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薪ストーブの過乾燥1
別に薪ストーブでなくても冬は過乾燥になるが、我が家の過乾燥も相当なものだ。デジタルの湿度計は1日中24%を表示したっきり。薪ストーブにヤカンをかけようが、洗濯物を干そうが、風呂場のドアを開け放とうが、夕食に鍋をやろうが、湿度計にまったく変化なし。その程度では我が家の空間に対して加湿量が全然足りてないということだ。
(写真は誰も在宅していないある日中の温湿度)
知られている主な過乾燥対策あれこれを挙げてみる。
- 薪ストーブにスチーマーやヤカンをかける
- 加湿器を設置する
- 観葉植物を置く
- 水槽を置く
- 洗濯物を室内で干す
- タオルを何本も濡らして部屋のあちこちに干す
- 霧吹きで壁やカーテンを湿らす
- 自分がマスクをする
- 雪で濡れた子供の靴やウェアを干す
- 風呂のドアを開け放ち、バスタブも開ける
- 水を張ったタライやコップをいくつも置く
- 室温を上げすぎない
- 家の換気量を減らす
- 薪ストーブを外気導入にする
- 石油ストーブや石油ファンヒーターを使用して水分を発生させる
などなど周知のものばかりだろう。
私の印象としては、閉じた普通のリビングで10畳とか20畳くらいなら上のいくつかを組み合わせて効果は実感できる思う。けれども当然だけど、10畳の部屋で加湿が足りても20畳の部屋ではその倍の加湿が必要であり、もっと広かったり吹き抜けがあったり家全体となればさらに必要だ。
我が家は抜き抜けを通して1階2階全部を加湿する必要があり、それには上のどの方法をいくつ足してもまだ足りないんだな。だから湿度計は24%のまま。
ただ仮にあらゆる方法で加湿がうまくいって湿度がアップしたとしても、そのぶん押し入れの隅で結露が始まったら何にもならない。痛し痒しでまさに兼ね合いだが、とはいえ24%は過乾燥すぎる。もう少し湿度を上げたい。
まずは我が家の空間はどれくらいの量を加湿すればいいのだろう?足りないのならあとどれだけ足せばいいのだろう?専門的な計算はどうしたらいいのかわからないが、私たちにもできる何か目安らしい目安はないものだろうかと考えてみたんだ。
シリーズ検索用:「薪ストーブの過乾燥」
コンバスター点検
たった2年でコンバスターを壊してしまった私だが、3年目の今年は新品のコンバスターになって快調だ。二次燃焼の暖かさが実感できるし、安定して燃えるので薪を消費するペースも目に見えて遅くなっている。
やはり昨年まではコンバスターの性能は相当落ちていたんだろうと思う。最後の方はバキバキに抜け落ちていたから半分も機能していなかったに違いない。
その新品のコンバスターだが煙突掃除のついでに様子を見てみた。10月初旬から焚き始めてわずか4ヶ月足らずの使用。しかし早くも変形、そして損傷が始まっている。
外枠が熱で曲がっている。ハチの巣状の構造もやや変形が始まり、一部分だが剥離やヒビが見てとれる。
まさか新品同様のままでいろとは要求しないが、正直なところ、ややモロすぎる気がしないでもない。この調子でいけば何年もつだろう?
コンバスターはまさに消耗品だ。こうして少しずつ劣化しながら徐々に触媒機能は低下していくのだろう。不活性化した場合は薬品に浸して活性化させる再生方法もあるらしいが、私のようにバキバキに壊してしまったらどうしようもない。モロ過ぎる二次燃焼ボックスといい、もう少し耐久性があるといいのだがな。
でも仮にまた2年でダメになったとしても、この暖かさと幸せが戻ってくるなら交換して全然惜しくないけどね。
煙突掃除3
シーズン真っ只中であるが比較的暖かな日を選んで煙突掃除をする。
詰まればもちろんだし、そうでなくても中間点検というか予防整備というか、10月から5月まで8ヶ月間も焚くとなれば途中で掃除してみるに越したことはない。
ただ真冬の最中に薪ストーブの火を落とすのだから、家の中は当然寒くていられない。やりたくても億劫な人は多いだろうと思う。
我が家の煙突掃除はごく一般的で、火を落として煙突を外し屋根の上からブラシで掃除する。
まずは鎮火に向かう炉内から熾きと灰をいったん取り除く。早く薪ストーブの温度を下げるためだ。自然鎮火を待っていたら何時間かかるかわからないからね。凍えてしまう。
熾きも灰も無くなった薪ストーブの温度は意外と早く下がるもので、最初200度あった炉内(スロートフードやロアーファイアバック)の表面温度も1時間もすれば素手で触れるほどになる。
それから本体からスライド部分の煙突を外して煤を受け止めるビニール袋を取付け、屋根に上がって掃除開始。
思ったより煤が多いようでもあり、これくらいが当然の量とも思える。私の環境でこの時期とすれば果たして多いのか少ないのか。そして煙突の引きに影響あるのかどうか。要チェックだ。
さて例の「煙突そうじ器」なるブラシで擦って煤を落とすのだが、我が家の屋根は勾配もゆるやかだし作業は楽。屋根に上がって掃除して降りてくるのに30分ほどだろうか。
取れた煤は大人の茶碗に2杯分くらい。
あとはさっき取った灰を炉内に戻して完了だ。さあすぐに焚きつけよう。
シーズン真っ只中でも比較的暖かな日を選んで煙突掃除。
覗いてみて必要なければ上手な焚き方や煙突の性能に自信を持てばいい。私も早くそうなりたいものだ。
シーズン3年目
1年目は初めてで右往左往。
2年目は試行錯誤。
3年目に慣れて、ここから本当の薪ストーブライフが始まる。
そんなイメージは最初から持っていた。
そもそも薪ストーブは単なる暖房器具ではなく「暮らしそのもの」だと思えば、新しい暮らしに馴れるにはそれなりの時間がかかろうというもの。新しく住む家であればなおさら。暮らしながらだんだんと馴染んで定まってくるのだ。
で、3年目の今年、我が家のアンコール(触媒機)は実に暖かい。
暖かくてすっかり満足してしまい、何も書く気にならない。焚いて焚いて飲んで飲んで、良い冬休みだった(笑)。
自分なりのコツ、暖かくなる焚き方が定まってきている。
例えばそれは薪を投入する量、タイミング、薪の配置であったり、空気の量、炎が回ったり温度の上がるのを待つダンパー操作のタイミングであったりする。
そうでない時はそうなるよう再現すれば暖かくできる。
良い薪を思うように用意できるようになったことも大きい。薪の重要性は1年目でイヤというほど思い知り、以後せっせと用意して乾燥させてきたのが、それが今年やっと焚けるというわけだ。
吹き抜けの大空間のこと、木の家特有のすきま風のこと、今も試行錯誤はするが自分の家であれば一生あーだこーだとつき合っていくのだろう。家づくりに100%の完成はない。
今、住み始めて3年経って少しは落ち着いた。
薪ストーブは燃えているか?
ああ燃えているとも。
その暖かさと幸せに呆けてしまいそうだ。
二次燃焼空気の給気口4
二次燃焼空気の給気口にあるフラップが温度上昇とともに「開く」としたら、それはどの温度域なのか?今までに温度上昇でフラップが開くのを見たのは1回きり。相当な高温の時だ。ならばそれを見るまでガンガンに焚いてみよう、と思いたったのが上の写真だ。
フラッシュをたいて撮影したにもかかわらずアンコールが真っ黒に写ってしまっている。いかにも熱そうだね。
トップの温度計は330度。放射温度計で測るグリドルは350度越え。煙突も350度越え。もっと高いのが二次燃焼室の側面で400度越え。再現しようと思っても滅多に再現しない(そこまで焚かない)高温状態だ。二次燃焼が盛んに起こっているんだろう。
この状態でバイメタルはおおよそ8時方向だ。写真で見る通り、吊り下げる棒(二次燃焼リンク)が上がってきてこれからまさに上昇に転じようとするところ。
ここから温度が上がれば、フラップはやっと開いていくぞ。
って・・・これ以上、もっと焚くのか??
これはコンバスターを2年でバキバキにした私が、焚きすぎだと感じる温度域だ。
ただ私の場合、二次燃焼室のサーモスタットの棒が燃え落ちて無くなりかけており、そもそもバイメタルが正しく温度を反映していない、という可能性がある。本来はもっと早いタイミングで8時方向に達するのが正常かもしれない。
だとしても、新品であろうが構造上フラップは8時方向まで閉じたままなのは変わりなく、多くの時間帯で閉じたままの一定量であることにも変わりはない。
では高温域になってようやく空気を増やし始める理由はなんなんだろう?
高温域で空気量を増やすということは、もっと燃焼を促進するのか、それとも過燃焼を抑えることになるのか、、、、、?
まあ、どっちでもいいんだけどね、あったかけりゃ(笑)
でも二次燃焼のしくみを知ろうと思ったら確かめておきたいところではある。
いずれにしろいろいろ観察したので新品に交換して比較をしようと思う。
追記だ。この記事から4年が経っている。(2011年10月)
最初の頃の私はガンガンに焚く傾向にあったが、二次燃焼室の温度をモニターするなどした結果それほどガンガンに焚かなくてもアンコールは暖かい、と理解するようになった。現在はたとえ一時的な実験でもこんな高温で焚くようなことはしない。
よって、高温になりすぎてバイメタルが開いていくというこの記事の現象は、あまり現れない方がよろしいのではないだろうか。オススメはしない。
フラップの動きは低温時の未燃焼ガスが濃い段階において、空気を多めに取り入れるもの。と今は理解している。
二次燃焼空気の給気口3
前回、「二次燃焼空気の給気口2」で意外なフラップの動きを書いたが、その後も観察していたらもっと不思議な動きを見てしまった。
アンコールをガンガンに焚いて二次燃焼室が高温になりすぎると、もちろんますますバイメタルは伸びていき、逆に今度は下(図4)のように給気口が開いていったのだ????
バイメタルが反対側までのびるくらい、スロートフードも赤熱して相当な高温になっている状態でのこと。イカン、イカン、高温になりすぎだと空気量を減らすところなのに、しかしフラップの動きは逆だ。さらに空気量を増やしてどうする。
あまりにアナログなバイメタルの動きはもはや笑ってしまうほどだが、これは設計上の正しい動きなのだろうか?
高温になりすぎるとコンバスターも二次燃焼室も壊れてしまうのだよ。
もっとも私の場合、温度を感知するサーモスタットがボロボロになっているから、今回の記事はまったく見当違いの可能性もある。
いずれ新品に交換してもう一度確かめてみようと思っている。
火おこし
焚きつけが大好きな私が興味津々なのが「ふいご」や「火吹き竹」だ。昔懐かしい風情に憧れるし、誰も起きてない朝の暗い中でひとり黙々と道具で火をおこす情景なんて、火の達人とも火の職人とも思えて自分もやってみたい(笑)
ずっとそう思っていて「ふいご」を探してみたり、「火吹き竹」を自作してみたりしていたのだが、夏にホームセンターのバーベキューコーナーでふと目に止まった商品がコレ。「送風de着火」という火おこしの便利グッズだ。
先端を握ってポンプを押す、おもちゃ同然の空気ポンプ。
500円だ。
面白いのは、コイツは押しても引いても風が出る。
押しても送風、引いても送風だ。
その時は半分せせら笑いながらお遊びで買っておいたのだが、シーズンインしてみたらこれが便利。火おこしで空気を送る道具としては必要にして十分。先端は細く風量はあるし、コンパクトで軽いし簡単。シュッシュッシュッと絶え間のない連続した空気が発射され、燃え尽きそうなサイコロ大の熾きでも集めてコイツで吹けばまた赤々と勢いを取り戻して炎を上げる。
風情などどこにもないが、重宝してしまったのだから仕方がない。
せっかく自作した「火吹き竹」も実は負けてない。風量でいえばこちらが勝つ。
ただやりすぎると酸欠気味になったりして、ついつい便利グッズの方が手軽で楽になってしまうんだな。
でも子供たちの前で「火吹き竹」の実演で焚きつけると結構喜んでくれる。
やっぱり楽しそうに見えるんだろう。
今そこにある煙
21世紀は環境の世紀だと言われて、まるでピンと来なかったのが2000年の頃。あれから10年ひと昔もしないうちに、地球温暖化は世界の一大事になってしまった。これからも危機感は高まっていって異常気象のたび、生活への影響のたび、もっと切迫した雰囲気になっていくんだろうか。
「みんなで止めよう温暖化・チームマイナス6%」みたいな動き(その事情や思惑、個々の主義主張は別にして)もこれからますます活発になりそうだ。
とにかく時代は「今そこにある温室効果ガスを減らしたい」のである。削減目標があって急務なんである。これ以上増やさないよう、出さないよう、電気消したり、水道節約したり、クルマに乗らないで歩いたり、レジ袋をやめたり、一つずつ少しずつなんとか減らしていこう、というのである。
だからこそ、薪ストーブの暮らしに意味があるのだが、しかしまだまだ薪ストーブへの理解は薄く誤解も多い。「木を伐って燃料にするなんて森林破壊だ」と実際に言われたこともある。近所にはニョキッと出てる我が家の煙突を差して、「あの煙を止めろ」「大気汚染だ」などと言ってる人がいないとも限らない。世間とはそういうものだし、言うか言わないかだけの違いで薪ストーブに否定的な人は案外身近にいるかもしれないのだ。
もちろん我々は、薪を焚いて出る二酸化炭素(以下CO2)は温室効果ガスと見なされないことを知っている。木が固定したCO2が燃えて大気へ戻るだけであって、CO2の総量は増やしていない。地球温暖化の論議の中でもそう認められているし、薪ストーブ(我々が使うような排煙基準をクリアした現代の薪ストーブ)を問題視する論調も識者の意見も見ない。メディアも薪ストーブには好意的な扱いだ。薪ストーブ万歳。
だからといって煙は煙、「今そこにある煙」だ。
人も住宅も多いのだから、減らせるものは減らせた方がいいに決まっている。昔と違ってこれは現代の事情なのだ。
近所に20年来の薪ストーブのお宅がある。その煙突からはどの冬も白い煙がモクモクと出ていた。
ちょっと多過ぎる。なんであんなに煙が出るのか、なんであんなに白いモクモクの煙がひっきりなしに出るのか不思議でならなかったが、この夏に機種変更か、煙突に関することか、何らかの工事を行ったらしい。薪ストーブや建築業者の工事車両がしょっちゅう停まっていたからね。
するとこの冬はずいぶん煙が減っている。モクモクの煙はなくなり、薄くわずかにたなびく程度。
何の工事をしたのか知らないが、「今そこにある煙」を減らすのはやはり気持ちの良いことなんだな。薪や焚き方でも改善の余地はありそうだと思ったわけです。
二次燃焼空気の給気口2
アンコールの本体背面にある二次燃焼空気の給気口。
今シーズンはなぜか黒い二次空気カバーを取り外したままで焚いている。
上の1枚目の写真は焚いてない常温での状態だ。
このフラップが下がったり上がったりして給気口の大きさが変わるのだが、フラップには裏側に小さな突起があり、それがストッパーとなって全閉にならないしくみになっている。
それが下の状態。フラップを指で下げてみるがこれ以上は下がらない。
これが給気口が一番小さく閉まった状態ということになる。
指が写ってなければ2つの写真の違いがわからない(笑)
このわずかな開閉で空気量にいったいどれだけの変化があるのだろうか?穴が小さくなれば勢い良く吸い込むだけで量的に変化があるとは思えない。
さて、実際に焚き始めると意外なことにフラップはかなり早い段階で閉じてしまい、それでもバイメタルは伸び続けるから巡航運転になる頃にはフラップをつなぐ棒(二次空気リンク)だけが宙ぶらりん。それが下の写真。
フラップはいつ突起まで達するかというと、焚きつけてダンパーを閉めて、ものの20分や30分だ。ということはフラップが空気を調節しているのは低温時だけなのか。
260度から煙を燃焼させるためにフラップは最初開いていて、充分に二次燃焼が働きはじめる以降は閉じて一定量の空気だけを供給する。その後は500度であろうが800度であろうが1000度であろうが給気口の大きさを変えることはない。高温になったからといって空気量を絞る働きはしないのだな。
熾きに勢いがなくなって温度が下がってくればフラップは元に戻っていくが、低温かそうでないかのまるでON/OFFみたいな動きをしている。
最近ではフラップを通り過ぎて下にぶら下がる棒(二次空気リンク)の先ばかり見ている。
その通り過ぎた長さで二次燃焼室の温度の高い低いがわかるってもんだ。
棒に目盛りでも書いてやろうか(笑)
追記だ。この記事から4年が経っている。(2011.10月)
この観察はだいたい合ってるみたいだ。
低温時というのは未燃焼ガスが多く発生しがち。そのままでは未燃焼ガスが濃すぎるから多めに空気を入れている、という理解なんだろう。
デジタル温度計
かねてより目をつけていた秋月電子の「超低温/超高温(-200℃~+1250℃)デジタル温度計キット 」を購入した。
この電子工作キットを組み立てると1000℃以上が計れるデジタル温度計になる。高温に耐えられるのは長くのびたヒモ状のプローブの先端部分だけだが、このキットをネットでずっと見ているうちに、薪ストーブを計ってみたい衝動が抑えられなくなってしまったのだ(笑)
十分に可能と思われるのが煙突の煙の温度だ。煙突のネジ穴から差し込んで排気温度を直接知ることができるはずだ。
グリドルやフロントドアから差し込んで炉内や炎の温度にもチャレンジできそうだ。プローブはすぐボロボロになるだろうがスペアは購入済み。1本たったの400円だから複数用意しておける。
さらにはアンコール背面の二次燃焼室のサーモスタットの棒といっしょに差し込んで、二次燃焼ボックスの中が計れないか?コンバスター直下であればそれは二次燃焼温度をリアルに反映するにちがいない。実際に測定できたらどんなことがわかるだろう。興味は膨らむ。
ただ私は電子工作をしたことがない。ハンダ付けしたこともない。抵抗だのコンデンサだの何の話やらさっぱり。そこが問題だ。























