平衡含水率
木材を屋外で自然乾燥させていくとだんだんと含水率が下がっていって、やがて放湿と吸湿がつり合って水分がそれ以上増えもせず減りもしない状態になる。そこが「平衡含水率」だ。屋外にある木材はみな最終的にはここに落ち着いて平衡する。雨ざらしか屋根ありかを問わず、自然乾燥である限りこれ以下に乾燥することはあり得ない。建築の世界では誰もが勉強することらしく、検索すると詳しく読める。
薪も屋外の自然乾燥だから同じことが言えるんじゃないかな。
乾燥させていけば限りなく含水率0%になるわけじゃない。薪を乾燥させるということは、平衡含水率を目指して乾燥させているってことだ。
その平衡含水率は季節とともに日本各地で異なる。それが下の資料だ。各地で含水率が一番低い月と、高い月で表されている。
私は薪ストーブユーザーなので何でも薪づくりに結びつけてしまう。
例えば、一番薪を焚きたい1月で比較すると、福井では1月が最も平衡含水率が高くなる。つまり自然乾燥である限りどうガンバッテも、この時期の福井では17~19%以下の薪を手にすることはできない。
しかし同じ頃、関東とくに群馬の前橋では11~13%の薪を手にすることが可能なのだ。同じ薪づくりなのに土地によって乾燥する度合いが違うなんてズルイじゃあないか?。
この約5%の含水率の差がどういうことになるかというと、一方では2kgの薪を薪ストーブにくべている間、一方では2kgの薪+100gの水を入れているってことになる。
やっぱりズルイじゃないか。こんなことが日本各地で起きているとしたら?
なあんて、あまり鵜呑みにしないように。
でも理論上、薪は乾燥すれば最終的に平衡含水率になるはずだし、こんな目安があるだけでも薪づくりに実感が生まれる。薪づくりの地域性、多様性みたいなものも感じられないかな。