冬越えの薪2
これは昨年11月に玉切りして積んでおいたミズナラだ。
あれから6ヶ月。冬の間の保管だったというのになかなか見事な乾燥具合じゃないか。木口のヒビ割れもそうだが、手にするとウソだろ?と驚くほど軽い。簡易水分計で木口や断面を測るが反応せず、割って内部を測ると12~15%。
昨年、同じこの場所でたくさんの薪を作ったが、こんな見事な乾き具合の薪はそう多くなかった。乾く様子が全然違う。しかも玉切り材だというのにすっかり水分が抜けて感じる。もともと水分量が少なかったとも考えられるが9月の伐採だからそうでもないはずだ。
「冬の北風はもっとも薪を乾燥させる」
確かそんなことを読んだことがある。冬場の乾いた北風はそれ自体が天然の乾燥機なんだと。
ほかにも私の薪棚では積雪とか凍結とか、氷点下の寒さと寒暖の差などなど、いろんなことが関係しているに違いない。
それに薪の話にはたいてい下のような挿絵がつきものであるように、風と太陽は同じくらい重要な要素なんだ。
試しに私の街の平均湿度を調べてみたら意外と高かった。これだと春に薪を作ってもすぐに湿度は上がり始め、冬まではずっと高いままで推移する。逆に2月から5月あたりが湿度の低い時期だから、ここに薪の乾燥期間を重ねた方が賢くないか?
すると1月2月は積雪で何もできないから前年のうちに割っておく必要があり、ここでも冬越えの薪は理にかなっていると言えそうだ。
季節を知り、風と太陽に薪を預ける。
いい薪をたくさん作りたいね。