「 薪ストーブ 」 一覧
天板のホウロウ補修2
前回のつづき。改めて天板のホウロウを観察するためにまずスチールたわしで汚れをとる。
煮たり焼いたりした汚れはこれでバッチリ取れる。問題はホウロウの剥がれだ。
さすがに15年経つとホウロウもこうなるってことだ。このことは前回書いた通り、ホウロウの剥がれ方には2種類あって、何かをぶつけたり当てたりする外部からの衝撃と、長年の使用と高温による経年劣化で浮いたり錆が発生して内部から剥離していく、というパターン。そしてひとたび剥がれて鋳物が露出すれば、その2つが同時進行で剥がれを拡大させていく。そんな感じ。
さてどうする。
指で触れば中途半端に剥がれて浮いたホウロウがボロボロと剝けてくる。もし1年目や2年目だったら泣けてくるんだろうね、笑。私はもう慣れてしまって、これだけ高温で酷使してればさもありなんと思う。よく頑張ってるよアンコールもホウロウも。
大切にしたいあまり剥がれに対処しないでおくとシーズン中も必ず剥がれる。雑巾で天板を拭くたびにその破片を集めることになる。
いっそ剥がれたり浮いた部分は思い切って取り除いてしまおう。だってその下ではホウロウは剥離していて拡大するのは明白なんだから。そのうちカッター持ってきてこれ以上剥がれないだろうという部分に達するまで削り始めた。
日本中で大事なアンコールのホウロウをカッターで削ってるヤツはそうはおるまい。ホウロウの消耗とつき合うと決めたんだ。やる時は思い切ってやる。
次回は剥がして露出した鋳物の下地処理についてだ。もう止まらないよ。
ファイバーロープの交換2
アンコール触媒機#2550、ファイバーロープの交換の続きだ。必要となるものは、まずファイバーロープ。ファイバーロープの入手についてはこちらに詳しく紹介してる。「アンコールのファイバーロープ」
次に耐火セメント。黒ラベルがメタル用。赤ラベルがガスケット用。今回のような軽作業は赤ラベルでいく。
作業内容はカンタン。まず濡れぞうきんで溝を拭いて軽く湿らしておいて、耐火セメントをチューブを絞りながら置いていく。チューブタイプの耐火セメントはあらかじめチューブを揉んで柔らかくしておくことだね。とくに保管期間が長くなってると内部では水と分離してたりするから私は結構入念に揉む。
絞りだしたセメントを私は指で均一にならす。ドライバーとかヘラでやれば汚れないのに、私は自分の指先が一番だ。盛り過ぎた場所や、薄い場所を均一にならして結局のところ少量の耐火セメントで済む。あとはファイバーロープを「決して引っ張らないよう」そのまま溝に置いていく。
最後はハサミで切って終端の処理はガスケットボンドを数滴垂らしておく時もあるし、マスキングテープを巻いておく場合もある。
できあがったら、指で触れながらファイバーロープの均一状態を確かめて、接着が甘いと思う箇所は耐火セメントを足し、あとは24時間放置。
あくまでこれは私の場合。探している人には参考になるだろうか。
天板のホウロウ補修1
アンコール触媒機#2550、ホウロウレッド。
15年目のメンテナンスを始める時、「天板の反り」のことを書いた。その反りによってホウロウの剥がれが目立つとも書いたが、観察しているうちにこれは普通の経年なりの剥がれであって、天板が反らなければ剥がれなかったというものではないと思うようになった。
画像では天板の右側に剥がれが集中している。我が家ではこちら側にキッチンや生活空間があり、ヤカンや鍋を置くのはいつも右側からなのだ。グツグツ煮物をして吹きこぼれることも日常茶飯事。
ウォーミングシェルフを外してみると左右で対照的。やはり右側の剥がれが激しい。ウォーミングシェルフで隠れてるはずの部分がボロボロだ。これは気づかなかったよ、参ったな。
さらにウォーミングシェルフの裏側にも錆が出てる。左側はまったく綺麗なんだから、やっぱり右側はキッチン側で生活空間に近いからなんだろうね。
まだあるぞ。オーナーでなければ観察することもないと思うが、よく見ると天板のホウロウの表面に消耗がわかる。ひび割れではない。あくまで表面の細かな筋だが確実に消耗してる。ヤカンや鍋を置く置かないに関わらずだ。
また明らかにホウロウが浮いてる部分がある。その下ではホウロウが天板から剥離してたぶん錆が発生して剥がれが進行しているんだろう。
こうしてみるとホウロウの剥がれには、外部からの衝撃と内部からの剥離、の2種類がありそう。外部からの衝撃は気をつけることで対応できるが、内部からの剥離は長年の使用と高温による経年劣化というべきで避けることはできないんだろうな。
以前ツタンカーメン王の黄金のマスクもホウロウ仕上げだと書いてホウロウの輝きに感心したものだけど、ガラスケースの中の装飾品と違って薪ストーブは生活品だからね。そりゃ毎日使ってるんだから。ガンガン高温で焚いてるし。100年どころか、15年20年で限界とする考え方も無理はないのだろうか。
となれば、この先ホウロウの消耗とつき合っていくことになるんだから、ここはひとつ、天板のホウロウ補修に挑戦してみようと思う。
ファイバーロープの交換1
アンコール触媒機#2550、ファイバーロープの交換をしよう。今回するのはロアーファイヤーバック。
ファイバーロープは白く固くなれば消耗のサイン。そうでなくても高温と圧着で弾力も失われ役目を果たしていないと思えば交換してる。今回、消耗してるのはロアーファイヤーバックの上部で下部は問題ないが、ツギハギで張り替えるよりも私は全交換するよ。
古いファイバーロープは手で剥がせばぺりっとめくれる。次が残った古い耐火セメントの除去だ。しかしこれ、前回貼った時の耐火セメント盛り過ぎだね。ロアーファイヤーバックは取り付けっぱなしで可動する部分じゃないんだから、耐火セメントは取り付け時に位置ずれしない程度で十分。つまり指やドライバーでセメントを適度に塗り伸ばして厚くなりすぎない方があとが楽。
さて、古いセメント削るにはドライバー使うとドライバーの方が削れて丸くなるので最近はタガネでやってる。そしてハンマーはゴム。自分の指を打って悶絶しないため、笑
本当にこれ除去できるの?って最初は億劫に思うけど、取り掛かればスムーズに進む。難しいことはない。大雑把にグルっとタガネで砕いて削ったあとは、ワイヤーブラシで擦ればほぼ大丈夫。ここから細かく完全に取り除く人もいるだろうけど、私はだいたいでオッケーとする。ダメ?笑
ここまで休日にのんびりやって小1時間程度。次はファイバーロープを貼ろう。
condarのコンバスター4
さてコンバスターだ。2012年から2018年まで7年も使って画像の通りだ。壊れないんだなこのコンバスター。以前は1年や2年でバキバキに壊した私だというのに。なぜこのコンバスターは壊れないのか、こちらで何度も書いた。
(「condarのコンバスター3」、「condarのコンバスター2」)
次シーズンも使う?
いや、このコンバスターもさすがに消耗して触媒機能はかなり低下しているはずだ。7年目は煙突からの煙が目に見える場面が多い気がしたし、臭いも気になった。製品としての耐久性は5~6年または12,000時間。さすがに8年目はないだろう。いい加減交換だ。そのつもりで新品のコンバスターは用意してある。
ところで新品のコンバスター、こいつの品質はどうなんだろう?
実は私がずっと書いてるコンバスターの記事について、結論を言えば正確なことは何ひとつ確かめられていない。数社に尋ねたが「正規ルートの正規品ですから問題ありません」との回答のみ。正規とは?製造元や流通に関して品質を担保する何か情報は?
まあ業界人でもないただのユーザーが食い下がってする質問ではない。もう廃盤になった薪ストーブのアクセサリだしね、供給あるだけ有り難いとすべしだ。
で、いくつかの選択肢の中から新品のコンバスターを購入した。condarでもCC257でもなく”30001152”の品番のついた従来通りの流通品だ。よせばいいのに、いったん元に戻って比較しようと思ったんだな。
例によって製造元が明示されてない。誰がどこで作ったものなんだ?2017年製造の刻印が。外枠が見たことないタイプ。改良品かな?ほどほどの品質の廉価版?それとも・・・?結果はいかに。またいずれ書くことになると思う。
天板の反り
15年目を迎えるアンコール触媒機#2550、ホウロウレッド。外観はそれなり消耗してきたね。私は気にならないタイプなので特にマイナスに感じないけど。
書くとすれば天板のホウロウの剥がれが目立つ。よく観察すると天板が反ってるんだ。天板の中央あたり、ダンパー裏の煙突の付け根あたりが膨らむように盛り上がってる。画像で伝わるだろうか?定規を置いてみればわかる。天板の左側を支点にしたら右が大きく開くから、中央あたりが盛り上がってる。
あれだけの高温にさらされ続ければ無理もないかな。ガンガンに焚いた14年間だったからね。
ホウロウのとくに煙突側の剥がれはこの反りによるものが大きいと思うんだ。そして鍋やヤカンを使うことによる普通の剥がれが加わる。果たしてパテで補修して意味あるかな?面積が大きいし、天板は膨らみ傾向にあるんだし。
これはこれ。そういうもの。心機一転、天板を交換するとか、機種変更するとか考えないこともないが、それはそれ、いずれその時のこと。
ただ天板が反るということも経年で起こるんだね。いや、ガンガンに焚き過ぎた結果、私んとこくらいのものだろうか。
これら以外に外観の変化はないなあ。とくに画像ではまったくわからないだろうね。実際、キレイなものだよ。
シーズン15のメンテナンス
夏休み、アンコールのメンテナンスをしよう。
14年間を焚いてシーズン15に向けたアンコール触媒機#2550のメンテナンスだ。見込みとして今年も大きな整備はない。やることはコンバスターの交換、そしてファイバーロープのヘタリ具合や当たり(密閉度)を調べることと煙突掃除。普通の点検整備だ。
灰はシーズン終了と同時に5月に抜いて、ロアーファイヤーバックや二次燃焼ボックスとかの灰も掃除機で吸ってある。
さて、薪ストーブライフ15年目の2019~2020年、シーズン15はどんな冬になるだろう。雪は多いかな、寒いかな。そんなこと考えながら、取り掛かろう。
薪を焚いて14年
まだまだ14年。たったの14年。中学生じゃないか。
何かわかった気になって、自分にもできるようになったと思える充実感は悪いことじゃない。でもまだ14年しか経ってないんだな。
人それぞれの価値観がある。その人の志向一つとっても、仕事が唯一喜びの人、高収入こそがすべての人、権力や名誉が何より好きな人、休日ごとの趣味に生きる人、社会や地域に尽くすことが生きがいの人、20代のある時期の経歴つまり学歴こそが後生大事な人、60歳になっても80歳になっても進行形で勉強する人、ものごとを変えたい人、変えたくない人、、いやキリがない。書かなくてもわかるよね。
薪ストーブを焚く人の価値観も千差万別なんだろうか。会ったことないからわからないが、コストとかお金とか見栄えとか、ステータスとか、、メリットデメリット天秤にかけて損得で薪焚いてる人もいるんだろうか。そして、そんな我々薪ストーブユーザーのことは貧乏くさいとか、変わり者だとか、迷惑だとか、あるいは憧れだとか羨ましいとか贅沢だとか、世間一般にはさまざまに映っているのだろう。
どれも関係ないというか、私にはどれでもいいんだよね。薪を焚く暮らしがしたいからそうしてるんだし、そうでなければそうでなくていい。それぞれを区別してあるいは排除して無関心になるのでなく、それをそれと認めつつ自らの価値観をもって自分を生きて、活かしていく。
春がきて夏がすぎ秋になって冬になる、そんな自然の営みは自らの価値も意味も叫んだりしないし、太陽も風も海も森も素晴らしい恵みかと思えば圧倒的な暴力的災厄をもたらす。そんなことは所詮人間側の価値観で勝手にそう思うだけ。
思えばこのブログをスタートしたのも、あとから来る薪ストーブを焚きたい人のために少しは役に立つことを書こうと思ったからだ。でも冒頭に書いたように私はまだまだ14年目の中学生なので先はもっと長い。もっと楽しんでもっとできるようになってもっと知ってみたい。
なんだろう、慣れた気になってないでこれからも自らの目指すところを楽しんでいこう。そう書こうとしたのかな。
まあ年初なのでオチがついてないのもよしとしよう。正月気分でそんなことを考えていた。
condarのコンバスター3
シーズン14に突入する前のメンテナンス。いつもは夏休みで終えるのに10月の今になってもまだ終えてない。まあ、それくらい今年はやることがなく軽整備で済むとふんでいたからだ。そして何より秋の深まりが遅い。温暖化の影響としか思えないよ。
さて、condarのコンバスターの点検だ。アンコール触媒機#2550用のセラミック製。
どうだろう、かつて1年や2年ですぐバキバキにしていた私が、このコンバスターは6年を焚いてこの状態。フレームに若干の曲がりがあるものの、ハニカム構造に欠けはないし少なくともかつて私が経験した惨状はまったく無縁といっていい。
くり返して書くぞ。かつて1年や2年でコンバスターをバキバキに壊していたアンコール触媒機ユーザーの私が、ある年、ファイヤーサイドから送られてきた品質の確かなcondarのコンバスターに交換した途端、6年も使えている。ではそれまで壊しまくったきたコンバスターはいったい何者?(「condarのコンバスター2」)
こんな私だからコンバスターが6年を超えてまだ使えるとは夢にも思わない。この記事を書きながらまだ迷っている。まだ使える、いや限界だ、不活性化して触媒機能はかなり失われているはず、いやここまできたらもう1年、、、、、、
なぜ薪ストーブ?2
「なぜ薪ストーブ?」、、
最初の年、あの記事で書いたことは今もまったく変わらない。
ホント、まったく同じ。
今はつくづく思う。私はよい選択をしたものだ。
人生はよりよいものになった。
内容は少し書き足すけれど、感謝を込めて自分自身に再掲する。
なぜ薪ストーブ?とよく人は尋ねる。
環境問題とか、原油価格の高騰とか、そんな必要に迫られてのことじゃなかった。
信念とか信条とかそんな高尚な理屈があってのことでもなかった。
ブームだとか、いや、時代遅れだとか、そんなのハナから関係なかった。
ましてやコストだの労力に換算だの、そんな計算クソ食らえだった。
自分の中に火を焚きたいという欲求があった。ただそれだけ。
アウトドア派でもない。農業にも林業にも建築にも土木にも接点がない。
ネクタイしてるただの勤め人。
思えば飯盒炊飯が好きで庭でよく焚き火をして飯を炊いた。
子どもたちは物珍しさを喜んでくれた。
バーベキューも大好きで毎週でもやりたかったが、妻が面倒くさがるのでひと夏に1回か2回が精一杯。
その程度。
なぜだろう、よくわからない。自分の中の火を焚きたいという欲求、DNAとも言うべき、火を焚きたい本能が自分の中にあり、それに従っただけのこと。
かつて人は火を起こし暖を取り、外敵から身を守り、煮て焚いて、工夫して、生活を保ってきた。そんなごく当たり前な自然の営みに恵まれながら暮らせることに喜びを感じる。
薪ストーブは自分自身。暮らし方の選択。
暖房器具の選択ではなかったのです。