二次燃焼をモニターする6

上の写真はある日、スロートフードが赤熱した場面だ。
ビールを飲んでネッ転がっていてふと見ると赤熱している。鉄が赤熱する温度は800度とも言われ正確にはわからないが、いかにも変形しそうだしオススメできるものではない。メーカーもストーブのパーツを赤熱させるなと言っている。
ところがこの時、二次燃焼室をモニターするデジタル温度計は750度。特別高くもない、普通だ。これだけ赤熱しているのだからコンバスターはさぞや燃え盛り、二次燃焼室を高温で焼いていると思ったのに。
代わりに最高記録なのは、一次燃焼のグリドルの中央だ。この時400度。つまり尋常でない高温になっているのは一次燃焼の方だ。この日、スロートフードが赤熱したのはコンバスターが過燃焼したからでなく、一次燃焼の高温がきっかけなのだ。

私はコンバスターが壊れる理由を二次燃焼室に探そうとしていた。だが二次燃焼をモニターするうちに、コンバスターはそれ自身で勝手に燃えすぎたりしない。そうさせているのは一次燃焼だと思うようになった。
「高温の未燃焼ガス」と「未燃焼ガスの量」、この条件が一気に揃うとコンバスターは激しく燃える(注*)。条件を揃えるかどうかは、一次燃焼室の燃え方次第なのだ。それは空気レバーの操作はいうに及ばす、薪の量、樹種、時間とタイミングなどこれらが私の場合は条件を揃えやすい焚き方になっているのだろう。
(注*)もちろん二次空気が欠かせない。ただこの時の二次空気はほぼ一定かつユーザーは操作して量を変えることはできないのだから、唯一、制御できてコントロールすべきは一次燃焼ということになる。
「薪ストーブとは一次燃焼である」
アンコール触媒機はその抜群の性能からつい二次燃焼システムに意識がいってしまうが、二次燃焼は副次的に用意されたシステムであって、本来はそれほど意識しなくても発揮できるようになっている。
それよりもアンコール本体のほとんどを占める一次燃焼室の大きな空間にこそ注目しよう。一次燃焼をいかに良く焚くか。そして適度に焚くか。コントロールすべきは一次燃焼なのだ。


追記だ。
この記事のコメントで同じアンコール触媒機のnnishiさんがたいへん参考になることを書いている。なぜ自分のコンバスターは壊れるのか、ひとつのヒントになるだろう。

コメント

  1. nnishi@小樽 より:

    興味深く拝見しました。
    私の所では天板中央の温度が400度になる事は数えるほどです。
    そして、スロートフードが赤熱したことはまだ1度もありません。
    以前に塗り直したスロートフードの塗料は、たしかに
    燃え尽きてすっかり剥がれています。600度耐熱なので
    当然かもしれません。しかし、なぜ我が家では赤熱までの
    高温にならないのかが不思議です。
    これは、先日お書きになったナラの話がヒントになるかも
    知れません。我が家のナラはミズナラで含水率が高いものを
    1年以上乾して、15%~20%程度の含水率で焚いています。
    当地ではこれ以下にはなかなかならないようです。
    表面を測ったときも、せいぜい12-13%で、
    以前お示しいただいた、地域による含水率の限界通りです。
    次にミズナラの熱量ですが、同じ体積の薪の熱量としては、
    一番高いように思います。焚いていて実感します。
    しかし、このナラの比率は、我が家ではおそらく数分の1以下です。
    多くはニセアカシア、カエデ類、ナナカマド、桜です。
    こう考えると、私の場合は、雑木の多さ、最低含水率の
    地域差が過熱を防いでいるという可能性があると思います。
    また、薪は相変わらず入るぎりぎりの55センチくらいのを
    焚いており、炎が中央に集中しにくくなっています。
    特にナラ薪は贅沢薪なので、長く太めに作っています。
    その他に薪をくべる量にも違いがありそうな気がします。
    実は、私の薪ストーブには手書きのオリジナルマニュアルが
    ついていて、天板中央が250度になったら1次空気レバーを
    4分の3に絞る事が書かれていました。さらに280度で
    2分の1まで絞るんだったかな。
    これを拡大解釈して、つい絞りすぎて温度が下がるという
    「絞りすぎ病」になってしまったわけですが、逆にこの
    セオリーを守ったときに、絞りすぎで煙だらけにならない
    ためには、薪が多いと難しいです。それで、少ない薪しか
    くべなくなったのかもしれません。薪を足すときは
    基本的に1本ずつです。寝る前にもせいぜい大割~巨大割りを
    1本くべる程度で、炉室を薪で満たすのは試したこともありません。
    私の別な友人も奇しくも昨日スロートフードの赤熱について
    書いていました。この方も触媒がよく壊れる方で、薪の
    種類と乾燥については非常に良く研究していらっしゃいます。
    http://blog.goo.ne.jp/kankanwa/e/47b477687895d756fa891ee2739d8ccc
    薪は45センチくらいで作っていたと思います。
    こういう状態を焚きすぎと言っては酷で、「マニュアル通りの
    使い方なのにスロートフードが赤熱し触媒が壊れてしまう」
    というのが現実ではないかと思います。そして私の場合は
    マニュアルの範囲ではあるものの、薪を雑木中心に、
    量も少なめに焚いているという事ではないかと思います。
    それでも触媒温度は500-700度位で安定しているし、煙も
    ほとんど匂いがないので、こういう焚き方も悪くないようです。

  2. encored管理人 より:

    詳しく教えて頂いて本当に参考になりました。
    環境の差、焚き方の差に合点がいく気がします。
    コメントで読むだけではもったいないですね。
    スロートフードはもともと赤熱が想定されたパーツだと思います。
    だからといって推奨しないし、まして常態化するといろいろ壊れる。
    ナラの高温の仮説も含めて、そんな自分を私は焚きすぎと言いますが、
    焚かないと暖かくならないから。それに尽きるのです。
    「マニュアル通りの使い方なのに壊れてしまう」
    で登場したのがステンレスのコンバスター。
    解決になるか期待です。
    二次燃焼のモニターの次に進めたい仮説があって、
    「薪ストーブの出力を空気レバーだけでコントロールしようとしないこと。薪で加減するのだ」
    です。アメリカの自動翻訳で読みました。
    nnishiさんの試行錯誤に合致すると思いました。