吹き抜けを考える2
<前提として>- - - - - - - -
我が家で暖めたい空間を1階40畳、2階40畳、としよう。それをつなぐ吹き抜けは10m×1.2mと家を縦断するように細長い。この記事の図はその細長い吹き抜けの断面。
シーリングファンの使い方も普通と逆だし、あくまでひとつの事例と考えること。
(図1-1)薪ストーブを導入する時、我が家の構造では空気の流れはこうなるだろうと考えた。
吹き抜けも5~6mと高いから暖気を「撹拌」ではなく「循環」させるイメージを持ち、自然に生まれる空気の対流に逆らうことなく、むしろ加速する形で暖気を大きくまわそうと考えた。
そこでシーリングファンは図1-1のような位置にあり、細長い吹き抜けに向けて下回転を想定した。
こうして1年目、薪ストーブシーズンが始まったが、しかし暖かくない。室温も全然上がらない。それは単に薪ストーブに慣れてないので「焚き方が甘い」だけの話だったのだが当時はそうと気づかない。何とかしなければと打った手が(図1-2)「吹き抜けを一部塞ぐ」だった。
(図1-2)「焚き方が甘い」上に吹き抜けを一部塞いだこのパターンが、実は一番寒かった。
なにより「焚き方が甘い」のだから暖気が足りてない。あちこちに温度差が生まれた。しかも吹き抜けが小さくなったことで1階の暖気はその「穴」をめがけて上昇しようとし、2階の冷気はそこしかない「穴」をめがけて降りてこようとする。穴が小さければ小さいほど空気の流れは速くなり、薪ストーブを焚けば焚くほど加速される。それが階段をイッキに降りて来た。我が家の床を這う冷気の正体はこれだ。
やはり空間は塞がず大きく大きく空気をまわそう。温度差があるから冷気が動く。暖気はまわして冷気は散らして、2階の空間こそ均一にしよう。冷気がなければ降りてくることはない。そう考えた。
(図2)つまり一番当初の暖気計画に戻った。そしてサーキュレーターで2階天井の暖気を動かし、それをシーリングファンが1階へ運ぶ。なるほど1階にいて頭上に暖気が降りてくるのがわかる。なかなかいい。ボックスファンを回して階段を降りようとする空気も散らす。リビングの温度はかなり満足できるものになった。
しかし不満もなくはない。薪ストーブの温度が下がると暖気の温度も下がり、循環して1階へ降りてくる空気に暖かさを感じなくなる。
何よりもあのサーキュレーターの大きな音。日常的に回す気は毛頭ない。もっと静かな方法が必要だ。3年目に向けてもう少し検討しなければ。
ちなみに蛇足だが、次のようなことも考えた。
(図3-1)薪ストーブの上昇気流にシーリングファンをぶつけてみても効果は薄い。百も承知だが、シーリングファンを薪ストーブの真上につけてあのガンガンに暖かい暖気を下向きに放出したい衝動にかられたことはないか?。試してみたい衝動はないか(笑)。ダメならダメであることを確認できる。
ただシーリングファンを移動するには電気工事が必要だ。それに薪ストーブの温度が下がればシーリングファンを寒いと感じるのは目に見えているじゃないか。
相変わらずやってみないとワカンナイ、熱心なのかおバカなのか、困ったヤツだ(笑)。
(図3-2)最後に実はこれが一番の基本、一般論だ。
我が家は吹き抜けが10m×1.2mと細長いカタチをしており、そこを通して1階と2階を暖めようとしているからシーリングファンを下向きにしてピンポイントで暖気を1階へ飛ばそうと考えるわけだ。だが、ここはひとつ基本に戻ってみる。
つまり1階と2階の暖気を「循環する」という発想は捨てて、1階は1階で暖気を「撹拌」し、2階は2階で「撹拌」する。いずれ全体として家全部が均一に近づく。これが一番、理にかなっているはずだ。
ただ1階での暖気の「撹拌」方法がいいのがないのだ。放っておけばリビングの天井の暖気は吹き抜けへと動いて2階へあがってしまう。シーリングファンは頭に近すぎて普通の天井にはつけたくない。扇風機は弱い。サーキュレーターはうるさい。
天井吊タイプのシロッコファンのサーキュレーターなら静かだろうか。小型のファンなら音もなく回るものがあるらしいが効果は見込めない。
あーだこーだと、困ったものだ(笑)。長くなって大変失礼いたしております。