、毎年これくらいが普通だ。
どっちにしても掃除だ。できるんだからしてみよう。
毎年のことだからいつか作ろうと思ってた。上の写真の通りだ。小ブラシとアダプタは市販のキットを流用。シリコンチューブと継手(ブラシを直角に取り付けるためのアダプタとして)はホームセンターだ。
コンバスターの上の空間は高さ5cm。よってブラシはせいぜい4cm程度の高さに抑えなきゃいけない。ブラシを直角に取り付けるための継手も短く切断してある。
コンバスターを傷つけないようホースも極力柔らかく。ホームセンターでみてたらシリコンチューブが一番柔らかそうだった。
吸引力が強すぎてもいけないから弱めに加減する。キットのアダプタは空気の調整穴がついてるんだ。
セラミックは華奢だから慎重に。ブラシも横方向に掃いたり擦ったりしない。ポンポンと触れる寸前の上下運動だけで灰を吸い取っていく。シリコンチューブが柔らかいので微妙な手さばきが可能だ。思ったより具合がいい。
あっというまに完了。キレイなハニカム構造が確認できる。割れも欠けもないのが嬉しい。このコンバスターは2年目を焚いてるんだが、こうやって点検&掃除していればどのタイミングでどう消耗していくのか、あるいは壊れていくのかが観察できるかもしれないね。
こうしてシーズン途中の掃除が可能であれば、思いつくのはステンレスの金属コンバスターだ。アンコール用はまるで廃盤扱いになってしまったが、その原因のひとつ「灰詰まり」はこれで解消できないのだろうか。ステンレスの性能は魅力だし、セラミックのように横方向に膨らんで二次燃焼ボックスを壊すことがないならかなり有り難い。
ま、そんなことはともかく現在のセラミックコンバスターはこのように健在なのだし、この調子で4年5年と自己最長記録を目指そう。
焚きつけの日常3
正確には薪の追加なんだが、記事の流れで載せておこう。
その時グリドルの中央に置いた温度計は200度近くまで下がってる。それまでは300度台でガンガンに燃えていた。本来ならガンガンに連続運転したければ300度を下回ったあたりで薪を追加するだろうし、たいていは250〜260度前後で追加してると思う(グリドルの温度計でだ)が、この時は追加するタイミングが遅れてるね。さあ次の薪を入れることにしよう。
でもその前に、最近の私は灰の面倒をみる。とくに冬休みなんで朝から晩までひっきりなしに焚くだろう?。炉内の灰もたまり放題だ。こういう比較的低温のタイミングの時にやるんだ。
灰の面倒ってなんだ?ってわけで、これはTipsでもどこかの知恵でもない私のただの作法?流儀?みたいなもの。人によってはごくろうさんな労力と思うだろうし、関心のある人には興味があるかもしれない。
要するに、溜まった灰をまぜたりならしたり、熾きを集めたり広げたりして、灰床を整えてるわけだ。灰床とは思いついた言葉だけどまあ畑の土みたいな、囲炉裏の灰を整えてるみたいなイメージ。
でもこれをするようになって灰の出る量が減った。炉内に灰を溜められる量が増えたということかな。単にかさが減るって感じ。
使うのはなぜかフライ返し。灰専用に置いてる。灰スコップじゃデカすぎるからさ。
これで新鮮な空気といっしょに灰床を混ぜ、埋もれた燃え残りを掘り出して集める。写真では灰に比べて熾きや燃え残りばかりあるように見えるね。でもサラサラの灰が確実にたまっていってる。こうしてくり返しくり返し燃やしてサラサラの灰床になってくれないかな、というのが思いつきの最初なんだな。
灰受け皿はどうしたって?今シーズンは開かずの皿になってる。まさに一度も開けてない。ファイヤーサイドがオーブンプレートを発売すると知って、#2550アンコールも対象だと知って、じゃあ#2550アンコールの燃焼に灰受け皿は必ずしも標準の仕様でなくていいってことだ、当たり前に理解した。フライ返しをグレートの隙間にねじ込んでこれでもかと灰を詰め込んであるよ。サラサラの灰は圧縮されるのかね。かまえばかまうほどかさが減って溜められる気がする。
左右のサラサラの灰から熾きや燃え残りを中央に集め終わったところで、今度は薪を追加するために熾きを広げる。これだけあれば着火材も木っ端もいらない。風を送ってやればすぐ燃え上がって連続運転の開始だ。
薪を追加するたびに灰の面倒を毎回やるわけじゃない。連続してガンガン焚きたい時は温度を下げたくないからすぐ薪を入れるし、下の写真みたいに熾きがたくさんあるならこれ以上は触らない。基本、炉内の温度を下げるのは控えたいね。
追記だ。
#2550アンコールは触媒機だから、炉内の灰をやたらかまうと舞った灰が二次燃焼室に侵入してコンバスターに積もりそうだ。だから私はこれまで、灰が舞わないよう熾きは触らず、フロントドアも冷えた時以外はできるだけ開けないよう心がけてきた。同じような心配をしてるならやたら灰をかまうのは控えた方がいいかもしれないね。
なのにこの記事で私が盛大に灰の面倒をみてるのは、コンバスターに積もる灰が気にならなくなったからだ。シーズン中でもコンバスターを取り出さず掃除ができる。それは次回の記事で書こう。