「 薪ストーブ 」 一覧
アンコールの天板をはずす
天板を外すのはもっと先送りするつもりだった。
なのにやってしまったよ。
「普通にする普通のメンテナンス」を書いてるつもりが、しかしその「普通のメンテナンス」が難しいのがアンコール触媒機。とくに今やろうとしているアッパーファイヤーバックの取り付けは、天板を外さないでやるにはあまりにも作業性が悪すぎる。
やれないことはない。何度かシミュレーションもしてみた。しかしここ数年気にしているアッパーファイヤーバックの気密に関して、「大丈夫、これで問題ない」とするために、やはり天板のない一番確実な状況で取り付けてこの目で確認せずにはいられなくなったんだ。
天板は3カ所のボルトで固定されている。いきなり回さないでまずはCRCを吹いておこう。
この時、写真にはバックパネルを仮のボルトで固定しているのが見えるね。バックパネルは唯一ここで固定されているから、天板の押さえがなくなってうっかり剥がれてしまわないよう、この時はその用心だ。
ボルトを外したら、さあて天板を両手でつかんで片方を「ふんっ」とやるとパカっとあっけなく天板は持ち上がったよ。
耐火セメントを盛りに盛りまくって気密を保ちボルトで固定する。ここでも構造はまったく単純なものだ。難易度はロアーファイヤーバックやエアープレートと大差ない。いや作業のし易さでいえば天板の方が楽かもしれないよ。ただ面積が大きいだけ。
コーナー4カ所のパーツのつなぎ目に盛大にセメントが盛ってある。フロント中央のネジ込み部分にも。気密のためには当然そうなるよね。結構な隙間だから接着というより空間をセメントで埋めてるんだ。このあたりが元に戻す時の留意ポイントだね。
ホウロウはやっぱり少し欠けた。はみ出した耐火セメントが剥がれる時に持って行かれたようだ。
作業を続けよう。
新旧のコンバスター
3年間使用したコンバスターと、今回交換する新品のコンバスター。まだ使えると思いたいが、向かって右側が抜け落ちている。交換だ。
「コンバスターは12,000時間で寿命」が目安と言われる。
以前の私は1年や2年でバキバキにしたものだが、あれは「寿命」が来る前に「壊れた」んだな。高温で焚きすぎてセラミックも外枠もバキバキにしてしまった。「寿命」が来る前に壊れてしまうというのはなんとかしたいものだよ。
今回のコンバスターは3年保たせたわけで自分としてはかなり上出来なんだが、一日24時間焚いてざっと半年間として、24時間×30日×6ヶ月、
=1シーズン 4,320時間、
=3シーズン12,960時間。
この大ざっぱな計算によれば今回の交換は妥当かもしれない。でもむしろ3シーズンは保たせなければ合点がいかないという最低ラインの目安だよね。24時間ずっと触媒が働いてるわけじゃないんだから。
ところで新品のコンバスターだが、私は6年焚いていてこのタイプを手にするのは今回が初めてだ。外枠の作りが良くなっていて、材質もステンレスで厚みが増している。中身のセラミックのコーティングも実にしっかりしてある。同じズードケミーなのに初めて手にした印象では別モノ。改良品か?と思えてしまうくらい。
以前からあったよ、たまたま手元に来なかっただけ、と言われれば、ではこれまで私が使っていたコンバスターは何モノ?
いずれにしてもユーザーの声を反映して今後も改良・開発が続くことに期待したいね。
ちなみに3年前に登場したステンレスのコンバスターは、結局のところディファイアント、アンコール、イントレピッドの触媒機では不採用とのこと。すでに従来のセラミックに戻され、主なショップでもステンレスは廃盤の扱いになっている。
ダッチウェストでは問題ない。ダッチウェストで使うステンレスのコンバスターは普通に流通して使えるから安心を。
薪ストーブの構造上の違いなんだろうね。
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ホウロウの補修2
1)ーーーーー
サビを紙やすりで落とす。ホウロウの中途半端な剥がれ残りも取り除く。あとはキレイに拭いて脱脂。シンナーとか脱脂スプレーとかあるといいね。
2)ーーーーー
次に、パテだ。
小さな欠けは付属のヘラよりは小筆が便利。
最初は下塗りとして薄く塗り、二度、三度とくり返す。そうして塗り重ねた末に欲しい厚さにする。一度に厚塗りすると剥がれ落ちやすいそうだ。あとで整形するからわずかに盛り上がる程度に塗る。
3)ーーーーー
乾いたら整形する。
仕上がりのキモだ。
指ですーっと撫でて凸凹がないよう、本体の曲面通りに紙ヤスリで仕上げていく。懐中電灯で角度を付けて光を当てるとわかりやすい。パテが足りなければ足してくりかえす。満足いけばあとは完全乾燥。
4)ーーーーー
補修液を塗って完成だ。のんびり翌日にやればいいだろう。
他にも何カ所か補修している。下はかなりの大面積なのにエイっと大雑把にやったウォーミングシェルフと干渉し合った部分。どうせ隠れるのだからと練習がてらテキトーにやって失敗したよ、笑
パテをせず鋳物に直接チョンチョンと塗ってごまかしたのがフロントドア。やっぱりパテをした方が仕上がりはいいね。
パテさえキレイに整形してあれば昼間の自然光ではほぼ見分けがつかない。見事なお色直しができる。
しかし夜の電球色など人工の灯りでは色の違いがややわかるかな。
このあたり個体差もあるだろうね。ひとつ一つ仕上がりの違うホウロウだからね。
あと、ホウロウレッドは焚くと色が変わる。補修した部分はどうなるだろう。それはシーズンインしてからのお楽しみだ。
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ホウロウの補修
「ホーロー」とも「ホウロウ」とも書くが、漢字では「琺瑯」。
工芸品っぽい伝統の趣を狙う場合はあえて「ホウロウ」「琺瑯」とこだわって書くのかな。私も以後は「ホウロウ」にしよう。
ちなみにあのツタンカーメンの黄金のマスクも琺瑯加工だそうだ。すごいよね。うちのアンコールも大事にしようと思ったよ、笑
さてホウロウの補修をしよう。
それほど難しい手順じゃない。ぜひ練習してチャレンジしてみよう。
購入するのは2点。
・ホウロウ補修パテ(ヘラや紙ヤスリつき)
・ホウロウ補修液(筆がついてる)
その他に私はパテを塗る小筆を100均で買ってきたよ。
手順はこうだ。
1)紙ヤスリで下地をキレイにする。
2)補修パテを盛る。
3)パテを整形する。
4)補修液を塗る。
次回に詳しく紹介しよう。
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耐熱グリス
メンテナンスでやっかいなのが、ネジやナットの固着だよね。
回らない、外せない、ってヤツ。
そんな回らないネジやナットを回す時、定番はCRCだね。呉工業の錆び落とし、潤滑スプレー。
こいつを吹いてしばらく浸透させればたいていは外せる。頑固な時はワイヤーブラシで擦りつつ隙間からこいつを少しでも浸透させて回す。必需品だ。
私も最初の頃は何本かのネジで苦労した。
それ以来、ネジを掃除することと耐熱グリスの塗布は欠かさないようになったよ。
やるのはメンテナンスの時だが、外したネジはCRCを吹いてワイヤーブラシで擦って固着物を取り除き、仕上げに耐熱グリスを塗る。こうしてから元通りに締め直すのだ。
なんとも地味なことだけどね。もちろんネジ穴の方も同様だ。
写真はさてどこのネジでしょう?
アッセンブリで代えるから耐熱グリスも意味ないかも知れないけど、笑。
とにかくアンダイアンもエアープレートもダンパーもアッパーファイヤーバックも、アンコールについてるネジというネジは全部CRCと耐熱グリスだ。
効果はどれくらいかって?
あるのかないのかわからないくらい、普通に外せるってことが効果なんだよきっと。
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耐火セメントの除去
メンテナンスで欠かせないのが「掃除機」。
これがないと始まらないんじゃないかな?
私が使うのは業務用の掃除機だ。灰掃除をする時やメンテナンスの時だけ「拝借」してくる。こいつは灰や煤などの微粒子はもちろん、水や土まで軽々と吸い上げる強力なヤツ。ホースも長いので排気を気にすることもない。
灰掃除はシーズン終了直後に終えているから、まずは耐火セメントの除去から取りかかろう。マイナスドライバー、ゴムハンマー、ワイヤーブラシを使ってひたすらに除去する。
下の写真はアッパーファイヤーバックだが、マイナスドライバーでガリガリ削りつつ、歯が立たない時はドライバーをノミのようにゴムハンマーで叩いて削っていく。途中や仕上げにワイヤーブラシで擦りながら進めていくが、やり始めれば意外と大した時間はかからないものだ。
同様に、炉内に残った耐火セメントも除去する。
特に今回はアッパーファイヤーバック、ロアーファイヤーバックを取り付け直す部分の古い耐火セメントを念入りに落としたよ。サイドパネル、バックパネル、天板の接合部も耐火セメントをしっかり充填したいからね。
ここまでくると全部バラして組み直したらどうだと思うが、私のアンコール触媒機はまだ6年間しか焚いてない。完全オーバーホールは10年目くらいでいいだろう?
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シーズン7のメンテナンス
夏休みのある日。アンコール触媒機のメンテナンスを始めよう。
予算が限られていることだし、すぐ交換すべきもの、次回まで我慢するもの、などなど見込みを立ててメンテナンスのメニューを決める。
私は最初のたった3年間で二次燃焼室のすべてを取り替えた前科がある。(「4年目の仕切り直し」)。アッパーファイヤーバック、二次燃焼ボックス、コンバスターとくれば結構な出費だったが、あれから同じ3年が過ぎてさて今回は?
と、最悪はフルメンテナンスも頭にあったが意外や意外。想像したほど激しい損傷はない。普通の消耗だ。
コンバスターだけは限界のようでここで交換だが、それでも3年間使用した。すぐバキバキにする私としては3年間も使用できたのは新記録なんである。同じく新記録の二次燃焼ボックスも損傷しているが、次も使うことができるだろう。
こうしてみると、私のガンガンに焚くクセは改善傾向にあるらしい。これが人並みというわけだ。ひと安心だ、笑
結局、立てた見込みで大きな交換は、
・コンバスター交換、のみ。
そこで今回は煙突にもお金をかけることにした。念願だった室内二重煙突化だ。吹き抜けにストレートに立ち上がってる4.7mのシングル煙突を、予算の許す限り二重煙突にするのだ。やりたくてしかし余裕がなくて機会を待っていたが、これは薪ストーブ屋さんとの相談だね。
あとは毎年の通常のメンテナンス。
・各種ファイバーロープ交換
・ホウロウの欠けた部分の補修
・耐火セメントによる補修
・ボルトやナットの焼き付き防止
・その他、調整&バラしたパーツの組みつけ
ということで、
さて、夏も終わることだしそろそろはじめようか。
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Two-In-One 2
肝心の燃焼について。
Non-cat=非触媒での燃焼は「エヴァーバーン」だよね?これだけでラインナップの一角を飾っていたというのに、そこへコンバスターを入れた場合、「触媒」+「エヴァーバーン」のダブル燃焼という理解になるけどいいんだろうか?
もしそうなら、どんだけ強力に燃えるんだろうと思ってしまう。壊れそうだ。
ヒマでもないのだが英文マニュアルの仕様で見てみた。主な違いのところだけ。
前回の記事は「Two-In-One」を「一石二鳥」と訳さんばかりだったが、数字だけを見れば「Two-In-One」とは「2つの技術が融合して現行ディファイアント並みにパワーアップしたもの」という売り文句ができなくもない。確かに燃焼選んで焚いてみたい気にはなる、笑
気になるところは、
(1)「触媒」+「エヴァーバーン」のダブル燃焼は二次燃焼室にどれくらい損傷を与えるだろう?数字で見ても最大出力が現行ディファイアントさえ上回っている。うっかり調子だすとあっという間に高温になりそう。私などいつも高温傾向で焚くからコンバスターはまたバキバキ必至か?
(2)それともコンバスターの前段階で「エヴァーバーン」が働けば未燃焼ガスを分担することになってコンバスターへの負担は軽減されるのだろうか?
もしかしたら現行アンコールのように常に最大出力近くまで焚かなくて済む(そこまで焚かなくても暖かい)とか?。出力レンジは抑えられていて最大出力までかなり余裕がある。重量もまさにディファイアント級だ、熱をたくさん蓄えるだろうし薪も多く入る。
加えてもし(2)であるとするならブラボー。「Two-In-One」の日本語訳は「2つの技術の融合」でキマリなんだが、、、、、
まあ、これは私の妄想の話。数字を並べて比較することの意味無さもわかってる。くれぐれも真に受けないように。笑。
でもネガティブな夢なら見る必要がない。楽しみにしていよう。
Two-In-One
触媒と非触媒がひとつになって新型になった。
触媒アンコールとエヴァーバーンを合体させたような、いやエヴァーバーンに触媒を乗っけたような、それが新型アンコール「Two-In-One」。
初代アンコールは背面からコンバスターの交換ができたタイプ
2代目が私のアンコール。
3代目がこの「Two-In-One」という理解でいいだろうか。
新型アンコールは触媒と非触媒の2つの燃焼方式を選んで焚くことができるという。選ぶといっても専用のレバーやスイッチはつかない。夕食の団らんではオーロラの炎を楽しんで夜は経済的に触媒で焚く、そんな使い分けを想像をしているとしたらハズレだよ、笑
要するに選ぶとはコンバスターを入れて焚くか、抜いて焚くか、の違いのようだ。コンバスターへは1分もかからず工具もなしにアクセスできるという。
しかし燃焼方式を選べるといっても最初はコンバスターがセットされて出荷されるのだし、交互に燃焼を切り換えるというより、触媒を抜くという選択ができる、ってのが本当のところだと思う。
それは数年後だ。コンバスターが壊れた時。面倒だしお金かかるし、法律がどうのこうの、望まない人は取り出して捨てちゃえばいいのだ。抜いて焚いても立派なエヴァーバーンなんだし、メーカーとしても排煙基準クリアで問題はない。望む人は新しいコンバスターを買えばいい、どうぞお好みの選択で。。というわけだ。
ランニングコストやメンテナンスのクレーム問題、抜いた後の排煙基準、もろもろの問題に対して「Two-In-One」どころか「Four-In One」みたいな都合のいい話に思える。解決にはなっていないが回答だけは用意した、みたいな。
新型アンコールは米国サイトではすでに公開済み。日本ではなかなか情報が出てこないね。楽しみに待ってるんだけどな。
ドンコロを焚く
こうした切れ端を自分では「ドンコロ」と呼んでいる。
薪割りで残ってしまった半端モノ。もちろん全部集めて「ドンコロボックス」に放り込んでおく。しかしこれは薪としては戦力外通告に等しく、シーズン中は見向きもされず放置される。するとそのうち2年前のものか3年前のものか、まったく忘れる。
それが役に立つのが5月、6月の頃。すでにシーズオフだというのにちょっと肌寒いと薪ストーブを焚きたい夜がある。普通に焚くと暑すぎるし薪が勿体ないから、そこが「ドンコロ」の出番だ。
忘れるくらい年数が経っているからよく燃える燃える。ある程度の火持ちもする。梅雨時に湿度を下げてカラッとしたい時も、洗濯物を乾かしたい時も「ドンコロ」だ。
「薪」になりきれなかった半端ものの「ドンコロ」。
シーズンオフに重宝する。