「 薪ストーブ 」 一覧
コンバスターの寿命3
衝撃の写真を紹介しよう。
わずか2シーズンで破壊されたコンバスター。先日掃除した際の写真だ。
以前「コンバスターの寿命2」でこんな感想を書いた。
~「コンバスターの製品として設計された寿命は「12,000時間、5~6年」(ファイヤーサイド社の記載より)と決まっているが、要するに使えば使うほど、それが酷使すればするほど寿命は短くなる。それはタイヤの摩耗と同じようなもの。。。」
まったくその通りだ。ハッキリ明言するが、私のコンバスターの場合、寿命によって2年で壊れたのではなく、使い方によって(燃やしすぎて)2年で壊れたのだ。
Tシャツ1枚でいられるほどガンガンに焚きたがる好みの問題。それは薪を炉内いっぱいに詰め込んだ上にガンガンに高い燃焼温度で焚きまくる。寒い時期の在宅中はほぼその状態。
コンバスターの外枠までもひしゃげてしまっている。
二次燃焼ボックスもボロボロ、もうダメだろう。左側面は破断しいて気密も何もない。サーモスタッドの棒も燃え落ちている。
ジタバタしても仕方ない。すべて取り替えだ。
ストーブ博物館
日本だって昔からストーブを焚いていたわけで、明治~大正~昭和と、薪だろうが石炭だろうが改良を重ねていく過程で熱効率や熱工学とかの研究をしたことだろうし、実験もしただろう。使う側の庶民もズンドウストーブならズンドウストーブなりに工夫しノウハウを持って日々暖かく焚こうとしたに違いないのだ。
何も現在の薪ストーブブームだけが薪ストーブではない。ここ10数年の輸入物の知識だけじゃなくて、それ以前からもともとあったはずの日本の薪文化に学びたい。
ということでいろいろ探しているのだが、この本は「ストーブ博物館」(新穂栄蔵著)。1986年の出版。北海道大学図書刊行会。世界各国のストーブの歴史から熱工学・燃料まで豊富な写真・図版に基づき興味深く解説する「わが国初のストーブの本」とある。
ここに、本書と著者を紹介するあるサイトの文章がある。おそらく1986年の出版当時だ。
~ 北海道には欠かせないストーブの文化だが、ストーブについて書かれた本はほとんどない。本書は、「わが国では最初の」ストーブの本であり、その歴史から構造まで、幅広く記されたストーブの百科である。
ストーブに関して何か記事を書いたり、番組を作ったりする場合のネタ元は、ほとんど本書である。この著者がいなければ、これだけの歴史に残る仕事は、誰もなしえなかっただろう。〜
そこまで絶賛された名著には何が書いてあるんだ?
・・・興味のある人はどうぞ。
私は楽しく読みました。
「ストーブ博物館」/新穂栄蔵 著:北海道人
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灰を溜める量2
今シーズンもそろそろ終わろうとしているが、ここ1ヶ月ほど【4】のパターンで焚いている。以前「灰を溜める量」で書いた通り、灰受け皿は満タンのまま灰を炉内に溜める方法だ。
ちなみに下の写真の通り(1ヶ月前)、灰受け皿は満タンだ。グレートの隙間まで埋まっている。この状態からさらに炉内に灰を溜めていくんだ。灰受け皿は使わない。開けることもない。
あれから1ヶ月。すでに暖かい時期なので燃焼の様子などは比較のしようがないが、一つだけ書くことがある。
やはり灰の溜まる量が圧倒的に少ないのだ。
焚いても焚いてもフロントドアまでなかなか達しない、まだ溜められる。そうして一度も掃除することなくちょうど1ヶ月が過ぎてしまった。
これはそもそも薪の投入量が比較にならないくらい少ないからだ。朝と晩に焚くだけ。シーズン中に比べれば4分の1、5分の1以下じゃなかろうか。
だがそれを計算にいれたって、本当に灰の溜まるペースが遅い。
ガンガンに24時間焚かないのでゆっくり時間をかけて燃え尽きることも灰を少なくする要因だろう。それに印象としては、炉内に溜まる灰はくり返し何日もかけて焼かれているので、燃え残る成分もさらに燃えてサラサラになって、溜めても溜めてもまだ溜め続けていられる。究極は火鉢のような上質の灰にどんどん近づいていってるんだ。
【4】の焚き方はそういうことじゃないのかな、だから灰をずっと長く溜めていられる。どうだろう?
さんざん疑問に思った「灰の出る量」に対する一応の仮説にもなろうか。
いずれにしろ、あとは次シーズンのお楽しみだね。
ファイヤースクリーン
ファイヤースクリーンが欲しいね、という話だ。
休日にはこうしてドアを開けて暖炉みたいにして焚きつけを楽しむことがよくある。家の中でする究極の火遊びだね(笑)。
直接伝わる熱に頬がいっそう火照る。揺らめく炎に見入ったり、その迫力をただ見守っていたり。
ドアガラスの角度によっては3面に見えてまるで炎のワイドスクリーン。ただ火の粉が爆ぜるからずっとこのままではいられないんだな。
こういうためにファイヤースクリーンがあって、たいていの薪ストーブにはいろんなタイプがオプションで用意されている。
このオープンな状態で薪を詰め込んでガンガンに焚こうという人はまずいないと思うから、余裕でゆったり焚けるこんな時期こそファイヤースクリーンが欲しくなろうというもの。
買おうかな。
リンゴをこうして焚いたらきっと最高の贅沢だろうな。
(注)アンコールの場合、ファイヤースクリーンは6インチの煙突では使えないと取扱説明書にある。理由は煙の逆流らしい。
我が家は6インチ。ドアガラスを全開にしないのはそういう理由もある。
焚きつけ3
薪割りや薪運びで出た木クズや木っ端の処理について、ここは住宅地なのでそこら辺に捨てたり散らかしたまま放置しておくわけにいかない。ちゃんとその日のうちにホウキで掃いて掃除して、捨てるならゴミの日に出すのがルールだ。
そんなこともあって、私はそれらをできるだけ保管して焚きつけ用に使っている。
ざっと掃いてちりとりに集めたら粗めのふるいにかけて大きな木っ端だけをボックスに放り込んでおく。
わざわざとっておこうとすると手間で面倒なんだが、自分としては掃除してボックスに捨ててるだけの感覚。それも気が向いた時だけ。全部とっておいたらキリがないしね。あとは使う時までずっとそのまま。こんな箱がいくつかある。
本当は湿気ないように、土のう袋とか麻袋に入れた方が通気もとれていいかもね。
焚きつけの小枝もたくさんストックしている。せっせとしば刈りもしたし、2年前に集めたケヤキの小枝が使い切れずにまだ残っている。
私はこういう木クズや小枝が大好きなんだな。
なぜ?って、これがなきゃ火遊びがはじまらないじゃないか(笑)
焚きつけ2
さあ、また焚きつけるぞ!
何が楽しいって、火を起こすのが楽しくて仕方がない。焚きつけ大好きの私はこの日も午前5時起床なのだ。
焚きつけ方法は人それぞれ。ガスバーナーやふいごを使う人もいるし、固形燃料や着火材を使う方法もある。決まった方法はないので自分の好きなようにすればいいね。
私は前回、灰の中の熾きを集める方法を書いたので、今回はごく普通にマッチと新聞紙で焚きつけよう。
灰の世話をした後に中央に小割を2本並べ、新聞紙1ページ分を軽く丸めて中央に置く。そして着火しやすい小枝や木切れを組んでいく。(下の写真)
組み方は円錐形の時もあればキャンプファイヤーみたいに井桁に組む時もある。小枝だけで着火して徐々に薪を追加する時もあれば、最終的に追加する太い薪まで全部最初から組んでしまう時もある。その日その日でテキトーに(笑)、いろいろと楽しんでるわけだ。
今朝はわかりやすいように、小枝と小割で組んで後で太い薪を追加する。マッチで新聞紙に点火すればすぐに燃え上がる。(下の写真)
着火しやすい小枝や木切れさえあって、こうして小割で組めば着火に失敗することはまずないんじゃないかなあ。
メラメラと燃え上がる様子をボーっと見てしまう。この瞬間がいいね。
完全に火が回って着火が安定したら、今度はもっと大きい薪を追加する。アンコールはグリドルを開けて上から追加できるのがいい。上から狙ったところに(最も燃焼が進むように)薪を追加していける。(下の写真)
下の写真のようにドアガラスを開けてボウボウ燃やしてみたりしてね。燃焼をもっと大きくしたい時とか、時間的に早く温度を上げたい時によくこうする。この日ドアガラスを開けているのは別に意図はない、遊んでるだけ(笑)
さあ、今朝も順調に焚きつけました。
あとはアンコールが十分暖まるのを待ってダンパーを閉めましょう。
焚きつけ
最低気温こそ氷点下だが、4月ともなればさすがに夜通し焚く必要もなくなる。夜寝る時も薪を追加しないで寝るから翌朝にはすっかり燃え尽きてご覧の通り。
真冬にこんなに火を落としていたら寒くて暮らしていられないけどね。今の時期だからこそ余裕の焚き方ができる。
さて、焚きつけるぞ!
何が楽しいって、ここから火を起こすのが楽しくて仕方がない。焚きつけ大好きの私はこの日も午前5時起床なのだ(笑)
まずは灰を少し掃除するのが日課。私のやり方は「灰の除去」の通りだ。主に炉内の手前と両端に溜まっている完全燃焼したサラサラの白い灰だけを火ばさみでグレートの下の灰受け皿に落とす。(下の写真)
この時、グレートの手前部分の数カ所だけしか穴は開けない。せっかく溜まった灰だから火持ちもしてほしいからね。それに後述の通り、少しのこの空気穴が焚きつけに便利なのだ。
さて、焚きつけはマッチ一本でもいいのだが、せっかくだから灰の中に残る熾きを探すのが楽しい。(下の写真)
すっかり消えたように見えても灰を掘ってみれば熾きが必ず残っている。見つけて掘り出すと空気に触れて赤々と「オレはまだ生きてるぞ」ってカルシファーが言う(笑)。それを火バサミでさっき掃除して開けたグレートの穴の部分に集める。そう、下からの空気によって再び火を起こすわけだ。
小さな火種でも集めて小枝や木の皮を乗せれば下からの空気があるからすぐにくすぶり始める。(下の写真)。
このまま放っておいてもいずれ燃え上がるのだが、のんびり休日でもなければ一発で着火させたいよね。
そこでドアガラスはいったん閉じる。続いて、下の灰受け皿を少し開けた途端、グレートの少しの穴から一気に空気が供給されて一発着火。
焚きつけ1分。
私が好む、灰の中に熾きを探すマッチいらずの方法だ。
灰を溜める量
薪ストーブはある程度の灰を溜めて焚いた方がいいとよく言われる。
何よりも火持ちが良くなる。灰の助燃効果、炉床の保護などもある。我が家の場合も灰を溜めた方が劇的に火持ちが良い。
でも溜めるってどれくらい?
それぞれが好きに溜めればいいのだが、私のように限度を知らないヤツもいれば、まったく溜めないで毎日きれいに掃いてしまう人もいる。
下の図はアンコールの場合だが、【1】のようなイメージが基本になるのかな?薪を焚けば灰となり灰受け皿へ落ちていく。そして適度に灰受け皿を引き出して灰を捨てる。これがメーカーが想定する設計上の使い方で、「ある程度の灰を溜める」のは大なり小なりこういう状態のことでいいと思う。
【2】のように頻繁に灰を取ってしまう人もいる。ちりとりでグレートの上も綺麗に掃いてしまう。やっと夢が叶った真新しい薪ストーブだから最初はそういう気にもなるのだろう。薪ストーブに慣れた人はこれを差して「そんなにこまめに掃除しないで灰はある程度溜めた方がいいですよ」とアドバイスしたんだと想像する。
だからといって限度を知らないヤツもいる。アンダイアンが隠れそうなくらい溜めた【3】のケースは私のことだ。一番最初の慣らし運転から始まって一度も掃除せず溜めまくった。だって火鉢のように溜めた方がいいって聞いたんだ(笑)。
アンコールは上のグリドルが開くからこんなため方もできるが、溜めればいいってもんじゃない。いくらなんでもやりすぎ。
で、いろいろ話を聞いてみると、慣れた人ほど【4】みたいな灰の溜め方をするようだ。
灰受け皿は常に満タン。掃除しないのではなくできないのだ。灰受け皿を開けようものなら灰があっちこぼれてこっちこぼれて大変なことになる。
いっそそのまま溜め続けて、溢れそうになればフロントドアを開けて炉内の端の方からスコップですくって取り除く。
灰取りバケツのことも考えると私にはこっちの方が面倒に思えて仕方ないが、火持ちを狙うならば(「灰受け皿に穴」のことを考えても)アンコールはこの状態が最も火持ちがいいだろうことはかなり理解できる。
私は2年目の今シーズン、アンコールをちゃんと理解したかったので、まずは設計された使い方で設計された能力を引き出そうと(それが一番難しいのか?笑)律儀にガンバッテみたが、わかったようなわからんような、楽しい日々でシーズンが終わっていく。
薪ストーブにもっと慣れて経験を積んでいけば、私もたぶん今ほどはせっせと灰の世話をしなくなるだろう。ものぐさとか無精とかでなく、慣れとはそんなものだ。
そう思いつつ、シーズンが終わる前に【4】のような焚き方をしてみようと灰を溜め始めるのだが、先週は奥さんが捨ててしまい、今週は祖母が捨ててしまった(笑)。
仕方がない。ますます暖かくなるばかりだし、あとは来シーズンのお楽しみとしよう。
薪割り三部作
ご存じの方も多いだろう。
誰が呼んだか、薪割り三部作。深澤光著。
「薪割り礼讃」
「薪のある暮らし方」
「薪割り紀行」
読みたくなると図書館から借りていたのだが、このところいつも貸出中。薪ストーブを使う人が増えているんだなあと実感する。
良い機会なので三部作を購入することにした。
薪を焚く人には薪ストーブの数だけ暮らし方があり、楽しみ方もやり方もそれぞれ違う。自己で完結する人もいれば、活動を広げたい人もいる。筆者はもちろん後者で、布教活動と自分で言っているくらいだ。
そして薪割り礼讃を「分かち合いたい」うちに、この三部作で「広めたい」「深めたい」と日本と世界を行ったり来たり。そこまで究極を求めたいとは思わない部分も多々あるが、薪を焚くことに関するあらゆる興味や学びたい気持ちをまんべんなく満たしてくれてとても楽しい。
中でも、時折登場する昔ながらの薪割り名人たちがいい。あの名人たちの技や暮らしぶりを徹底的に書いてもいい本ができるんじゃないか?(笑)
経験するたび読むたびごとに気づかなかったことに理解が進む。
私にとって永遠の未完のバイブルになりそうだ。
洗濯物がよく乾く
我が家では吹き抜けの一部をスノコ状にして、冬の間はそこで洗濯物を干している。家づくりの段階からこの干し方は決まっていた。
「薪ストーブを入れて良かったって一番実感する瞬間は、冬場の洗濯物かもしれないよ」
なんて、家事がたいへんな奥さんを喜ばせようと設計段階によく話したものだ。
それまでは冬場は2日干してもなかなか乾かなかった。乾いていていいはずなのにいつまでも湿った感じがする。石油ストーブの上に吊るしたりコタツの中に入れておいたり、子供の登校に間に合わないのでドライヤーまで出てきてゴーゴーと、毎日毎日洗濯物と格闘していた。狭い家はもっと狭くなるし、結露はますますヒドく、結構なストレスだったものだ。
今では薪ストーブのおかげで洗濯物が実によく乾く。夜干せば朝には乾いてるし、朝干せば夕方には乾いてる。それも太陽にあたったようにパリッパリだ。気持ちいいっ!
子供たちがどんな雪まみれで帰って来ようとも問題ない。以前の暮らしのような、洗濯物のストレスは完全に解消した。
過乾燥対策にもなるし、薪ストーブを利用して洗濯物を楽に干す方法は最初から設計に入れておくのがいいね。
奥さまも喜んでくれること間違いなしだ。